このところ、事故の現場を見る機会が多く、自らのものであればそれなりに深刻になる訳だが、所詮他人の事故であり、大いなる野次馬根性もあり、ある程度客観的に眺めて分析したりすることによる頭の体操として関心を持って眺めているのだ。
今回紹介する事故は、交通事故証明書において「出会い頭事故」に分類される、車同士の事故では最も多い事故形態だ。
事故直後の、一方のクルマの転倒状況から、事故車の観察、そして該当事故車のドライブレコーダー画像まで入手でき、ある程度客観性ある事故状況が把握できたと思っている。
ここで、交通事故の死亡者は近年著しく減少しともすると事故は減ったと論じるアホな評論家もいるが、大きな勘違いだということを述べてみたい。
まず、死亡者減少だが、いわゆる車両内で死亡する「棺桶型事故」は、エアバッグの標準化と、もう一つの要因として緊急医療体制だとか、脳低温療法だとかの医療技術の進歩によるよるものだと私見としては考えている。だいたいにおいて、警察発表の死亡事故は事故後24時間以内に死亡した者の統計であり、それを超えて死亡したものは除外されているのだ。それと、交通事故による最たる障害が死亡事故かと考えた時、必ずしもそうではないということをともすると見落としがちになる。つまり、死亡しなくても高次機能障害、つまり高次の後遺障害に苦しむ受傷者は多いのである。その際たるものが、いわゆる植物状態に陥る受傷であり、交通事故の高額賠償金としても、死亡時より高額となる場合が多い。正直言って、私が当時なら、自己意識もなく生きながらえるより、死んだ方が幾らもましと思うが、同様の考え方の方も多いだろう。しかし、医療従事者は、まずは生命の救護を第一義に注力するのであって、これまた致し方ないことなのであろう。なお、交通事故は物損事故と人身事故に区分されるが、人身事故の受傷者数は100万人を超え、生じているのは旧来から、それほど変化はないのだ。
さて、事故直後、事故現場を見た写真が1および2であるが、交差点から10m近く離れ、軽自動車(D.Wake)が交差点側を向いて、運転席側を下にして転倒している。写真撮影をしているとお巡りさんが煩そうに妨害する発言を受けるが、別段被害者本人の名誉だとか個人情報を盗む意図もなく、また警察の捜査の妨害を与えるなどの行為をしている訳でもなく、公道上での事故の事であり、そんな権限はないだろうと相手にもしなかった。そもそも、彼の有名な「高知白バイ事故」も、警察官(白バイ隊員)が当事者だった訳だが、数々の証拠捏造から、最高裁でも有罪判決を受け、今でも大きな疑念を生んだままとなってることをどう思っているのだろうか。冤罪について、捜査の可視化をしなければならぬと結論付けておきながら、警察および検察共に一向に可視化が進まないのは何故なのかと思うのだ。
さて、本件事故は、どうして生じたのかと暫し思考するが、写真1の路面に残されたドリフト痕を見て、だいたいの事故状況は判明した。
事故の翌日、転倒したWakeを間近に観察(写真3~6)し、やはり想定した通り、同交差点で左後輪付近に相手車の衝突を受け、左回転の大きな偶力を生じ、ロールオーバーしながら180度向きを変え転倒したことが裏付けられた。なお、入庫工場によると、転倒車はレッカー車がなかなか来ないなどの理由で、現場臨場の力持ちのお巡りさん数名で引き起こし、自走して近くの該当工場に入庫したのだが、力任せにルーフを押したため、損傷なかったルーフに歪を生じさせたと怒っていた。まあ、事故の現場においては、手慣れたレッカー業者でも、養生不足だとか手際の悪さから、事故以外の二次損傷を与えるケースは時々ある。そのすべてを責める訳には行かないが、あまりにも拙劣な作業を知ると、困ったものだと思うのだ。
という訳で、本件想定状況図を作ったのが、写真7である。なお、本件事故は幸いに双方にケガはない物損事故であるが、保険会社同士の打ち合わせにより解決に至るのだろうが、その責任割合は写真8の判例タイムス(以下判タと略す)57図が該当するのであろう。なお、保険会社員自体が相当未熟な者でない限り、その様な言い方はしないであろうが、この判タを持って「決まっている」発言をする者がいるが大きな理解不足だ。この判タは裁判所が作ったものであるが、あくまでも大量に発生する交通事故を処理するためのガイドラインというべきものであり、当事者双方に異論があれば、正式裁判において決着を着けるというのがスジのものなのだ。
最後に、該当Wakeにはドライブレコーダーが装着されており、記録動画が入手できたので紹介しよう。Wake運転者(おばさん)は、まったく一時停止を減速もせず正に交差点を通り過ぎようとした直前、グルッとひねり1回転を生じたもので、正直本人は何んでそうなったか判らなかっただろう。ドライブレコーダーには、行き過ぎてしまっているから衝突の瞬間は写っていないが、直前に左方から進行してくるラパンの車頭が見えるのだ。なお、転倒後、おばさんの「痛い、苦しい」という音声が記録されているが、シートベルトをしており、宙釣りになったものであり、負傷もなく済んだのは幸運だった。
※ドライブレコーダー記録
今回紹介する事故は、交通事故証明書において「出会い頭事故」に分類される、車同士の事故では最も多い事故形態だ。
事故直後の、一方のクルマの転倒状況から、事故車の観察、そして該当事故車のドライブレコーダー画像まで入手でき、ある程度客観性ある事故状況が把握できたと思っている。
ここで、交通事故の死亡者は近年著しく減少しともすると事故は減ったと論じるアホな評論家もいるが、大きな勘違いだということを述べてみたい。
まず、死亡者減少だが、いわゆる車両内で死亡する「棺桶型事故」は、エアバッグの標準化と、もう一つの要因として緊急医療体制だとか、脳低温療法だとかの医療技術の進歩によるよるものだと私見としては考えている。だいたいにおいて、警察発表の死亡事故は事故後24時間以内に死亡した者の統計であり、それを超えて死亡したものは除外されているのだ。それと、交通事故による最たる障害が死亡事故かと考えた時、必ずしもそうではないということをともすると見落としがちになる。つまり、死亡しなくても高次機能障害、つまり高次の後遺障害に苦しむ受傷者は多いのである。その際たるものが、いわゆる植物状態に陥る受傷であり、交通事故の高額賠償金としても、死亡時より高額となる場合が多い。正直言って、私が当時なら、自己意識もなく生きながらえるより、死んだ方が幾らもましと思うが、同様の考え方の方も多いだろう。しかし、医療従事者は、まずは生命の救護を第一義に注力するのであって、これまた致し方ないことなのであろう。なお、交通事故は物損事故と人身事故に区分されるが、人身事故の受傷者数は100万人を超え、生じているのは旧来から、それほど変化はないのだ。
さて、事故直後、事故現場を見た写真が1および2であるが、交差点から10m近く離れ、軽自動車(D.Wake)が交差点側を向いて、運転席側を下にして転倒している。写真撮影をしているとお巡りさんが煩そうに妨害する発言を受けるが、別段被害者本人の名誉だとか個人情報を盗む意図もなく、また警察の捜査の妨害を与えるなどの行為をしている訳でもなく、公道上での事故の事であり、そんな権限はないだろうと相手にもしなかった。そもそも、彼の有名な「高知白バイ事故」も、警察官(白バイ隊員)が当事者だった訳だが、数々の証拠捏造から、最高裁でも有罪判決を受け、今でも大きな疑念を生んだままとなってることをどう思っているのだろうか。冤罪について、捜査の可視化をしなければならぬと結論付けておきながら、警察および検察共に一向に可視化が進まないのは何故なのかと思うのだ。
さて、本件事故は、どうして生じたのかと暫し思考するが、写真1の路面に残されたドリフト痕を見て、だいたいの事故状況は判明した。
事故の翌日、転倒したWakeを間近に観察(写真3~6)し、やはり想定した通り、同交差点で左後輪付近に相手車の衝突を受け、左回転の大きな偶力を生じ、ロールオーバーしながら180度向きを変え転倒したことが裏付けられた。なお、入庫工場によると、転倒車はレッカー車がなかなか来ないなどの理由で、現場臨場の力持ちのお巡りさん数名で引き起こし、自走して近くの該当工場に入庫したのだが、力任せにルーフを押したため、損傷なかったルーフに歪を生じさせたと怒っていた。まあ、事故の現場においては、手慣れたレッカー業者でも、養生不足だとか手際の悪さから、事故以外の二次損傷を与えるケースは時々ある。そのすべてを責める訳には行かないが、あまりにも拙劣な作業を知ると、困ったものだと思うのだ。
という訳で、本件想定状況図を作ったのが、写真7である。なお、本件事故は幸いに双方にケガはない物損事故であるが、保険会社同士の打ち合わせにより解決に至るのだろうが、その責任割合は写真8の判例タイムス(以下判タと略す)57図が該当するのであろう。なお、保険会社員自体が相当未熟な者でない限り、その様な言い方はしないであろうが、この判タを持って「決まっている」発言をする者がいるが大きな理解不足だ。この判タは裁判所が作ったものであるが、あくまでも大量に発生する交通事故を処理するためのガイドラインというべきものであり、当事者双方に異論があれば、正式裁判において決着を着けるというのがスジのものなのだ。
最後に、該当Wakeにはドライブレコーダーが装着されており、記録動画が入手できたので紹介しよう。Wake運転者(おばさん)は、まったく一時停止を減速もせず正に交差点を通り過ぎようとした直前、グルッとひねり1回転を生じたもので、正直本人は何んでそうなったか判らなかっただろう。ドライブレコーダーには、行き過ぎてしまっているから衝突の瞬間は写っていないが、直前に左方から進行してくるラパンの車頭が見えるのだ。なお、転倒後、おばさんの「痛い、苦しい」という音声が記録されているが、シートベルトをしており、宙釣りになったものであり、負傷もなく済んだのは幸運だった。
※ドライブレコーダー記録