私の思いと技術的覚え書き

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可変吸気バルブリフト機構のことから

2018-03-24 | 車両修理関連
 BMWが先鞭をつけた可変吸気バルブリフト機構であるが、トヨタやニッサンでも方式を変え、類似機構を採用したエンジンがある。しかし、吸排バルブの開閉タイミング位相を変化させる可変バルブタイミング機構は、一般エンジンでも普及したが、可変リフト機構はBMWほどには採用例は多くない。この理由を考えて見ると、ダブルチョークとかトリプルチョークの多連キャブとか、燃料噴射でも多連スロットルによる単一シリンダー単一スロットルが、特別な高性能エンジン向けであって、通常のクルマに使用されないのと同様だろうと思える。つまり、アクセル全開みたいな局面では問題ないが、アイドルとか軽負荷でスロットル開度が少ない領域では、吸入空気量の差異が即パワーバランスの差異となって、アイドルのエンジン振れや、軽負荷でのドライバビリティの悪化を招いてしまうからだろう。この小開度領域での吸入空気の差異を少なくするには、キャブであれば単一キャブの2つもしくは3つのスロットルバルブの機械的精度を、燃料噴射の多連スロットルでは多連スロットルとしての機械的精度が相当に求められる問題となる。ちなみに、ツインとかトリプルのスロットルバタフライは、スロットルシャフトに皿ビスで固定されるが、このネジを緩めるのは原則禁止されている。製造メーカーにより微小スロットルでの吸入空気のバラつきを最小限に抑えた調整済みのためだ。

 何れにしても、多連スロットルは絶対パワーを求められ、低速時のドライバビリティなんかほとんど無視できるレーシングエンジン向け(ほとんどスライドバルブ機構)なら問題ない訳だが、市販実用車向けとなると、コスト的になかなか難しい問題を内在しているのだろう。それを、BMWは可変バルブリフトで実用化させ、しかもポンピングロスを抑えたところは素晴らしい。

 なお、キャブの多連スロットルエンジンの場合、複数キャブ間の連動を取る必要がある。つまり、6気筒でツインチョークキャブが3連なら、3つのキャブの関係をほぼ差異なく連動する様に調整する機構がリンク機構に持たされている。また、キャブの場合は、スロットルが小開度領域ではメインベンチュリーの流速は低いから、アイドルとかスロー領域は、スロットルバルブが小開度でも流速が高い位置(スロットルバルブの下流直近)にアイドルポートもしくはちょっと長穴のスローポートが設置されている。そして、アイドルポートから流れ出す燃料はアイドルアジャストスクリューで調整できる仕組みを持たせている。このアイドルアジャストは、イニシャルは閉め込みロック位置(強く締めると段付するので厳禁)から規定回転(2.5回転とか)戻すことで行うが、1気筒づつを殺してのエンジン回転の低下を比較するパワーバランスとか、排ガスCO値を考察しながら追い込んで行くべきものだったことを回想する。


バルブトロニックエンジンのこと

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