私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

消えた技術、新しい技術(TIトレンド)

2014-12-29 | 技術系情報
 現代はEV系を除いた内燃機関を持つ、トラック、乗用車、ガソリン、ディーゼルの区別なく、TI(ターボインタークーラー)がトレンドの時代だ。これはダウンサイジングにより排気ガス(CO2=燃費)を向上させるため、小排気量&小シリンダーのエンジンに、ターボチャージャーとインタークーラーを装着し、ガソリンエンジンでは加給域も含めなるべ広範囲で理論空燃費でエンジンを廻し、ディーゼルの場合はイニシャル圧縮比は低くとも高加給により正味有効圧を高める。これらためにガソリンおよびディぜール共にシリンダー内直接噴射(特にディーゼル車で微少多憤ノズルを前提に高圧噴射化のますます進んでいる)が当然となりなります。

 ターボチャージャーは従来のウェストゲートバルブによる加給圧上限の単純制御を、VG(バリアブジオトリル)で行うものが主流となっています。VGはECUでベーン角度を制御することで、加給制御に自由度(例えば一定時間加給圧を高める等)を与えます。ところで、ターボの吸排気インペラ間シャフトにはフルフロートベアリングというベアリングメタル自体も空回りする方式のメタルが使用されており、回転中はシャフトおよびメタルがオイル中に浮き上がり動作します。このメタルの隙間は、ある程度大きめに取られ、ターボインペラの極僅かなアンバランスによる震度を、オイルに浮いた状態のシャフトとメタルで吸収するというものです。一時脚光を浴びたボールベアリングターボですが、ガタが無さ過ぎることにより、振動吸収が困難かつ回転抵抗となってしまうという欠点があった様に想像されますが?、近頃は使用を耳にしません。また、排気タービンのセラミック化も脚光を浴びましたが、最近はあまり耳にしなくなりました。耐熱および比重の小さいセラミックによりタービン慣性を小さくし、ターボラグを改善するというものです。これも複数以上の小型ターボ(パラレル)や、小大2つのターボ(シーケンシャル)でブレイクスルーし、セラミックの製造歩留まりの悪さやコストの高さを嫌った結果なのかと想像しています。近い将来には、VVVFインバータ制御で低慣性超高速モーターを併用して、タービンシャフトの加速を行うモーター併用ターボも登場するでしょうから、実用運転範囲は更に広がるので。

 しかし、排気ガスと燃費を求めたダウンサイジングエンジンですが、排気量やシリンダー数を減じてフリクションロスを減じ、必用なトルクは加給で補うというものだが、時代の要請なのでしょう。しかし、幾らバランスシャフトで振動を改善しようが、2気筒、3気筒、4気筒、それぞれの特有のビート音までを消し去ることはできません。ターボ加給も、昔と違いかなり低い回転から加給が始まり、高回転まで比較的フラットなトルクカーブを描くものですが、特定の回転域からトルクが盛り上がる(いわゆるカムに乗る)という、面白みのないエンジンと感じてしまいます。


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