私の思いと技術的覚え書き

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クルマのプロダクション

2015-01-07 | 技術系情報
 試作車ならとともかく、いざ特定の車種を一定量以上生産(プロダクション)しようとした時、アッセンブリメーカー(トヨタ等の組立生産メーカー)では、クルマ本体以外の艤装品(エアコン、ガラス、各ライト、etc~)はすべて協力会社からの納入に頼る訳ですが、ボディ本体のスチール製品は、すべてアッセンブリメーカー工場内に立ち並ぶプレスマシンで成型されるのかと思うと、そうではありません。アッセンブリメーカーでプレス成形を行うのは、クルマの外板部品となるアウターパネル(ボンネット、フェンダー、ドア等10数点程)程度のことが多い様です。これら外板部品には表面品質の良い冷延鋼(SPC)が使用されますが、低レベルの高張力鋼板の採用によって、耐デント性や張り剛性を確保しつつ薄板化されてきたのが現状でしょう。

 では、ボデー骨格の主強度をになう内板・骨格部位はどうなのでしょうか。これらの部位は、それ程の表面品質が求められませんから、熱延鋼(SPH)が多用されますが、その板厚や鋼板の種類(高張力レベルや亜鉛メッキ等の表面処理の有無)により使い分けられます。

 ところで、内板骨格の必用パネル枚数を細分化してみると、想像を遙かに超えた部品点数となることが判ります。例えばドアパネルという補給部品はアッセンブリー(一体の意)で供給されますが、アウター外皮は1枚ものですが、内板(裏骨)は前のヒンジが付く部分とその後部では別プレスde
板厚違いの成形品で構成されていたり、ヒンジのボルトが付く部分はウェルドナット付きのパッチとして別成型、さらに上部内側には補強材が別成型、サッシ部分が別部品(それも上部後端角部などで別成型品を溶接)、内部のサイドインパクトビーム(パイプ部および前後BKTが別部品成型)と10点を超えるそれぞれの個別プレス成型品から作り出されていることが判ります。一枚のドアだけで、この様なことですから、サイドメンバーやフロア関係など、本体パネルの要所の補強板や各パネル間を繋ぎ目に使用されるガセット、パッチ、スティフナ-等と呼ばれる小物部品やブラケットやウェルドナット、ウェルドボルトの溶着等々、個別の成型品にすべてを加算したら数百個のレベルを越えるのではなかろうかと想像します。ということは、これら製作するためのプレスマシーンというか、それにセットする金型が同量以上必用となります。(部品形状や穴開け加工などによって単一のブランク材を複数以上の金型で成形することから)このことは、下請け企業1社の手に余る程で、下請けは更に部品の形状とか得意分野等を睨みつつ、更に下層の下請け複数社への発注がなされていることも恒常化している様です。

 ということで、アッセンブリープラントでは、各協力工場から指定時刻配送で届いた部品を、寸法精度よく各種治具を利用して組み合わせ、スポット溶接による接合を行いボディを組立て行くのです。


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