先日も記した、マイカーのパンクのことですが、やはり中華タイヤは当たり外れも大きいそうということで、少なくとも2倍ちょっとはする国産タイヤに昨日入れ替え、本日の継続検査受験にて無事、また2年の車検有効となりました。
ところで受検中の待機中、車体番号、エンジン形式、ライト廻り、走行距離などを立ち回って検査している若い検査官にとの一問1答を以下に記してみましょう。
私:しかしねぇ、重税感を感じるよ。(13年経過の重量税重課のことを差し)
検査官:そうですよねぇ。
私:しかし、おかしいよねぇ。古来日本は良い物を長く使うのが美徳とされて来たのに逆行してるんだからねぇ。
検査官:そうですよねぇ。
私:だいたい、この税制って、大企業優遇税制だよなぁ。
検査官:私らも消費者としてはそう思っています。
私:おっと、君な、そんな話しを上役の前でしたらダメだよ。
てなことをからかって、検査ラインを進むとヘッドライトで不合格です。前回車検で合格しているし事故もしていないのでOKと思い込んでいましたが、1年ちょっと前にキセノンバラストの故障で、純正新品はバカ高額なため、ヤフオクでバラスト付きのヘッドランプに交換して以来、調整していなかったことを今更思い出しました。予備検査場で調整してもらい、再検で合格、検査終了となりました。
新しいタイヤは車検場までの行き帰りと未だ大した距離は走っていませんが、クルマが幾分軽く感じられるのと、路面のわだちや荒れで気になったワンダリングが随分軽減したと感じられたのは、タイヤ交換は正解でした。従前のタイヤもサイドウォールだけでなく、トレッド面の溝の底など、至る所に細かいクラックが観察されたのですが、未だ5部山程は残り溝があったにも関わらず、最近富にワンダリングが大きくなったと感じていたからです。
さて、ワンダリングって何という方も少ないだろうと思いますが、若干ウンチクを記してみたいと思います。ワンダリング(wandering)とは、ワンダー(wander)の語源から来ていると思いますが、「さまよう」とかの意で、wandering は「さまよい放浪する」とかでクルマの現象としては、クルマがふらつくとか、具体的にはステアリングが左右に取られるという症状を指します。一般に幅広タイヤほど、この症状は出やすいのですが、タイヤのトレッド接地面からサイドウォールの曲面がなだらかでなく角張った形状になった場合に顕著に感じる様になります。例えば、トラックの後輪に付けていた摩耗したタイヤを前輪に持って来たりすると、顕著に感じられるものです。皆さんもその様な意味も含め、ここに中古タイヤ4本があるとして、なるべく程度が良いものを前輪に付けるだろうと経験上から想像しますが、その様な意味も持っているのでしょう。
また、タイヤ以外の理由でワンダリングが出易い出難いというアライメント上のことも、もし知らぬ方がいたら知っておかれると何かの時、参考となると思えますので記してみます。一番のアライメント上で関わるのがキャスター角に相関があると想像できます。キャスター角はFR車とFF車を比べると、一般にですがFFは小さな数値になっています。それは、直進性を高めるキャスターアクションですが、FFでは前輪が駆動することで、雪道みたいな路面摩擦係数が非常に低い場所で乗って見れば判りますが、例え前輪が空転しても、ほとんど左右に車体が流れることはないという、本来の直進安定性を持っています。ただし、俗にトルクステアと呼ばれる、強い駆動力を与えた時、安価なFF車では非対称ドライブシャフト長ですから、僅かにステアリングに違和感を感じる場合があります。これは、ドライブシャフトのジョイント角の問題と、シャフトの捻れの位相が異なって来ることによります。ですから、不等長ドライブシャフトのFFでは、長いシャフトの方が太いシャフトにして、捻れ剛性を高め、駆動時の位相をなるべく押さえている訳ですが、理想はインターミディトシャフト(中間軸)を使った、左右等長ドライブシャフトが、ある程度の上級もしくは高出力エンジンのFF車には使用される訳です。
話しがFF車の方に流れましたが、ワンダリングはFFよりFRに生じ易い現象です。これはキャスター角(とそれによって生みだされるトレール量)が相関あると従前記しましたが、片輪がデコボコを乗り越えた際、ハーシュネス(突起乗り越え時の音振性)を押さえるべく、車輪はやや後退するようラバーブッシュでチューニングされています。となると、後退した側のキャスターは小さくなり、突起乗り越え後復元します。この際に、左右のキャスターアクション(ステアリングを中立に戻そうとする力)の差異が出て、左右にステアリングを取られるということになるでしょう。また、過度のキャスター角は、強いキャスターアクションを生みだし、俗にキャスターシミーと呼ばれるステアリング周方向の振れ振動が継続する現象もあります。そこで、最近というか、30年位前から(欧州では語源からもっと前だと想像)、強いキャスター角でも、車輪中心軸をキャシター軸より前に配置するフォアラウフ(forlauf:laufは独語で銃身とか軸の意で、forは英語で前、つまり軸が前)配置が取り入られる様になって来たのです。
さらに、追求したい方向けに補足しますと、ターニングラジアス(前輪の切れ角)とキャスターおよびキングピンの両角度の合成値は、キャンバー角に影響を与えることを意識しなければなりません。つまり、キングピン角は一般に8度程度であるとして、もしキャスターがゼロだと仮定すると、ターニングラジアスが増すほど、キャンバーは+(ポジ)になります。逆にキングピン角がゼロだとしてキャスター角が8度と仮定すると、ターニングラジアスが先回外側輪についてはキャンバー値が-(ネガ)になる訳です。このことは、国産のトラックやクロカン4WDみたいなクルマと、ベンツ、BMWや昨今の上級FR車で観察すれば直ぐ判ります。ステアリングの切った旋回外側輪のキャンバーは大幅にネガになり、内側がポジとなる訳です。つまり、急旋回中の大部分のコーナリング抗力を決める旋回外側輪をネガにして、車体のロールでポジになりがちなキャンバー剛性を高めてくれているのです。
ところで受検中の待機中、車体番号、エンジン形式、ライト廻り、走行距離などを立ち回って検査している若い検査官にとの一問1答を以下に記してみましょう。
私:しかしねぇ、重税感を感じるよ。(13年経過の重量税重課のことを差し)
検査官:そうですよねぇ。
私:しかし、おかしいよねぇ。古来日本は良い物を長く使うのが美徳とされて来たのに逆行してるんだからねぇ。
検査官:そうですよねぇ。
私:だいたい、この税制って、大企業優遇税制だよなぁ。
検査官:私らも消費者としてはそう思っています。
私:おっと、君な、そんな話しを上役の前でしたらダメだよ。
てなことをからかって、検査ラインを進むとヘッドライトで不合格です。前回車検で合格しているし事故もしていないのでOKと思い込んでいましたが、1年ちょっと前にキセノンバラストの故障で、純正新品はバカ高額なため、ヤフオクでバラスト付きのヘッドランプに交換して以来、調整していなかったことを今更思い出しました。予備検査場で調整してもらい、再検で合格、検査終了となりました。
新しいタイヤは車検場までの行き帰りと未だ大した距離は走っていませんが、クルマが幾分軽く感じられるのと、路面のわだちや荒れで気になったワンダリングが随分軽減したと感じられたのは、タイヤ交換は正解でした。従前のタイヤもサイドウォールだけでなく、トレッド面の溝の底など、至る所に細かいクラックが観察されたのですが、未だ5部山程は残り溝があったにも関わらず、最近富にワンダリングが大きくなったと感じていたからです。
さて、ワンダリングって何という方も少ないだろうと思いますが、若干ウンチクを記してみたいと思います。ワンダリング(wandering)とは、ワンダー(wander)の語源から来ていると思いますが、「さまよう」とかの意で、wandering は「さまよい放浪する」とかでクルマの現象としては、クルマがふらつくとか、具体的にはステアリングが左右に取られるという症状を指します。一般に幅広タイヤほど、この症状は出やすいのですが、タイヤのトレッド接地面からサイドウォールの曲面がなだらかでなく角張った形状になった場合に顕著に感じる様になります。例えば、トラックの後輪に付けていた摩耗したタイヤを前輪に持って来たりすると、顕著に感じられるものです。皆さんもその様な意味も含め、ここに中古タイヤ4本があるとして、なるべく程度が良いものを前輪に付けるだろうと経験上から想像しますが、その様な意味も持っているのでしょう。
また、タイヤ以外の理由でワンダリングが出易い出難いというアライメント上のことも、もし知らぬ方がいたら知っておかれると何かの時、参考となると思えますので記してみます。一番のアライメント上で関わるのがキャスター角に相関があると想像できます。キャスター角はFR車とFF車を比べると、一般にですがFFは小さな数値になっています。それは、直進性を高めるキャスターアクションですが、FFでは前輪が駆動することで、雪道みたいな路面摩擦係数が非常に低い場所で乗って見れば判りますが、例え前輪が空転しても、ほとんど左右に車体が流れることはないという、本来の直進安定性を持っています。ただし、俗にトルクステアと呼ばれる、強い駆動力を与えた時、安価なFF車では非対称ドライブシャフト長ですから、僅かにステアリングに違和感を感じる場合があります。これは、ドライブシャフトのジョイント角の問題と、シャフトの捻れの位相が異なって来ることによります。ですから、不等長ドライブシャフトのFFでは、長いシャフトの方が太いシャフトにして、捻れ剛性を高め、駆動時の位相をなるべく押さえている訳ですが、理想はインターミディトシャフト(中間軸)を使った、左右等長ドライブシャフトが、ある程度の上級もしくは高出力エンジンのFF車には使用される訳です。
話しがFF車の方に流れましたが、ワンダリングはFFよりFRに生じ易い現象です。これはキャスター角(とそれによって生みだされるトレール量)が相関あると従前記しましたが、片輪がデコボコを乗り越えた際、ハーシュネス(突起乗り越え時の音振性)を押さえるべく、車輪はやや後退するようラバーブッシュでチューニングされています。となると、後退した側のキャスターは小さくなり、突起乗り越え後復元します。この際に、左右のキャスターアクション(ステアリングを中立に戻そうとする力)の差異が出て、左右にステアリングを取られるということになるでしょう。また、過度のキャスター角は、強いキャスターアクションを生みだし、俗にキャスターシミーと呼ばれるステアリング周方向の振れ振動が継続する現象もあります。そこで、最近というか、30年位前から(欧州では語源からもっと前だと想像)、強いキャスター角でも、車輪中心軸をキャシター軸より前に配置するフォアラウフ(forlauf:laufは独語で銃身とか軸の意で、forは英語で前、つまり軸が前)配置が取り入られる様になって来たのです。
さらに、追求したい方向けに補足しますと、ターニングラジアス(前輪の切れ角)とキャスターおよびキングピンの両角度の合成値は、キャンバー角に影響を与えることを意識しなければなりません。つまり、キングピン角は一般に8度程度であるとして、もしキャスターがゼロだと仮定すると、ターニングラジアスが増すほど、キャンバーは+(ポジ)になります。逆にキングピン角がゼロだとしてキャスター角が8度と仮定すると、ターニングラジアスが先回外側輪についてはキャンバー値が-(ネガ)になる訳です。このことは、国産のトラックやクロカン4WDみたいなクルマと、ベンツ、BMWや昨今の上級FR車で観察すれば直ぐ判ります。ステアリングの切った旋回外側輪のキャンバーは大幅にネガになり、内側がポジとなる訳です。つまり、急旋回中の大部分のコーナリング抗力を決める旋回外側輪をネガにして、車体のロールでポジになりがちなキャンバー剛性を高めてくれているのです。