私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

昔のエンジンのこと

2009-01-28 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険

 以前の当ブログで「昔のクルマのこと」で記しましたが、写真は大昔のダットサンのエンジン内部を示すものです。クランクは、前後にボール(ローラー?)ベアリングの2ベアリング構造で、如何にも細く頼りなげな形状をしていまDatsuneg_2?す。クランクシャフト先端の、爪形状は、セルモーターでの始動が困難な場合に使う、クランクレバーでの始動で、エンジン起動後に廻されない様にするための形状です。

 コンロッドはアルミ製に見えましたが、当時の低出力エンジンでは、問題なかったのでしょう。しかも、ビックエンドは、メタルなしの構造ですが、現在ならアルミ基のメタルは主流ですが、当時のクランクジャーナル部の表面精度や硬化、クランク剛性の低さと、エンジンオイルの性能の悪さと供給量の不足等々から、寿命は数万キロ程度しかなかったのではないでしょうか。

 バルブ関係も、例のサイドバルブ構造で、シリンダーブロック上部に向かって組み付けられています。小排気量エンジンですが、それにしても小さなバルブ傘部には関心します。

追記

 最近の国交省リコール情報において、日野と日デのトラックエンジンで、リコールが生じています。このリコール内容ですが、エンジンのピストンの製造が不良で「剥離を生じ」エンジンが破損し走行不能となるとするものです。対象車のピストンを交換すると記されていますが、剥離を生じるとは、サイドスカートにモリブデン溶射でもしてあるのが剥がれてしまうのか、リング溝の硬化処理辺りに問題があるのが興味が持たれてしまします。

 この日野と日デにリコールは、どうやら日野製のJ07Eという5気筒ディーゼルエンジン(6400cc)を共用しているための様ですが、対策はピストン5本と、副次的にリング1台分セット、摩耗次第でシリンダーライナーの部品交換が必要となるでしょう。工数的にも、20h位を要するんじゃないかと思います。対象メーカー(ピストンサプライヤーとの割合負担の興味深く想像します)は、これら費用負担が大変でしょうが、ディーラーはこんな不景気ですから、結構なことなのかもしれません。

 それと、エンドユーザーは運送会社でしょうから、休車損害が生じます。多分メーカーは認め様としないでしょうが、請求権は当然生じる問題でしょう。




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