私の思いと技術的覚え書き

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リニア火災事故続報と想像

2019-10-11 | 事故と事件
 先日7日に生じたというリニア実験線の作業場(だろう)で生じたという事故の続報が報じられた。この報道には断続器(と想定される)写真が公表されたので、感じるところを想像を交え書き留めておきたい。

 高電流回路は専門外だが、改めて調べてみると、遮断機と断路器という2つの回路切断機能が直列接続として使い分けられている様だ。この2つは何れも電流を断続するスイッチなのだが、遮断器が電流が流れている状態でも入り切り出来るのに対し、断続器は高電流が流れている状態での切断は事故に繋がるので禁止されているという。この違いは、同スイッチ機能に、入り切りの際のアーク放電を防ぐ機能があるかどうかの違いの様だ。つまり、高圧・高電流回路の遮断器では、油中とか真空中で回路接点が断続されることによりアーク放電を防止する機能を持っているが、断続器にはその様な機能はないということだ。

 今回のJR東海から発表された発火部位の写真1と、ウィキペデアに掲載の断続の写真2を比較すると非常に似ている。つまり、JR東海が発表した写真は断続器だろうと想像するのだ。但し、ウィキの写真が3本セットに対し、JR東海の写真が2本セットの違いは、ウィキが3相交流に対し、JR東海のはDCなのではないかと想像している。

 つまり、事故は本来遮断機を切ってから断続器の入り切りをしなければいけないのを、遮断機を入れたまま断続の入り切りを行ったため、巨大な電流故に大きなアーク放電が生じ、その発熱発火が作業員の衣服そして身体を焼く結果の事故になったのではなかろうかと想像するのだ。

 ところで、記事中で静岡県知事の川勝平太が批判したとあるが、まあ何を云っても良いが、正直云って静岡県民として前々から怪しからん知事と思い続けていることを付記しておきたい。その理由は幾つも思い浮かぶが、知事に当選する際、この者は民主党を公言していたはずだが、民主党が東北震災の対応など含め世間の批判を浴び続け没落すると共に、何時の間にやら民主党を抜けているという正に「機を見るに敏」な者と思うからなのだ。


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リニア出火、山梨・静岡知事が批判 「走行中ならパニック」 10/11(金) 15:28配信産経新聞
 山梨県都留市のJR東海山梨リニア実験線車両基地で7日、停車中の試験車両から出火し作業員3人が重軽傷を負った事故について、計画路線沿線の山梨、静岡両県の知事は11日の定例記者会見で原因究明と安全対策を求めた。

 山梨県の長崎幸太郎知事は「公共交通なので出火の原因は徹底的に解明して、安心して乗れる基礎を確立していただきたい」とJR東海に求めた。県主催で17、18日に行う一般向け体験乗車を中止しないことについては「JR東海から走行に問題はないとの説明があったため」とした。

 静岡県の川勝平太知事は「もし走行中で、南アルプスの下だったらパニックだ。乗客をトンネルから避難させる非常口は非常口になっていない。外に出た所は山の中で、冬は凍え死ぬというのは論外だ」と、現状のリニア計画を激しく批判した。

 JR東海によると、出火は7日午後4時5分ごろ発生。走行データ取得のため、先頭車両にある「作業用断路器」と呼ばれる機器で車内の電源を切った後、再び入れた際に発火し、作業員の衣服に燃え移った。

 リニアをめぐっては、平成3年に宮崎県の宮崎実験線で、タイヤのパンクが原因で車両が全焼する事故が起きている。
※写真はJR東海が公表した、出火したリニア試験車両の「作業用断路器」の通常の状態(左)と出火後の様子
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