先の大戦の末期、既に敗戦色が濃厚となる中で、最後まで徹底抗戦を主張する軍首脳は、軍中枢たり大本営を長野県松代地区の地下壕に移転し本土決戦を指揮しようとして築造したのが松代地下壕なのです。
この壕の規模は、敗戦前の9ヶ月間に述べ300万人が突貫工事に関わったとされ、壕は数カ所に分かれ総延長は10キロ余におよぶもので、これでも全行程の75%の完成だと云います。そして、完成し運用する際に備え、天皇の御座所までが用意されていたと云います。
年々か前に現地を訪れ、壕の一部を?見学したのですが、ただの素堀のトンネルが続く貧弱な実態を知り、もしここに大本営が移され本土決戦となったら、どれだけ被害が膨らんでいたかしれません。
伝え聞くアメリカには、米ソ冷戦中の水爆戦に備えた、北米航空司令部(NORAD:ノーラッド)が地下深くに設置されているそうですが、とても比較できる様なものではない様に感じます。
この松代大本営壕跡地ですが、現在、その一部が気象庁の地震観測施設として利用されている様です。