昔、一部の方からトヨタ・ライターと揶揄されたクルマがありました。そのクルマは、コロナ(RT40型)なんですが、後部ナンバープレートが可動式になっており、ここに燃料の注入口が設置されていたことから、追突事故等で燃料漏れから発火する事故が多かったのだと思います。
現在では、燃料注入口を後部に持ったクルマはほとんどないと思いますが、燃料タンクを後部至近に設置したクルマというのは、結構見掛けるものです。その多くは、S社の軽トラックや軽RV車です。しかし、10年程前までのFR車では、トランク床下に燃料タンクを設置することは、極普通の構造だったと思います。
当然、この様にトランク床下に燃料タンクを設置したクルマでは、追突により燃料タンクが圧壊されるのを防止するために、その部分の強度を高め、それより前方に変形を生じる等の変形特性があったものです。
そんな構造も、FF車の普及と共に、燃料タンクは後席床下への設置が一般化しました。また、FR車においても、プロペラシャフトがあるため、鞍型と変形した燃料タンク構造となりコストは要するのでしょうが、安全性から後席床下への設置が一般化したと思います。
こんな燃料タンク位置の変更が、車両後部の変形特性を変えて来たと感じます。車両前面は、高速度の衝突に備えて、強度は向上されて来ましたが、後部は柔らかく追突時の衝撃を吸収し易い構造が取られるクルマが多くなったと思います。
追突事故なんかで、追突した方のクルマの前面は対して潰れていないのに、被追突車の方は3ボックス車ですがトランクがなくなっている姿を見ることが結構あります。