私の思いと技術的覚え書き

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モーリシャス座礁・日本の貨物船の船首部が沈められる

2020-08-25 | 事故と事件
 1月程前、モーリシャス沖で珊瑚礁に座礁した、日本の貨物船(三井商船が傭船)だが、ほぼ油の抜き取り回収が済み、船体が切断してしまった船首部を曳航して、推進3千m以上の海中に沈められたという。

 この海中投棄については、環境保護団体から避難もある様だが、近くに解体を行える様な港湾もなく、止むないことなのかと思う。

 しかし、残された艦橋から後部の珊瑚礁の上に乗っている部分に処分方法については、未だ処分方法は明示されていない様だ。現場の不安定な場所で、解体作業は行えるはずもなく、解体するなら大型台船と大型クレーンを持ってこなきゃならないが、近くにあればとっくに用意しているだろうがなかなか困難なのだろう。船首みたいに曳航したら、艦橋から後部はエンジンなど重部品があり、とても浮力が足りないから、珊瑚礁から抜けると沈んでしまうのだろう。浮力の補助装置を抱かせて引き出すなど、色々な手立てを考えていることだろう。

 何十年か前、日本海沿岸でロシアのタンカーが座礁して、油の流出などを生じる事件(ナホトカ号重油流失事故(1997/1/2)があったが、あの際も船体は断裂してしまったと記憶する。大型艦船は細長いが、今回の様に重心点近くを座礁で固定され、船首部分を波で上下に煽られると、繰り返し曲げ応力が働き、断裂してしまうのだろう。船の設計上は、大きな波とかうねりで、短時間同様の状態になっても十分艦体が損壊しない強度は確保しているのだろうが、長時間となるととても耐えきれず断裂してしまうということなのだろう。



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