私の思いと技術的覚え書き

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ポルシェが3Dプリンタで市販車のピストンを実現?

2020-08-25 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 表題の様な報をNetで見るが、今や3Dプリンターの造形は、比較的低融点の樹脂だけでなく金属での利用ができる様になっていると知るが、高性能エンジンのピストンに使えるのかと、いささか怪訝な思いで読む。

 そもそも、GT2RSもそうだが、ターボ付きエンジンには、単なる鋳造でなく鍛造技術を取り入れたピストンが多いと聞いていたからだ。それと、ドイツ車なら、ピストンはマーレだろうと思う訳だ。

 別の情報を検索すると、ピストンの(アルミ)素材は、マーレから調達しているとのことの様だ。つまりポルシェもしくは関連会社による内製ということだろう。

 ここで、何故3Dプリンターで積層したものが、ターボエンジンに対応可能かを想像してみると、形状の自由度があり、必用な部位に対応する肉厚を与えられることにあると想像できる。ただし、3Dプリンターで作れるのは、あくまで素型としての中間製品であり、機械加工して最終製品とするのは、従来の鋳造もしくは鍛造製品と同じだろう。ただし、素型を作るのは、コンピューター制御の自動機械だろうが、その製造時間は相当に長い時間(たぶん4hとか8h)を要するんではないだろうか。すなわち、部品コストが跳ね上がるから、少量生産のエンジン向きということだろう。そのことは、旧型車向け部品(つまり補給用)にも適用されていると読み取れるから、合点がいく。
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ポルシェ、3Dプリンターで「911 GT2 RS」のピストンを製造--10%軽量化、30馬力アップ
8/25(火) 15:00配信 clnet japan
 Volkswagen(VW)傘下の自動車メーカーPorsche(ポルシェ)は、スポーツカー「911 GT2 RS」のエンジンに使われるピストンを、3Dプリンターで製造した。
 エンジンのピストンは、シリンダー内で燃料の爆発する力を受け止め、爆発力を回転力へと変換するために使われる重要部品の1つ。高温高圧ガスにさらされ続けるため、高い信頼性や耐久性が求められる。
 Porscheは、アルミニウムの粉末をレーザー光線の熱で溶かすLaser Metal Fusion(LMF)方式の3Dプリンターを用い、ピストンを成形した。
 一般的にピストンは、鋳造技術で作られる。3Dプリンターを使うと、鋳造では実現不可能な形のピストン製造が可能になり、理想により近い形状で作れるという。たとえば、このピストン内に冷却ダクトを設け、冷却効率を高められたとしている。
 今回製造したピストンは、従来に比べ10%軽くなり、エンジンの回転数を上げられた。そして、効率を向上させつつ、出力が従来の700馬力より最大30馬力高くなったそうだ。
 なお、Porscheは旧型車向け部品も3Dプリンターで製造している。
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2020年07月15日 07時00分乗り物
ポルシェが3Dプリンター活用でピストンの10%軽量化&性能向上を実現
https://gigazine.net/news/20200715-porsche-3d-print-lightweight-piston/

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