1.ダイムラークライスラーの破綻
1998年にセンセーショナルな合併で話題を呼んだ、独ダイムラーベンツ社と米クライスラーの合併でありました。しかし、合併後のクライスラー部門の不振を理由として同部門を切り離し、ダイムラーAG社として再出発することとなったとのことです。結局、合併は大失敗で元に戻った訳ですが、元々のダイムラーベンツAGではなく、ダイムラーAGという社名となったとのことです。なお、新発足のダイムラーAG社での高級車部門は、メルセデス・ベンツ・カーズという名称で、ベンツの名称が復活しています。
2.フォードPAGグループの行方は如何に
米フォードが吸収した欧州プレミアムカーブランドであるPAG(プレミアム・オートモーティブ・グループ:ジャガー、ディムラー、ランドローバー、アストンマーチン、ボルボ)があります。しかし、PAG車自体の販売不振や、フォード本体の経営不振等を理由にして売却が噂されてから久しいです。現時点で売却先等は発表されていませんが、その行方が気になるところではあります。英国ローバー社の様にならぬことを願わずにはいられません。
3.日本車パワーウォーズと国民性に感じること
トヨタがレクサスIS-Fを12月末より販売開始することを発表しました。従来のISを基本にV8・5リットル、423ps/6400rpm、8速AT(基本的にトルコンATですが2速以上はロックアップして直結作動とのこと)を搭載し価格は766万円とのことです。ライバル車はBMW・ニューM3(こちらはV8・4リットル、420ps/8300rpm、6MT、価格996万円)ですが、単なる加速性能等は同等以上でしょうが、コーナリング性能等を含めた官能評価で従来のトヨタの枠を飛び出せるか、興味があるところです。(IS-FのFとはチューニングしたホームサーキットである富士スピードウェイを表すとのこと。)
対する日産ですが、過日スカイラインクーペがデビューしています。V6・3.7リッターエンジン、333ps/7000rpmで、バルブ作動角とリフト量を連続可変する新システムが搭載されています。但し、惜しむのはATが5速であることです。日産のATは子会社であるジャトコ社製ですが、AT技術ではトヨタ系のサプライヤーであるアイシンAWに完全に置いて行かれていると感じます。
なお、来たるモーターショーで発表される様ですが、ニッサンGT-R(スカイラインの名は冠されないとのこと)が復活するとのことです。伝えられるスペックとしては、スカイラインクーペをプラットフォームとして、V6・3.8リッター、ツインターボ、450ps程度、当然従来からの電制4WDを踏襲したものとなるはずです。こちらも価格的には800万円程度となると思われますから、買えはしませんがクルマ好きに取っては期待されます。
この様なクルマの性能アップは、クルマ好きに取っては嬉しいことですし、特に日本車の高性能化は世界に誇れることであるとも思います。しかし、280psの自主規制は解かれたものの、相変わらず180km/hの自主規制はそのままです。第2東名の140km/h制限の話も、警察庁からクレームが付けられたとも伝えられていますし、このことは日本の国民性を表していることと思います。ドイツでのアウトバーンでは、一部の批判はあるものの、相変わらず基本的に速度制限なしを維持しています。そのことが、欧州でのクルマの性能アップに寄与していることは間違いないことと感じます。
私は決してその道路に不適切な無謀な高速運転を許す様な思いはありません。しかし、現在の東名高速道道路等での乗用車の100km/h規制は、クルマの性能と比較してあまりにも低すぎるものであると感じます。極端な私見ですが、現在の東名高速道路を速度無制限としたところで、その事故率が極端に上昇するとは思われません。高速道路での走行速度は、そのクルマの性能と運転者の良識の中で、自主的に決めれば良いことであろうと感じます。しかし、繰り返しになりますが日本人の国民性から、その様なことは「とんでもないこと」として絶対に有り得ないと感じます。
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