ちょっと前に、急傾斜フロントガラスと急傾斜した太いフロントピラーの、主に弊害を述べた。今回は、リヤボデーのガラス等外観的な変化と、その構造面についての変化を述べてみたい。
今のクルマは、独立したトランクがある4ドアセダンが少なくなり、リヤハッチゲートを備えたハッチバックもしくは、リヤガラスの寝たクーペ風スタイリングを持つクルマが増えたと感じる。4ドアセダンでは、かつて430やY31といったセド・グロシリーズの4ドアHTやMS110、MS120クラウンのリヤウインドウは大きくラウンドしつつMS120を除いては、ラウンド頂点が明確に角張って折り曲げた様な加工が施されたものだったが、現在のクルマでは見掛けないガラスの構成だ。あと、同時代の三菱ラムダ辺りも、その様なガラス構成だったと思う。(私的な思いだがクーペは2、3ドアに許されるものであって、4、5ドアのクーペは認めがたい。)
この様なラウンドタイプのリヤウインドウは今でもあってもいいのだが、4ドアセダンが減りハッチバックの5ドアが増えたことで、なくなったのか・・・。ハッチバックの場合、リヤハッチ(=ガラス)がプリウスみたいにリーフ側から連続してなだらかに寝た(より水平に近い)ものと昔ながらの急角度に寝たものとがある。ルーフが側面視でリヤドア上部辺りから後部に掛けて寝たプリウスの様なスタイルは、室内の座面と天井との有効高さに制限が生じ、結局リヤシートクッションを沈ませるなど薄くして見かけ上の室内有効高さを稼いでいるが、2+2のスポーティーカーじゃなあるまいし、長時間の後席乗員の居心地は決して良好なものとはならないだろう。しかし、HV流行の世で、他に適当なクルマがないのか、結構多くのタクシーにプリウスが使用されているが、屋根が低くて後席に乗り下りし難いし、足元も狭いわ、頭上空間も狭いわで、タクシーのお客さん側からしてみると、歓迎する者は少ないだろう。それと、この様な水平に近いリヤウインドウは、ガラス面積が幾ら広くても、後方視界として極限られた上下角しか得られない。そのため、リヤエンドに垂直なサブウインドウを設け、後方視界を確保しているのだが、そこに自社の社名表示をデカデカと貼付して、塞ぐという教習機関があることは前に記した通り。
もう一つリヤガラスの話だが、フロントガラスは相当以前に法令改正され、従前の部分強化ガラスから合わせガラスを安全ガラスとして装着しなければならないことになっている。ところで、リヤウインドウは強化ガラスのままで、特段の変更はない。一部高級車にリヤガラスも合わせガラスを採用しているクルマはあるが極少数だ。この合わせガラスだが、正確にはHPR合わせガラスと呼ばれるもので、割れても全面にヒビで視界を損なうことなく、割る原因となった飛来物が貫通するのをある程度防ぐことができるものだ。防弾仕様車などは、このガラスを10cmを越える程の厚みまで積層し、高速弾の貫通を食い止める。リヤウインドのHPR合わせガラスの効用だが、今は高速路は後席もシートベルト着用が義務付けられる訳だが、シートベルトしないまま、クルマが安定を失い前後が反転し後部から衝突する様な事故において、後席乗員が車外放出される事故が、特に高速路上では生じている。シートベルトしていないと、前部乗員でもフロントウインドウからの車外放出は生じ得る。HPR合わせガラスは、主に外部からの貫通を防ぐのが主旨だが、内部からの貫通およびクッション性を持たせることができるものだ。なお、書き忘れてはいけないのは、ガラスの固定方法だが、昔のウェザストリップ式(ハメ込み式)では、特に内部からの力では簡単に外れてしまうので、ボンディング式(接着式)でなければならない。
さて、話をリヤボデーの構造面に変えて記してみる。車両前部とか側部は、各種クラッシュテストで、高評価を取らないと、ライバル車に見劣りした評価となりイメージダウンを招く。一方、車両後部は、時速50km/hでムービングバリアを衝突させ、主に燃料漏れの有無を確認する程度が現状の試験主旨だ。旧車(R32くらいの年式まで)は、燃料タンクがトランク床下に装着されていたが、現在のクルマでトランク床下に燃料タンクが付くのは極少ないハズだ。FRもFFも、燃料タンクは後席床下の位置のボデー下部に装着されている。そのためFRとかFFベースの4WDなど、プロペラシャフトを通す都合上、燃料タンクは左右が垂れ下がり中央部が薄くあった鞍型燃料タンクとしている場合が多い。ワンボックス車などで、他にスペースがある場合は、マフラーの反対側のサイドフレームに沿って立方体の燃料タンクが装着される場合もある。この燃料タンクの移動で述べたかったのは、トランク床下にあるタイプは、トランク床下の変形=燃料タンクの変形となるから、後部クラッシュのエネルギー吸収を、燃料タンクの前側、具体的に示せば、リヤサイドフレームはサスペンションの上下動を回避するためにキックアップする形状を持つ場合が多いが、この部分に座屈が生じることで行っていたのである。そのため。大きな追突を受けた被突車を側面から見れば、車両後端が下がる様な骨格損傷が観察できた。
一方、燃料タンクを後席床下やトランクルーム奥(ランドセルタイプ)の場合は、テールエンドから燃料タンクまでの距離は比較的大きいから、有効なクラッシュスペースとして比較的弱い構造として、積極的に潰し、エネルギー吸収を行い、乗員に掛かる負担を軽くする様にしている。だから、大きな酷い被追突事故においては、トランクがなくなる様な変形状態を示す。但し、懸念を持つのは、3列シート車の最後尾シートのヘッドレストとリヤウインドガラスの距離は20cmに満たないが、乗用車に追突を受けたのなら心配はないが、遙かに高い大型車に強い追突を受けた際、追突車と乗員頭部が直接接触する事態に至りはせぬのか懸念する。
今のクルマは、独立したトランクがある4ドアセダンが少なくなり、リヤハッチゲートを備えたハッチバックもしくは、リヤガラスの寝たクーペ風スタイリングを持つクルマが増えたと感じる。4ドアセダンでは、かつて430やY31といったセド・グロシリーズの4ドアHTやMS110、MS120クラウンのリヤウインドウは大きくラウンドしつつMS120を除いては、ラウンド頂点が明確に角張って折り曲げた様な加工が施されたものだったが、現在のクルマでは見掛けないガラスの構成だ。あと、同時代の三菱ラムダ辺りも、その様なガラス構成だったと思う。(私的な思いだがクーペは2、3ドアに許されるものであって、4、5ドアのクーペは認めがたい。)
この様なラウンドタイプのリヤウインドウは今でもあってもいいのだが、4ドアセダンが減りハッチバックの5ドアが増えたことで、なくなったのか・・・。ハッチバックの場合、リヤハッチ(=ガラス)がプリウスみたいにリーフ側から連続してなだらかに寝た(より水平に近い)ものと昔ながらの急角度に寝たものとがある。ルーフが側面視でリヤドア上部辺りから後部に掛けて寝たプリウスの様なスタイルは、室内の座面と天井との有効高さに制限が生じ、結局リヤシートクッションを沈ませるなど薄くして見かけ上の室内有効高さを稼いでいるが、2+2のスポーティーカーじゃなあるまいし、長時間の後席乗員の居心地は決して良好なものとはならないだろう。しかし、HV流行の世で、他に適当なクルマがないのか、結構多くのタクシーにプリウスが使用されているが、屋根が低くて後席に乗り下りし難いし、足元も狭いわ、頭上空間も狭いわで、タクシーのお客さん側からしてみると、歓迎する者は少ないだろう。それと、この様な水平に近いリヤウインドウは、ガラス面積が幾ら広くても、後方視界として極限られた上下角しか得られない。そのため、リヤエンドに垂直なサブウインドウを設け、後方視界を確保しているのだが、そこに自社の社名表示をデカデカと貼付して、塞ぐという教習機関があることは前に記した通り。
もう一つリヤガラスの話だが、フロントガラスは相当以前に法令改正され、従前の部分強化ガラスから合わせガラスを安全ガラスとして装着しなければならないことになっている。ところで、リヤウインドウは強化ガラスのままで、特段の変更はない。一部高級車にリヤガラスも合わせガラスを採用しているクルマはあるが極少数だ。この合わせガラスだが、正確にはHPR合わせガラスと呼ばれるもので、割れても全面にヒビで視界を損なうことなく、割る原因となった飛来物が貫通するのをある程度防ぐことができるものだ。防弾仕様車などは、このガラスを10cmを越える程の厚みまで積層し、高速弾の貫通を食い止める。リヤウインドのHPR合わせガラスの効用だが、今は高速路は後席もシートベルト着用が義務付けられる訳だが、シートベルトしないまま、クルマが安定を失い前後が反転し後部から衝突する様な事故において、後席乗員が車外放出される事故が、特に高速路上では生じている。シートベルトしていないと、前部乗員でもフロントウインドウからの車外放出は生じ得る。HPR合わせガラスは、主に外部からの貫通を防ぐのが主旨だが、内部からの貫通およびクッション性を持たせることができるものだ。なお、書き忘れてはいけないのは、ガラスの固定方法だが、昔のウェザストリップ式(ハメ込み式)では、特に内部からの力では簡単に外れてしまうので、ボンディング式(接着式)でなければならない。
さて、話をリヤボデーの構造面に変えて記してみる。車両前部とか側部は、各種クラッシュテストで、高評価を取らないと、ライバル車に見劣りした評価となりイメージダウンを招く。一方、車両後部は、時速50km/hでムービングバリアを衝突させ、主に燃料漏れの有無を確認する程度が現状の試験主旨だ。旧車(R32くらいの年式まで)は、燃料タンクがトランク床下に装着されていたが、現在のクルマでトランク床下に燃料タンクが付くのは極少ないハズだ。FRもFFも、燃料タンクは後席床下の位置のボデー下部に装着されている。そのためFRとかFFベースの4WDなど、プロペラシャフトを通す都合上、燃料タンクは左右が垂れ下がり中央部が薄くあった鞍型燃料タンクとしている場合が多い。ワンボックス車などで、他にスペースがある場合は、マフラーの反対側のサイドフレームに沿って立方体の燃料タンクが装着される場合もある。この燃料タンクの移動で述べたかったのは、トランク床下にあるタイプは、トランク床下の変形=燃料タンクの変形となるから、後部クラッシュのエネルギー吸収を、燃料タンクの前側、具体的に示せば、リヤサイドフレームはサスペンションの上下動を回避するためにキックアップする形状を持つ場合が多いが、この部分に座屈が生じることで行っていたのである。そのため。大きな追突を受けた被突車を側面から見れば、車両後端が下がる様な骨格損傷が観察できた。
一方、燃料タンクを後席床下やトランクルーム奥(ランドセルタイプ)の場合は、テールエンドから燃料タンクまでの距離は比較的大きいから、有効なクラッシュスペースとして比較的弱い構造として、積極的に潰し、エネルギー吸収を行い、乗員に掛かる負担を軽くする様にしている。だから、大きな酷い被追突事故においては、トランクがなくなる様な変形状態を示す。但し、懸念を持つのは、3列シート車の最後尾シートのヘッドレストとリヤウインドガラスの距離は20cmに満たないが、乗用車に追突を受けたのなら心配はないが、遙かに高い大型車に強い追突を受けた際、追突車と乗員頭部が直接接触する事態に至りはせぬのか懸念する。