私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

醜いアヒルの子

2016-09-22 | 車両修理関連
 かなり以前だが、レクサス等に感じることとして、最近のクルマに採用のエンジンカバーの不条理のことを記した。今回、偶々見たクラウン180系の4GRエンジン(V6、2.5リットル)だが、安っぽいエンジンカバーに隠されたエンジン上部は、メカニカルな美点など皆無の醜いものだと感じられる。特に樹脂製のインテークマニホールド(+サージタンク)の造作は、まったく美点もない酷い成形だ。機能的には古くから使われるアルミキャスト製と遜色ないのだろうが、個人的には樹脂のインマニ成型品は嫌いだ。そして、各部品やハーネス等の配置も雑然とし、設計・試作段階で何ら煮詰められたものでないことを感じる。正に醜いアヒルの子状態だ。

 エンジンを必要以上に飾り立てるのは無意味だと思う。しかし、機能を突き詰め洗練させて行った時、そこには必然的な機能美としてのメカニカルな美しさが醸し出されるはずと(勝手に)思っているのだが・・・。従って、これら醜さを安物カバーで蓋して良しとするかの様な、この様なエンジンを作る設計者の技術的センスを疑うのだが・・・。CAD設計で、試作を減らしコスト圧縮、機能的にはなんら問題ないのだろうが、うーんと唸る他ない。

 このエンジンカバーを先陣を切って採用し流行らせたのは、我が国トヨタだ。それが、今や世界中に蔓延し、ベンツ、BMW、ポルシェまでが採用している。ポルシェの場合は、元々エンジンフード開口部が狭く、水平対向エンジンがほとんど見えないものだった。しかし、最新型991では、フード内側全面にビッシリとカバーリングされ、オイルと水の点検用の小型カバーが作られ、それ以外はユーザーに見るな触るなと訴えているかの様な作りで、ちょっと呆れはてるところだ。

※写真はエンジンカバーを外した4GRとISFのこれぞ高級?カバー。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。