多くの輸入車がハイオクガソリンの使用が前提とされている。しかし、パーツリストなどを見ると、昔の日本車であった様な、同一エンジンにおけるレギュラーおよびハイオクの圧縮比の違いを設定すべきピストンなどの部品番の違いはない。また、欧州などにおいて、すべてのガソリンエンジンがハイオク仕様で運用されているということはコスト上も考え難い。この問題であるが、どうやら日本と欧州では、同じレギュラーガスでも、標準オクタン価が異なることから生じている様なのだ。具体的には、日本のレギュラーガスのオクタン価は90程度であるが、欧州のレギュラーでは95程度と高いことに起因する様だ。
さて、この輸入ハイオク(プレミアム)ガソリン指定車にレギュラーガソリンを使用したレポートとして一例であるが記してみる。これはBMWミニR50(5MT)の一例なので、すべてのクルマに該当するものでないことは承知しておいて欲しい。
ます、ハイオク仕様にレギュラーを使用すると、ノッキングを生じ易いということは、種々の書籍に記してあるとおりだ。ところで、昔のエンジン屋は種々の場面においてノック音を聞いてきたが、今の者は実際のノック音を聞くことも少ないだろうと思える。そして、ノック音は、燃焼というより爆発的で音速を超える衝撃波であり、エンジンを破壊する害である記されている。しかし、昔のエンジン屋としては、ベストタイミングの見極めの「しきい値」として、軽いノック音が出るタイミングが一つ指標ともなっていたことを述べておきたい。すなわち、アイドルでイニシャルタイミングをBTDC8とか10°程度にタイミングライトで調整し規定値に合わせる。その後の実走において、トップ4、50km/hからの加速時におけるノック音の具合により、デストリビューターのポイントプレートを微調整するオクテンセレクターにより、点火時期の微修正を行い、加速初期の軽度なノック音が出る位置に合わせるというのがセオリーだったのだ。なお、オクテンセレクターによる微修正であるが、S48年規制以後は付属するが封印がなされ、使用できないこととなるが、実態としては調整はできたものだ。従って、ノック音のすべてが悪ではなく、低回転高負荷における、過渡一時的な軽度なノック音は、エンジンに害を与える悪ではないことを押さえておくべきだろう。
さて、本題のR50クーパー(5MT)でのレギュラーガス入れ試験であるが、以下の不具合が確認された。
①ノック音そのものは、極稀に聞こえる程度で、ほとんど生ぜず聞き取れななかった。
②発進時など1000~1200rpm付近のトルクが低下し、従来同様のクラッチエンゲージではエンストし易くなる。従って、エンゲージ回転を高めにせざるを得なくなった。
③これが最も顕著な弊害だったが、1速での全開加速において、4~5千rpm付近で、断続的な息継ぎ感(まるでミスファイアしたかの様な)を生じた。
④後退での車庫入れにおいて、トルクがなくエンストしそうになると共に、アクセルを吹かすと明確なノック音を生じたる。
⑤燃費については、継続的にレギュラーガスを使用していないので明確ではないが、車載の燃費計上からはほとんど低下感は感じ取れない。但し、全般としては低下傾向にあることは確かなんだろう。
これらの症状は、改めてハイオクガソリンを入れることにより、即座にすべてが復元解消された。これらのすべてのことが、他のすべてのハイオク指定車において起こる訳ではないだろう。例えば、国内車であるがレンタカーの現行86もハイオク指定だが、トヨタレンタリースなどではレギュラーガスを入れているところが多い実態を知るが、全般としての力感は低下しているのだろうが、それ以外の目立つ不具合は感じ取れない。また、昔初代セルシオ(UCF11)を6年近く乗り、何度かレギュラーガスで走ったが、ノック音はほとんど生じないが、パーシャルスロットルでの力感低下が感じられたものだった。
今回のBMWミニR50の件は、聞き取れないレベルの微少なノックを過剰に遅角制御した上で起きている現象と思える。特に、1速高回転で起きる失火様の息継ぎ感は、連続段階的に極端な遅角制御を行ってしまうソフトウェア的アルゴリズム(一般的にはO2センサーの空燃費制御と同様なフィードバック制御)の拙劣さにあると思える。また、後退時のノック音は、後退時はノック制御を行わないという手抜き制御なのだと推察される。なお、アイドル回転時のイニシャルタイミングも学習機能で、遅めにセットされてしまうこともあると思え、微小スロットル開度の低回転トルクの低下に影響するのだろう。
さて、この輸入ハイオク(プレミアム)ガソリン指定車にレギュラーガソリンを使用したレポートとして一例であるが記してみる。これはBMWミニR50(5MT)の一例なので、すべてのクルマに該当するものでないことは承知しておいて欲しい。
ます、ハイオク仕様にレギュラーを使用すると、ノッキングを生じ易いということは、種々の書籍に記してあるとおりだ。ところで、昔のエンジン屋は種々の場面においてノック音を聞いてきたが、今の者は実際のノック音を聞くことも少ないだろうと思える。そして、ノック音は、燃焼というより爆発的で音速を超える衝撃波であり、エンジンを破壊する害である記されている。しかし、昔のエンジン屋としては、ベストタイミングの見極めの「しきい値」として、軽いノック音が出るタイミングが一つ指標ともなっていたことを述べておきたい。すなわち、アイドルでイニシャルタイミングをBTDC8とか10°程度にタイミングライトで調整し規定値に合わせる。その後の実走において、トップ4、50km/hからの加速時におけるノック音の具合により、デストリビューターのポイントプレートを微調整するオクテンセレクターにより、点火時期の微修正を行い、加速初期の軽度なノック音が出る位置に合わせるというのがセオリーだったのだ。なお、オクテンセレクターによる微修正であるが、S48年規制以後は付属するが封印がなされ、使用できないこととなるが、実態としては調整はできたものだ。従って、ノック音のすべてが悪ではなく、低回転高負荷における、過渡一時的な軽度なノック音は、エンジンに害を与える悪ではないことを押さえておくべきだろう。
さて、本題のR50クーパー(5MT)でのレギュラーガス入れ試験であるが、以下の不具合が確認された。
①ノック音そのものは、極稀に聞こえる程度で、ほとんど生ぜず聞き取れななかった。
②発進時など1000~1200rpm付近のトルクが低下し、従来同様のクラッチエンゲージではエンストし易くなる。従って、エンゲージ回転を高めにせざるを得なくなった。
③これが最も顕著な弊害だったが、1速での全開加速において、4~5千rpm付近で、断続的な息継ぎ感(まるでミスファイアしたかの様な)を生じた。
④後退での車庫入れにおいて、トルクがなくエンストしそうになると共に、アクセルを吹かすと明確なノック音を生じたる。
⑤燃費については、継続的にレギュラーガスを使用していないので明確ではないが、車載の燃費計上からはほとんど低下感は感じ取れない。但し、全般としては低下傾向にあることは確かなんだろう。
これらの症状は、改めてハイオクガソリンを入れることにより、即座にすべてが復元解消された。これらのすべてのことが、他のすべてのハイオク指定車において起こる訳ではないだろう。例えば、国内車であるがレンタカーの現行86もハイオク指定だが、トヨタレンタリースなどではレギュラーガスを入れているところが多い実態を知るが、全般としての力感は低下しているのだろうが、それ以外の目立つ不具合は感じ取れない。また、昔初代セルシオ(UCF11)を6年近く乗り、何度かレギュラーガスで走ったが、ノック音はほとんど生じないが、パーシャルスロットルでの力感低下が感じられたものだった。
今回のBMWミニR50の件は、聞き取れないレベルの微少なノックを過剰に遅角制御した上で起きている現象と思える。特に、1速高回転で起きる失火様の息継ぎ感は、連続段階的に極端な遅角制御を行ってしまうソフトウェア的アルゴリズム(一般的にはO2センサーの空燃費制御と同様なフィードバック制御)の拙劣さにあると思える。また、後退時のノック音は、後退時はノック制御を行わないという手抜き制御なのだと推察される。なお、アイドル回転時のイニシャルタイミングも学習機能で、遅めにセットされてしまうこともあると思え、微小スロットル開度の低回転トルクの低下に影響するのだろう。