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 私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

アジャスターが行う賠償交渉のこと(その6)

2008-12-12 | 賠償交渉事例の記録
 言ったけどダメでしたというメッセンジャーボーイたるアジャスターが増えている様にも感じますが、私だけの思いなのでしょうか。そんな者達への痛罵と、真の価値あるアジャスターへの向けた交渉技術として記してみます。

アジャスターが行う賠償交渉のこと(その6)
 冒頭から相当過激な言葉として記しますが、私が「言ってますアジャスター」と馬鹿にする者のことを記します。この「言ってます」というのは、私が、ある問題に気づいて「言ったのか?」とたずねると。「言ってます、言ってます、何度も言いましたけどダメでした」等と返答をするタイプの者のことです。つまり、問題は気付いているけど(気付かない者も結構いますが)、言っても聞いてくれないからお手上げだという、まあ端的に記せば「メッセンジャーボーイ」のことです。

 私は、そんな者に「言ってもダメなら押したのか?押してもダメなら引いたのか?押しても引いてもダメなら揺すってみたのか?」と聞くのですが、大体の場合が、「言いました」のレベルなんですから、昔のいかりや長助さんじゃないけど「だめだこりゃ」と思ってしまう訳です。

 話がちょっと変わりますが、何処の会社でもアジャスター自らが事故車の損害見積を作ること、すなわち自己見積に作成を励行する様にと、相も変わらず念仏を唱えているのだと思います。この自己見積の作成能力を高めることは、アジャスターの基本技能として絶対必要なことでもあるし大切なことであると思っています。しかし、自己見積とは、工場に先じて作成し、予め工場に提示してこそ、その影響力を行使し意味のあることだと断じています。従って、自己見積を作ったけど提示しないとか、工場見積を会社に通り易いために(つまり自らが責任を負わない様に)ばかり自己見積を作成する者は、下らん者と思わざるを得ません。

 会社によっては、自己見積の有無で評価したり、自己見積がないからだけを持って作る様に等と指導するマネージャーがいるらしいですが、下らん話だなと感じます。

 前にも記した通り、精度の高い自己見積の作成能力はアジャスターにとって極めて大事なことですが、何でもかんでも自己見積を作れという指導は、愚劣以外のなにものでもないと思います。

 メッセンジャーボーイの話に戻りますが、まず言うことですが、この前提として根拠もしくは論理を持って意見を表明することが大切だと思います。良く聞く言葉ですが「(価格が)高い」ですが、何故、どうして高いと判断するのかを述べなければいけないと思います。その上で、私なら。「私の高いとする意見はこの通りです。あなたの意見を説明して下さい」と質すのです。この言葉のキャッチボールをしないまま、「言ったけどダメでした」では、あまりにも情けない話だと思います。

 それと、根拠もしくは論理を持ってという部分で、最近顕著に感じられるのが「資料偏重アジャスター」なのです。つまり「指数で決まっていない項目だからとか、相手の言い値は仕方がない」等と述べる者です。まあ、このことは私が所属する会社においても、長年損害調査部門で育って来た自信がそうさせるかどうか知りませんが、「事故車の見積なんて、今やパソコンがあれば誰だって出来る簡単なものさ」みたいな意見を伺わせる話を繰り返し宣う上層部までがいましたから無理もないのかもしれません。しかし、私の意見は大きく異なります。24年を経ても見積とは難しいものであって、その中には指数等だけではない種々の矛盾も含んだ、大げさに言えば魑魅魍魎(ちみもうりょう)の世界でもあるのだと思っています。

 さて、アジャスターの武器となんでしょうか。それは、自研センターで習う教育や種々の教材を通して得られる知識であるのでしょう。それら知識と共に、私はアジャスターが種々雑多の多くの工場と交渉を積み重ね料金を決めて来た故に得られる相場観も大切なことであろうと思っています。だから、例えば板金費用が高いといった交渉を行う場合であっても、板金指数だけの話でなく、他所の工場(その工場の意識する具体名を出す)でも、そこまでは要しないと説明すれば良いのだと思っています。

 そんな私の思いも、現在の様に画像センターを作って、立会専門アジャスターはただその数だけを追求して十分な立会時の余裕感が得られない時代にあっては難しいのかも知れません。しかし、個人の努力として、工場へ訪問し、興味深げに見回し、工場経営者とじっくりと話し込んで、真の技量を高めようとしている者が幾らかはいるものと信じています。

#損害見積協定 #云ってもダメなら押してみたのか・・・


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