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ヤリスなどリコール(対象台数約60万台)

2023-06-24 | 車両修理関連
ヤリスなどリコール(対象台数約60万台)
 トヨタ、ヤリス、アクア、シエンタなどで、R1年12月~R5年5月までの対象期間で、リコール総対象台数が60万台に近いという大規模リコールが報知された。

 このリコールだが、最近のリコールはソフトウェア的なバグが増えているが、純ハードウェアなもので、当該車のフロントサスペンションロワアームのボールジョント取り付け部(ナックル締結部)に亀裂が生じて(リコール文面だと生じているものがある)、走行中に亀裂が進行し走行安定性を損なう恐れがあるというものだ。


 該当車のロワアームは鋼板プレス製だが、該当のボールジョイントは、該当の素形のボールジョイントにプレス成型でバーリング処理して穴を開け、そこにボールジョントを圧入嵌合させた構造だと想像できる。この場合、あくまで想像だが、圧入時に亀裂の端緒となるべき微少な亀裂が生じたものなのだろうか。この場合、バーリング処理の口径に対して、圧入の嵌合代が強すぎ亀裂が生じたのか、バーリング処理時に穴径に歪みがあったとかの要因を想像した。

 それと、リコール処置としては、対象全部のロワアームを交換するのではなく、あくまで亀裂のあるもののみ交換するとなっているが、このことは不具合該当車は製造時に既に亀裂は発生していることを示すのだと思える。

 しかし、今次のリコール対象期間は、R1年からR5年までと比較的長い車種までがあるが、どうしてここまで長い間にリコール処置がなされなかったのか。不具合認知件数31件とあるが、もっと早くリコールできなかったのか、品質保証体制に問題はなかったのか気に掛かるところだ。

 ちなみに、この3年前となるR2年(2020年)6/22に、同社RAV-4でR1年9月~10月までの1ヶ月間の製造のロワームで同じく亀裂が発生しているものがあるとリコールされている。この場合は製造から1年未満でリコールされており、この場合はロワームボールジョントの取付法がボルト締結と異なるが、全品取り換えのリコールがなされている。参考までに、このリコール内容および図も添付しておきたい。



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