私の思いと技術的覚え書き

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ブレーキフェードの恐怖

2022-04-07 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
ブレーキフェードの恐怖
 下記の記事をだが、いわゆるモータージャナリストの記事だから、どうも上っ面を滑るというか、底の浅さが目立つことが常だが、まあ今回の記事は内容的に大きな問題ではないだろう。ただし、この記事には一般的な乗用車のドライバーだけに呼びかけるなら良いが、そこに貨物車で、特に大重量車は含まれるとなると問題は露呈する様に思える。

 つまり、乗用車では、普段からブレーキが引きずっている様な特異な状態でなければ、余程の連続急下り坂でもフェードで大幅に制動力が失われることはないだろう。

 一番怖いのは、プロドライバーが運転する重量車の場合だ。ブレーキという機構は運動エネルギーを摩擦熱として吸収するものだが、重量車は運動エネルギーは非常に大きい。よって、重量車の下り坂でのフェードという現象は今現在でも起き続けており、大きな事故として報じられている。

 これを防ぐには、下り坂をハイペースで飛ばさないことだ。運転の基本は、MTの場合、登ったギヤで下るというのがある。つまり、MTの場合だが主に3速で登った峠は、3速で下っていきなさいということだ。それを、やっと登りきったこれから飛ばすぞと、下り坂でピッチを上げ過ぎると、多頻度ブレーキとなり、フェードが起きるのだ。特に注意は、ブレーキ熱容量の小さめな、低床4軸車は要注意だろう。

 若干追記するが、大型トラ・バスは、ダウンサイジング(小排気量+ターボ)でエンジンブレーキが効きづらくなっている。また、トランスミションもMT機構を自動変速する、AMTが多くなって来ている。また、荷室を拡大を主な狙いに小径タイヤを使用した、低床4軸車が増えている。これらには、リターダー装置など通常ブレーキを補完する減速機能を付加させている場合が多くなってはいるものの、シフトダウンとかリターダーの操作を適切に行わずまま、乗用車の意識で坂をハーペースで下ると、ある境目を越えたところでフェードが生じるのだ。それは、峠から下りだして、ふもとの民家や商店が点在する様な地に至ってその現象が生じるという傾向がある様に過去の事故歴から知見している。フェードが起きてから、シフトダウンしようにも、すでに速度が高い場合、有効なエンジンブレーキを効かせられる低ポジションのシフト段にはシフトは不可能だ。そして、曲がりきれなくなったカーブで、ロールオーバークラッシュしつつ、大惨事が起き続けている。

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故障でもないのにブレーキを踏んでも止まらない恐怖! 誰にでも起こりうる「フェード」の原因と予兆とは
WEB CARTOP 4/5(火) 6:20配信

ブレーキを踏んでもクルマが止まらなくなる
煙が出ていても水をかけてはダメ!

 サーキット走行でブレーキを酷使したり、山道で下り坂が長く続き、ブレーキを踏み続けていると、次第にブレーキの利きが甘くなり、やがて強く踏んでも減速しなくなってしまう。これがいわゆる「フェード現象」。

 フェード現象が発生するメカニズムを簡単に説明すると、ブレーキを連続的に使ったり、ハードなブレーキを繰り返すと、ローターとバッドの温度が上昇する。ブレーキパッドがある一定の温度以上に上昇すると、ブレーキパッド摩擦材内の樹脂素材(レジン)が熱で分解気化し、パッドとディスクの間にガス膜ができてしまう。そのガス膜の影響でブレーキの摩擦係数が極端に低下してしまうことをフェード現象という。

 フェード現象が発生する温度は、ブレーキパッドの材質によってさまざまで、一般的な乗用車の純正パッドであれば、ローター温度が300~350度に達すると、フェード現象が始まり出す。ブレーキがフェードすると、ブレーキペダルを踏んでも止まらなくなるので、これほど怖いことはない。

 したがって、フェード現象の予兆を感じたら、そのまま走り続けずに、安全な場所にクルマを止めて、ブレーキの温度が冷めるのを待つのがベスト。いまのクルマなら、突然フェード現象が発生してブレーキが利かなくなるようなことはないので、次のような予兆を感じたら気をつけよう。

1) 焦げるような異臭がする(レジンの焼ける匂い)
2) ブレーキから白煙が出る
3) ブレーキの利きが甘くなってきた気がする

 上記のような症状に気づいたら、ブレーキが完全に利かなくなる前にクルマを止めて、30分ぐらい休憩し、ブレーキを十分冷やしてあげよう。

 このとき、たとえブレーキからモクモクと煙が出ていたとしても、水をかけたりしないように! 煙が出るほど熱くなったブレーキに水をあけると、ローターが割れたり歪んだりするので、時間をかけて空気で冷やすこと。ブレーキが冷えれば、フェード現象は解消し普段の利きが戻ってくる。

 またフェードを起こさないための対策としては、耐フェード性の高いスポーツ用のブレーキパッドに交換するのが一番。

 乗り方では、長い下り坂であったとしても、ずっとブレーキを踏み続けるのではなく、直線部はギアを1段か2段落として(ATでも)、エンジンブレーキを使い、フットブレーキはコーナー手前に限って、しっかり短く使うようにする。

 ブレーキをちょこちょこ多用するクセがある人はとくに注意が必要で、AT車で普段から左足ブレーキを使っている人も、無意識のうちに軽くブレーキを踏み続けていることがあるので一度見直してみるといいだろう。

 なおブレーキパッドは消耗品で、乗用車なら4~5万kmが交換の目安。新品のパッドは真在の厚みが10mmぐらいなので、それが5mm以下になったらそろそろ交換時期。2mmまで減ったら危険な領域だ。

 ただし、パッドの摩耗は耐フェード性にはほとんど影響しないといわれている。その代わり、熱の影響でブレーキフルードに気泡が生じ、ブレーキペダルが奥までスコンと入って利かなくなる「ペーパーロック現象」が起きやすくなるので、パッドはなるべく早く交換したほうが安心だ。ブレーキフルードも鮮度が命なので、2~3年に一度は交換すること。

 ちなみに、『ESC』(横滑り防止装置)や 『EBD』(電子制御制動力配分システム)がついているクルマは、リヤブレーキを積極的に使って、姿勢制御を行なっているので、フロントブレーキよりもリヤブレーキのほうが高温になりやすく、パッドの摩耗も早い傾向があるので覚えておこう。藤田竜太


#ブレーキフェード #どういう車がヤバイか


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