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トヨタセダン系ドアに新方式ガラスランを採用

2021-11-04 | 技術系情報
トヨタセダン系ドアに新方式ガラスランを採用
 ここで記している新型LSとは2007年FMCモデルのことだから、ちょっと以前の記事だが、記録的意味で書き留めておきたい。

 いわゆる車対外面のフィラッシュサーフェイス(段差を極力なくし、空気抗力や風騒音を少なくする)という思想で、今から2、30年前にも一時流行の時期があったことを思い出す。それは、欧州車ではアウディ100CDと云うクルマの登場があった。同時代のトヨタでも、クレスタGX51からマークⅡGX60のセダン系で、サイドウインドウに別パーツの金属枠を填め込み、この枠の薄い厚み分をララスランで昇降させる機構で、側面のフィッシュダーフェイスを実現したことがあったが、如何せんコスト高になる理由からだと想像されるがⅠ世代で消えた。

 単にサイドウインドガラス廻りのフラッシュサーフェイスを狙うなら、サッシュレスウインド化させてしまうのが手っ取り早いのだが、ガラスの保持剛性が落ちるとか、ガラスとラバーの接点が一点化してしまうことで、防水、防盗、空気漏れ(吸い出し音)、調整の困難さ(組立タクトタイムの上昇=コスト高)など、セダン向きとは云えない。

 だた、今でもサッシュレスサイドウインドガラスを採用しているクルマは残されている。一つは、ガブリオレ(オープントップ)車だ。それと、サッシュレスにしたからといえ、3ドアや4ドアでも、サイドウインドウの実効視界が上がる訳でもないが、外面ガラス面積が広がることもあり、サイドボデーのスッキリ感が断然良くなるという利点がある。例えば、BMWミニは、現行型で5ドアボデーが追加され、販売面でも5ドア車の方が販売量は多い様だが、3ドアで踏襲されているサッシュレスではなくなり、随分野暮ったく感じるデザインとなったと感じるところだ。

 それとついでにボデーデザインのことでついでに記しておきたいが、昔はフラッシュサーフェイスという思想から、外観面で自然な稜線の連続を描くことが常套デザインだったのだが、昨今のクルマは、ヘッドランプやテールランプレンズが、自然の稜線より飛ぶ出していたりするデザインが流行とも感じるが、空力的にはマイナス要素となると思える。その一方で、アンダーボデーに大型樹脂パネルでカバーリングして、高速時のこれは抗力低減と云うよりCFLと云うべき揚力を押さえる効果を狙う訳だが、何れも200km/h異常で初めて優位な効果が現れるものだろう。こういうところでコストを掛ける一方、内装は表面加工のシボ模様が違うだけで、ほとんどの部材がPP樹脂で原価低減は戴けない易い仕上げの処理だ。

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【レクサス LS 新型】豊田合成、新構造ガラスランを開発《レスポンス編集部》
新型LSに採用…「新構造ガラスラン」がクルマのデザインを変える
2007年記事
 豊田合成は、クルマ側面のスタイリッシュな外観の実現に寄与するとともに、車室内の静粛性を高める「新構造ガラスラン」を開発、トヨタ自動車の新型レクサス『LS』に採用されたと発表した。

 ガラスランはクルマの窓枠に装着される樹脂製シール部品で、ガラスと窓枠の隙間を塞いで騒音や雨、風などが車内に進入するのを防ぐほか、ガラスのスムーズな昇降を支える。

 従来のガラスランは断面がコの字形で、窓ガラスの縁を挟み込んでシールする構造で、ガラス面とセンターピラーの間に段差が生じていた。今回開発した製品は、設計の工夫により断面形状を変更、段差を無くし、フロントとリアのガラスを継ぎ目なく一体的に見せることが可能となる。また、段差部で発生していた風切り音を減らして車内の静粛性向上が図れる。新製品は、トヨタ自動車から「CE特別賞」を受賞している。


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【図解説】サッシュ付きだが、ガラスランをコの字にガラスを囲むのではなく、サッシュレスの様にウェザーストリップゴムの上にガラスが乗る方式にして、フラッシュサーフェイス化している。なお、ガラスランで囲まない分、密着が落ちる弱点を、その内側に別の密着点を作り出すことで、密着不良の弱点を抑え込んでいる。なお、旧来型も新型も、ドアサッシュ内側にもウェザーストリップを配した、二重化していいる。なお、部分的にはピラー側にもウェザーストリップを配して3重化しているのはかなり以前からの常套的な設計だ。


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