私の思いと技術的覚え書き

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MOA美術館訪問のこと

2020-01-07 | 沼津そして伊豆周辺
 先日の日曜(1/5)、偶には目の保養と熱海のMOA美術館を訪問してみた。自宅の沼津からは、30キロ弱で、時間も1時間未満で到着する。このMOAは、過去2度は訪問しているのだが、従来は建物本館の近く、つまり高所にある駐車場に止めて訪問しているのだが(その方が道も近く判り易い)、今回は恣意的に建物下方の正門近くの駐車場にクルマを入れ、正門から入館した。

 美術館というのは、有名どころは何処もその様な傾向があるのだが、収蔵している美術品の魅力はもちろんあるが、その施設自体の魅力というのが欠かせない要素だと感じている。このMOAの場合は、施設照明入口と施設本館の落差は、恐らく100m以上もあるのではないだろうか。従って、入口から本館までの通路は、多段のエスカレーターで連絡されている。各エスカレーターとも、結構長い距離を持っていて、例えて見れば、東京駅で京葉線に乗り換える場面のことを思い浮かべる。長いエスカレーターを何段か下りつつ、よくもこんな深い場所に駅を作ったものよと感じるのだが、このMOAも急傾斜地に建設し、上下エスカレーター中央には階段もあるが、これを歩いたらさぞかし大変なものだろうと思う。しかし、MOAのエスカレーター通路は、照明に工夫が凝らされており、白色のドーム天井に、淡い七色の照明が投射され、それなりに良いムードを漂わせてくれる。特に上層部にあるエスカレーターの乗り換え屈曲した円形ホールには、天井ドームの幾何学的凹凸面に、周辺からプロジェクターで模様が投射され、なかなか見事な雰囲気を出している。

 それと、本館入り口の空間に至って、建て10m横5m程の空間に出たが、左手の窓ガラスび他には壁だけがある様な空間に出て、「アレ?」と思った直後、高さ8m地下で厚み10センチ近くある質感としては粗い仕上げの鋼板に黒い塗装仕上げの、壁用の扉が、スルスルと駆動音も聞こえず開いたのにはちょっとビックリさせられた。

 MOAの収蔵品については大部分については本題と離れるので除外する。しかし、このMOAだけでも、国宝と認定されているものが3点ある。その一つ、尾形光琳の紅白梅図屏風が見当たらないなぁと思いつつ、迷路の如き不案内な管内で見逃したかと思いつつ管内案内人に質すと、作品の傷みを気遣って年間の一部期間に限って展示しているとのことであった。(写真12)

 その他、見応えというか色々考えさせられる展示の一つが、秀吉がその趣向から利休に命じて作らせたという「黄金の茶室」復元だ。利休のことは、予てより感心を抱く人物であり、幾つか書籍も読みつつ過ごし、拙人の以前のブログでも記した覚えがある。利休は、一見素朴な中にある美のコンビネーションを追求したのだろうけど、秀吉の命でいやいやこの黄金の茶室を作成したのだろうけど、その後利休はその予想もしなかった怪しい魅力に気付いたという解釈が何処かの本に記されていたと思うが、理解はしがたいが、その様な人の性もあるのだろうか・・・。

 もう一つ、これも復元だが、本館外に光琳屋敷が復元されていた。典型的な古風な典型的な日本家屋だが、江戸時代の絵師だからしてガラス窓は後付けであろうが、障子の白さと畳の質素なたたずまいが、素晴らしいと感じる。利休と心根と類似しており、作品は金箔を使ったりと派手やかだが、心底は素朴な中にある清さとか美を求めていたのだろうと思うのだ。














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