拙人は自動車事故などの関わり40数年間を過ごしてきた。この中で、大事故車とか水没車の登録情報(VIN[車体刻印]とか登録情報)を利用して、別の盗難車両などとすり替える、いわゆる不正な処理がなされているという実態例の極一部だろうが垣間見てきた。この件について、わが国では自動車検査での車体番号(VIN)の付け替えなど偽造がないかの注意活気がなされている程度であるのが実態だろう。ところで、ある調査研究において、諸外国でこの様な問題を、どのような対処をしているかを記した事例を見たことがあるが、イギリスでの事例を紹介してみよう。
イギリスも車両盗難の多発国の一つである。このイギリスでは、事故車両の鑑定人が全損(修理費が車両価値を上廻る経済全損)の場合、それを車両登録組織に報告することがルール化されており、この場合車両登録情報に「condition alert」(要注意車両)が登録されるそうだ。もし、この「condition alert」の車両を修理し再利用する場合は登録原簿に「condition inspected」(検査済み)という登録に原簿が差し替えられるそうだ。従って、登録識別情報に「condition inspected」があれば、これは修復歴があることが判る。また、「condition alert」から「condition inspected」に切り替える際は、検査機関により車両のすり替えなどがないか検査を受けることも必要になるという。
この件について、大事故車とか水没車のすべてを漏れなく、誰が報告するのかという難しさが考えられるが、事故に関わった警察官、おなじく関わった保険会社調査員など程度しか想定できないが、この正しい報告が担保されるかという問題もあるだろう。間違った報告で、車両の価値が目減りすれば、財産権の侵害にも相当するという問題も生じるだろう。
そんなことから、このイギリスでの制度を直ちに我が国で実施するには、種々の工夫が必要となるだろうが、いずれにしても、組織的な車両窃盗団の存在が未だあるということや、水没車を事故車などを利用して修理して販売しても、なかなか購入者には判らないなどの問題が、ある程度未然に防げる制度であり、検討の余地ある他国の対応としてお知らせするものだ。
イギリスも車両盗難の多発国の一つである。このイギリスでは、事故車両の鑑定人が全損(修理費が車両価値を上廻る経済全損)の場合、それを車両登録組織に報告することがルール化されており、この場合車両登録情報に「condition alert」(要注意車両)が登録されるそうだ。もし、この「condition alert」の車両を修理し再利用する場合は登録原簿に「condition inspected」(検査済み)という登録に原簿が差し替えられるそうだ。従って、登録識別情報に「condition inspected」があれば、これは修復歴があることが判る。また、「condition alert」から「condition inspected」に切り替える際は、検査機関により車両のすり替えなどがないか検査を受けることも必要になるという。
この件について、大事故車とか水没車のすべてを漏れなく、誰が報告するのかという難しさが考えられるが、事故に関わった警察官、おなじく関わった保険会社調査員など程度しか想定できないが、この正しい報告が担保されるかという問題もあるだろう。間違った報告で、車両の価値が目減りすれば、財産権の侵害にも相当するという問題も生じるだろう。
そんなことから、このイギリスでの制度を直ちに我が国で実施するには、種々の工夫が必要となるだろうが、いずれにしても、組織的な車両窃盗団の存在が未だあるということや、水没車を事故車などを利用して修理して販売しても、なかなか購入者には判らないなどの問題が、ある程度未然に防げる制度であり、検討の余地ある他国の対応としてお知らせするものだ。