UDトラックリコール 11/29・様々な考察
一昨日付け(11/29)で、UDトラックスで総対象車数1万台余で、ラジエータ水漏れでリコール届け出がなされたことを知る。
このリコール内容だが、樹脂タンクラジエータの樹脂アッパータンクが亀裂が入り冷却水漏れを生じる恐れがあるとのことだ。この現象は、乗用車でも経年すると、類似の現象は知られているが、下記の対象車両のところで見てほしいが、未だ新車から1年未満で生じており、対象台数1万余だが、不具合件数157件(認知)と、約1.5%と初期不良としては凄い立ち上がりをしておりリコール届けに至ったのだろう。
それと、改善内容で該当ラジエータを対象全社で取替は理解するところだが、さりげなくラジエータキャップを開弁圧(1.2→0.95)のもの(20%ダウン値)に取替と記しているところが気になる。この開弁圧を下げるとは、どういう意味を持つのか理解できるだろうか?
冷却水の開弁圧は、あげるほど冷却水の沸点を上げることで、高温時の冷却性能を向上させるものだ。冷却性能を上げるという観点では、開弁圧は高い方が性能向上できるが、一方むやみに高めると今回の様な樹脂タンク部とかラバーホースに高負荷が掛かりすぎ圧壊を招く恐れがある。
これはあくまで想像の話という前提だが、今回のリコールは、本来の原因は樹脂タンクの問題というより、開弁圧の設定ミスにあったという疑いを持つのだ。
それと、余興までに、本リコールがUD社にとってどの程度の欠損となるかを考察してみたい。
取替部品としては、ラジエータAssy、キャップ、LLC(8L程か)で、部品総額としては小売り定価でラジエータの価格が明確でないが、純正最安の型式で203千円から最高の型式で399千円まである様だが、ここでは最安203千円として、LLCとキャップを加算して部品代総額22万円とする。ただし、これは小売価格なので、メーカーのサプライヤーからの入手価格を想像するしかないのだが、多くても小売価格の1/10程度までではないだろうか。とすれば、部品負担金は21千円だ。
次に工賃だが、こういうリコールの場合はメーカー指図の工数指定でなされるのだろうが、過去の様々な体験から、驚く様な超短時間工数が設定される場合が多い様だ。ちなみに日整連点数表で見ると、ラジエータ脱着2.8で設定されるが取替という設定はない。今回のメーカー指定工数は幾らでなされるだろうか? これは拙人のあくまで想像に過ぎないが、最低で1.0、最高で2.0と云うところではないだろうか。
と云うことで、工数は先の想像の中間値の1.5として単価を7千円として10,500円を工数とする。なお、補足しておくと、いかなメーカーといえ、単価までメーカーで仕切ると、完全な独占禁止法(優越的な地位の濫用)で告発ものとなるので、そこまではしないはずだが、場合によればクレーム工数などと呼ぶ個別ディーラー小売り単価のレスを要求している場合もあくまで推定の話しだが想像してしまう。
ということで、部品代の21,000円+工賃10,500円で合計31,500円(台)となるので、これに対象台数1万台を乗じると3億1千5百万円となる。実際には消費税分が加算されることになるが、これは実際の経理処理上では仕入れと売上の相殺で非課税相当となるので、ここでは考慮外とする。
リコール概要
大型トラックの冷却装置において、樹脂製ラジエータの強度が不足しているため、使用過程においてアッパータンク表面のリブ(突起状の物)を起点に亀裂が入り、冷却水が漏れるおそれがある。そのままの状態で使用を続けると、冷却水量低下の警告メッセージ表示及びブザーが吹鳴する。
改善内容
全車両、ラジエータアセンブリを材質変更した対策品に交換する。また、サブタンクキャップが1.2kgf/cm2のタイプが装着されている場合は、0.95kgf/cm2のタイプに交換する。
対象車両
クオン、日野(6台)、いすゞ(3台) R3年2月~令R4年5月 総対象台数10,248台
一昨日付け(11/29)で、UDトラックスで総対象車数1万台余で、ラジエータ水漏れでリコール届け出がなされたことを知る。
このリコール内容だが、樹脂タンクラジエータの樹脂アッパータンクが亀裂が入り冷却水漏れを生じる恐れがあるとのことだ。この現象は、乗用車でも経年すると、類似の現象は知られているが、下記の対象車両のところで見てほしいが、未だ新車から1年未満で生じており、対象台数1万余だが、不具合件数157件(認知)と、約1.5%と初期不良としては凄い立ち上がりをしておりリコール届けに至ったのだろう。
それと、改善内容で該当ラジエータを対象全社で取替は理解するところだが、さりげなくラジエータキャップを開弁圧(1.2→0.95)のもの(20%ダウン値)に取替と記しているところが気になる。この開弁圧を下げるとは、どういう意味を持つのか理解できるだろうか?
冷却水の開弁圧は、あげるほど冷却水の沸点を上げることで、高温時の冷却性能を向上させるものだ。冷却性能を上げるという観点では、開弁圧は高い方が性能向上できるが、一方むやみに高めると今回の様な樹脂タンク部とかラバーホースに高負荷が掛かりすぎ圧壊を招く恐れがある。
これはあくまで想像の話という前提だが、今回のリコールは、本来の原因は樹脂タンクの問題というより、開弁圧の設定ミスにあったという疑いを持つのだ。
それと、余興までに、本リコールがUD社にとってどの程度の欠損となるかを考察してみたい。
取替部品としては、ラジエータAssy、キャップ、LLC(8L程か)で、部品総額としては小売り定価でラジエータの価格が明確でないが、純正最安の型式で203千円から最高の型式で399千円まである様だが、ここでは最安203千円として、LLCとキャップを加算して部品代総額22万円とする。ただし、これは小売価格なので、メーカーのサプライヤーからの入手価格を想像するしかないのだが、多くても小売価格の1/10程度までではないだろうか。とすれば、部品負担金は21千円だ。
次に工賃だが、こういうリコールの場合はメーカー指図の工数指定でなされるのだろうが、過去の様々な体験から、驚く様な超短時間工数が設定される場合が多い様だ。ちなみに日整連点数表で見ると、ラジエータ脱着2.8で設定されるが取替という設定はない。今回のメーカー指定工数は幾らでなされるだろうか? これは拙人のあくまで想像に過ぎないが、最低で1.0、最高で2.0と云うところではないだろうか。
と云うことで、工数は先の想像の中間値の1.5として単価を7千円として10,500円を工数とする。なお、補足しておくと、いかなメーカーといえ、単価までメーカーで仕切ると、完全な独占禁止法(優越的な地位の濫用)で告発ものとなるので、そこまではしないはずだが、場合によればクレーム工数などと呼ぶ個別ディーラー小売り単価のレスを要求している場合もあくまで推定の話しだが想像してしまう。
ということで、部品代の21,000円+工賃10,500円で合計31,500円(台)となるので、これに対象台数1万台を乗じると3億1千5百万円となる。実際には消費税分が加算されることになるが、これは実際の経理処理上では仕入れと売上の相殺で非課税相当となるので、ここでは考慮外とする。
リコール概要
大型トラックの冷却装置において、樹脂製ラジエータの強度が不足しているため、使用過程においてアッパータンク表面のリブ(突起状の物)を起点に亀裂が入り、冷却水が漏れるおそれがある。そのままの状態で使用を続けると、冷却水量低下の警告メッセージ表示及びブザーが吹鳴する。
改善内容
全車両、ラジエータアセンブリを材質変更した対策品に交換する。また、サブタンクキャップが1.2kgf/cm2のタイプが装着されている場合は、0.95kgf/cm2のタイプに交換する。
対象車両
クオン、日野(6台)、いすゞ(3台) R3年2月~令R4年5月 総対象台数10,248台