ルポルタージュ・損害調査員 その13【アジャスターという名称に関わる嫌悪】
13回目のルポルタージュとして記したい。
このことは、私の過去ログでも何度か記して来たのだが、私および私が見習うべきだと過去感じて来た一部諸先輩とも話してきた中で、このアジャスターという名称は現業に不一致だし、大げさだが嫌悪を感じるということでは意見は一致してきた。そういう意味でも,私は元アジャスターとしての表現に恣意的にアジャスターという名称を使わず、調査員という言葉を使って来ているところなのだ。
ただ、誤解をしないでもらいたいのは、調査員にしても嫌悪するアジャスターにしても、仕事の内容自体を嫌悪しているものではない。保険会社が公式に定め明示した約款に基づき、保険会社のためでもなく、保険契約者に組みするのでもなく、中立的な立場で正しい損害額を積算し、また過失割合だとか、あらゆる部分で不整合があれば,そのことを報告し、場合によってはさらに深い調査を行い、保険会社のためと云うより、善良な契約者を対象とした保険制度を守るという意味で社会正義に貢献するという意味で価値を見出しているところなのだ。
ところが、既に所属損保を離職して10数年を経るが、だんだんアジャスターというものが、独立した専門職と云うより、損保に寄り添う単なる見積屋の技術職と化して来ていることを感じつつ、価値観が失われつつあるのではないかと危惧しているところなのだ。
ところで、先に記した過去から一部諸先輩ともアジャスターなる名称に違和感を持つという部分だが、これは昭和50年(1975年)に自研センターが完成すると共にアジャスター制度としても整えられたのだが、この名称は、米国での"Insurance adjuster"とか"Claim adjuster"という職種名から採用されたということらしい。ついでにそれを提言したのは旧Y火災という当時の国内No2損保の者だったということを聞き及んでいる。
米国でのアジャスター(adjuster)だが、損保に属する場合もあるし、独立した職種として雇用される場合もあるし、州によってらしいが、より中立的立場を法令で示したパブリックアジャスター(Public adjuster)という立場もあるらしい。
彼ら米国のアジャスターの業務は、損害の評価(車物および財物、人身傷害)と、保険証券に対する有無責の判断、契約者や被害者との和解交渉と云ったところで、当然これには保険金詐欺などの不正事案の排除も含む。つまりアジャスターとうワードは直訳すれば調整者となる訳だが、正に当事者と向き合い、調整を行い支払保険金を決定しているのが米国アジャスターと云うことになるだろうとUS Wikipediaを見ると読み取れる。
日本のアジャスターの場合、アジャスターが決めて来た損害額について、希にアジャスター上位職の威張り腐った勘違い野郎の中には、再協定して来いなどとほざく者がいると云う。私に云わせりゃ、自ら同行してOJTで見本を示すなりして見ろと云いたいところだ。日頃満足なOJT活動もせずに、そういう命令をするのみで、自ら動こうとしない官僚体質の勘違いアジャスター上位職こそ、下らない者はないと思っているところだ。
また、元現職のことを貶すのは自らの業種を卑下し自己否定することを自覚するので、避けたいところではあるが、あまりにサラリーマン化し、自らの意見を持たない、見積屋とか御用聞きと云うべき業務内容の現実を垣間見る時、ここまで隷属されて、何ら意見表明しないのは、確かに勤め人の宿命とは云え、あまりに主体性がなさ過ぎるとしか見えない。
自動車業界も今後、人口減とか高齢化、ASVの普及やシェアリングの増加などで,保有台数の減少が間違いなく起こる中で、淘汰の時代に入ることは間違いないが、このことは損保について収保の半分以上を自動車保険で得ている以上、同じ範囲に入ることは間違いない。
先日も記したが、あるBP工場でアジャスターは将来なくなるという私の言葉に、そりゃ困るなぁという工場の返答だが、それは自らの主張を伝えてくれる御用聞きアジャスターがいなくなると困るという証左であろうと聞きつつ、困った現実だなと思うところだ。
#損害調査員ルポルタージュ #米国と日本のアジャスター業務の違い
13回目のルポルタージュとして記したい。
このことは、私の過去ログでも何度か記して来たのだが、私および私が見習うべきだと過去感じて来た一部諸先輩とも話してきた中で、このアジャスターという名称は現業に不一致だし、大げさだが嫌悪を感じるということでは意見は一致してきた。そういう意味でも,私は元アジャスターとしての表現に恣意的にアジャスターという名称を使わず、調査員という言葉を使って来ているところなのだ。
ただ、誤解をしないでもらいたいのは、調査員にしても嫌悪するアジャスターにしても、仕事の内容自体を嫌悪しているものではない。保険会社が公式に定め明示した約款に基づき、保険会社のためでもなく、保険契約者に組みするのでもなく、中立的な立場で正しい損害額を積算し、また過失割合だとか、あらゆる部分で不整合があれば,そのことを報告し、場合によってはさらに深い調査を行い、保険会社のためと云うより、善良な契約者を対象とした保険制度を守るという意味で社会正義に貢献するという意味で価値を見出しているところなのだ。
ところが、既に所属損保を離職して10数年を経るが、だんだんアジャスターというものが、独立した専門職と云うより、損保に寄り添う単なる見積屋の技術職と化して来ていることを感じつつ、価値観が失われつつあるのではないかと危惧しているところなのだ。
ところで、先に記した過去から一部諸先輩ともアジャスターなる名称に違和感を持つという部分だが、これは昭和50年(1975年)に自研センターが完成すると共にアジャスター制度としても整えられたのだが、この名称は、米国での"Insurance adjuster"とか"Claim adjuster"という職種名から採用されたということらしい。ついでにそれを提言したのは旧Y火災という当時の国内No2損保の者だったということを聞き及んでいる。
米国でのアジャスター(adjuster)だが、損保に属する場合もあるし、独立した職種として雇用される場合もあるし、州によってらしいが、より中立的立場を法令で示したパブリックアジャスター(Public adjuster)という立場もあるらしい。
彼ら米国のアジャスターの業務は、損害の評価(車物および財物、人身傷害)と、保険証券に対する有無責の判断、契約者や被害者との和解交渉と云ったところで、当然これには保険金詐欺などの不正事案の排除も含む。つまりアジャスターとうワードは直訳すれば調整者となる訳だが、正に当事者と向き合い、調整を行い支払保険金を決定しているのが米国アジャスターと云うことになるだろうとUS Wikipediaを見ると読み取れる。
日本のアジャスターの場合、アジャスターが決めて来た損害額について、希にアジャスター上位職の威張り腐った勘違い野郎の中には、再協定して来いなどとほざく者がいると云う。私に云わせりゃ、自ら同行してOJTで見本を示すなりして見ろと云いたいところだ。日頃満足なOJT活動もせずに、そういう命令をするのみで、自ら動こうとしない官僚体質の勘違いアジャスター上位職こそ、下らない者はないと思っているところだ。
また、元現職のことを貶すのは自らの業種を卑下し自己否定することを自覚するので、避けたいところではあるが、あまりにサラリーマン化し、自らの意見を持たない、見積屋とか御用聞きと云うべき業務内容の現実を垣間見る時、ここまで隷属されて、何ら意見表明しないのは、確かに勤め人の宿命とは云え、あまりに主体性がなさ過ぎるとしか見えない。
自動車業界も今後、人口減とか高齢化、ASVの普及やシェアリングの増加などで,保有台数の減少が間違いなく起こる中で、淘汰の時代に入ることは間違いないが、このことは損保について収保の半分以上を自動車保険で得ている以上、同じ範囲に入ることは間違いない。
先日も記したが、あるBP工場でアジャスターは将来なくなるという私の言葉に、そりゃ困るなぁという工場の返答だが、それは自らの主張を伝えてくれる御用聞きアジャスターがいなくなると困るという証左であろうと聞きつつ、困った現実だなと思うところだ。
#損害調査員ルポルタージュ #米国と日本のアジャスター業務の違い