私の思いと技術的覚え書き

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2008-11-22 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険

 私は、旧車が好きで、時々そのエンジンを眺める訳ですが、これら旧車でもエンジンはDOHC(ツインカム等呼び方はお国等によって呼び方は色々です)ですが、そのバルブ挟み角(インテークとエキゾーストが相対する角度)が大きいことに気が付きます。これら旧車のエンジンは、DOHCと云っても2弁ですから、出来るだけバルブ面積を大きくしようとすると、バルブ挟み角は大きくなって行く(カムカバーの横幅が広い)訳です。

 一方、最近のエンジンは、ガソリンであろうがディーゼルであろうが、DOHC4弁(中には5弁もありました)が当たり前の様に採用されています。これに伴い、バルブ挟み角は従来より小さくなって来ています。これは、4弁化により十分なバルブ開口面積が取れることで、それよりも燃焼室表面積をコンパクト(小さく)したいという要求によるものです。これは、S/V比と云い、燃焼室表面積に対するシリンダー容積の比率をなるべく小さくして熱損失を少なくすることにより、高効率なエンジンを指向している故のことなのです。

 ところで、燃費向上とCO2対策へのダウンサイジングとして、小排気量でターボ加給による高出力化への動きが、直噴ガソリンおよびコモンレール直噴ディーゼルエンジンで指向なされて来ています。こんな中、従来のインテークバルブの方がエキゾーストバルブより大きいという常識が、変わって来るかもしれないとの記事を見ました。ターボ加給を前提とすれば、吸気側の絞り損失よりも、排気側の抵抗損失を優先し、更にターボの加給効率を高めたいとの指向からの様です。

 なお、蛇足ですが、インテークとエキゾーストバルブの価格は、圧倒的にエキゾーストバルブの方が高価格(およそ2倍)です。この理由は、エキゾースト側が超耐熱合金の使用が必要となるからです。また、特に高性能エンジン等では、排気側バルブのステム(軸)部にナトリウム(ソジウム)が封入され、熱移動を行い易くしたものがあります。

追記

 未だEURO6(国内の新長期規制に相当)には適合していない様ですが、今年のエンジン・オブ・ザ・イヤーを受賞した、BMWの新型直4、2リットルのターボディーゼル(国内未登場)は凄いものだと思います。シーケンシャル(小型と大型の2つのを段階的に作動)ターボにより、その馬力は200psを超え、トルクは45kgmに達すると云うから驚きます。でも、ターボ2つで従来型のシングルターボより+10万は高くなるでしょうし、所詮ディーゼルですからガソリンの様な、高回転まで伸びる広いパワーバンドは持ち得ないものでしょうが。




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