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ルポルタージュ・損害調査員 その11【調査員としての電話対応】

2022-06-27 | コラム
ルポルタージュ・損害調査員 その11【調査員としての電話対応】
 11回目のルポルタージュとして記したい。

 あなたの損保会社の損害査定部署において、電話の多い曜日とか時間帯などがあるだろう。現在は、休日夜間でも事故受付を集中して行う部門がどこの保険会社にも用意される様になったので、昔に比べれば集中度は低下したとはいえ、やはり通常であれば週末休み明けの月曜午前中などの電話は多いだろう。その他連休が続いた休み明けとか、過日関東から東北各地でひょう害が生じたが、この様な地震も含め天災の後に電話は多くなるものだ。

 冒頭、何故こんな電話の話しを記したかというと、今から10数年前損保の大合併があり、私より5才程先輩の他社調査員であるが、日頃からその思考とかに共感を感じている方が、ある時大合併で大手損保に吸収される立場になってから聞いた話しだが、この大手損保の電話対応が正に先に記した状態だと云うことで、呆れ果てて、自分が電話を受けることが度々だと漏らしていたのを聞いて、やはり私とまったく同じで、決して自分の仕事を仕切らないし、できることはやるという責任感ある先輩という判断は間違っていなかったと思うことがあった。この先輩も、既に5年ほど前、定年後乗合アジャスターとして細々と仕事をしていたのだが、病に倒れ亡くなってしまった。現在の私と同じ程度の年齢であったと思う。

 ここで、もう一つ電話絡みの話しを記す。ここでの電話が鳴っているのに取らないのではなく、その人物にやたらと電話が多いという場合を指しての者だ。こういう人物が、社外へ調査に出掛けて帰って来ると、机の上はメモが幾つもある状態となる。希に、研修などで数日席を空けると、おびただしいメモの量で、呆れ眺めるという者なのだが、おそらくあなたの廻りにも、もしくはあなた自信がそうであったら、相当に業務内容を改める必用があるだろう。

 なお、誤解しないでもらいたいのは、ここでは不在メモがやたら多い者を指しているのであって、多少の不在メモがある程度は普通のことなのであろうが、私がその不在メモを受けたとしたら、若干伝え不足があったなと反省すべきがなかったかを思いつつ眺める。

 この不在メモがやたらに多い者は、その対外行動として面談を行った際、言うべきことを言っていないこと、もしくは言っているとしても伝わっていないということに尽きる様にも思われる。だから、面談後に疑問を生じた相手は、「あれはどうだ」等と質問の電話を掛けてくるのだろう。

 それと、そんな電話の多い調査員に見られる特徴として、「常に相手の立場に立った思考をしていない」ことがあるのだろうと思っている。例えば、修理費の遅延が生じている様な場合、相手の立場に立って思考している調査員は、相手から支払いの問い合わせや苦言を聞く前に、予め遅延している理由を告げ了解を取っているものだ。

 何れにしても、伝言メモが多い調査員というのは、その伝言メモの対応を優先して活動せざるを得なくなり、能動的と云うより受動的な活動になりがちなものだ。そして、本人は忙しく対応し、沢山の仕事をしている様な気になっているのかもしれぬ。しかし、それは大きな間違いであって、余り意味のない活動が多く生み出されている故のことだと思うところだ。

追記
 電話の対応で思うことで、もう一つ記してみたい。対外的に何らかの相談の電話で話す際、自分の立場が強者である様な場合だろうが、廻りで聞いていて呆れる程に官僚的というかぞんざいなと言うべき話し方をしている者を見聞きすることがある。企業は金儲けマシーンではありが、働く者は人間であって、親切かつ丁寧に接したいものだと思う。その様な心根を持って接することは、巡り巡って返って来ることだろうと自戒するするところなのだ。


#損害調査員ルポルタージュ #調査員としての電話対応


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