ハイドロプレーン体験の恐怖

ハイドロプレーン体験の恐怖
　これは今からかなり以前、未だ年齢30になるかどうかの頃のことだった。
　当時は損保調査員として、かなり遠隔地も含め、日々の業務活動では日当たり200km、多い日には300km近くまで走り回る各地を走り回っていた。それ（ハイドロ・・）が起きたのは、高地郊外のやや上り坂の舗装直線路だった。道が閑散としていたこともあり、やや飛ばし気味で、暖加速で速度は80km/h前後に達していたであろうか。やおら雷雲と共に猛烈な雨で前方視界も困難な状態になったが、今での急傾斜フロントガラスでないので、ある程度の視界は保てた。

　ろころが、車両の４輪の接地感が突然喪失してしまったのである。つまりステアリングに手応えがなく、スロットルを緩めても、それに対する減速感が得られなくなったのだ。その感じは、速度80km/hで突然、広範囲の氷雪アイスバーンに乗ったかの状態なのだ。ここでステアリングを過剰に大舵角を与えたり、せいどうしてクルマにヨー(Ｚ軸廻りの運動）が生じたら、何処へすっ飛んでいくか判らないことが直感として判り、アクセルから足を離しクルマの減速を待つしかなかった。速度がある程度減じた（おそらく50km/h程度だろう）ところで、ステアリングの手応えをも戻り、「はぁ」と溜息と共にどっと冷や汗が吹き出して来た瞬間だった。この艦の時間は長く感じられたが、おそらく数秒のものだったと思う。

　この現象はハイドロプレーニング現象と呼ばれ、タイヤと路面の間に水膜が生じ、タイヤが路面に接しなく現象で、路面の水膜が大きいこと、タイヤの残り溝が少ないこと、車両重量が軽いことなどが要因としてあることは知っていたが、およそこの時まで実体験するすることはなかったのだ。

　この時のクルマはホンダ・ワンダーシビック25i、タイヤはヨコハマアスペックで残り溝は5分山以上、当時の雷雨は強烈なものでおそらく路面の水膜は10mm程度に達していただろうと思える。たった数秒の現象でであったが、この間にカーブがなかったということが幸運だった。


　反省点賭しては、突然の雷雨による豪雨に至る、その認識をしたら直ちに減速していれば、この経験もしなくて済んだ訳だと後悔しているところだ。また、ものの本によると、雨の降り始めにおいて、乾燥した路面が湿潤し始める経過において、路面に散った埃や微細なチリが拡散することで、完全湿潤より摩擦係数がが低下する場合があり得ることが記されている。このことも意識して運転しなければならないだろう。

＃ハイドロプレーニング