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1/2・郡山4名死亡判決/被告は控訴しないというのだが・・・

2023-04-12 | 事故と事件
1/2・郡山4名死亡判決/被告は控訴しないというのだが・・・
 この郡山郊外の交差路で01/02に生じた事故のことは、発生報当時から極めて気になり追加報道をウォッチしてきた。
 本件事故は、01/02から僅か3月中頃には一審福島地裁・郡山支部での公判が結審(裁判の審理が終結)し、4月10日に判決が下されることが案内されていたが、判決は懲役3年で執行猶予なしの実刑だという。交通事犯の死傷事故では危険運転以外では最高刑7年であるから、死亡者4名が生じた今回事故においては、その過失割合等を勘案して禁錮3年が下されたというのだが・・・。

 ここで、交通事故に関わり40年を経過する私が感じるに、本件事故の裁判処理が極めて短期即決なされていることに驚くところだ。郡山警察や検察、裁判所が事故が少なく、それぞれの調査や検討などが、的確に早期で済んだといえばそれまでのことだが、例えば、あの社会問題となった池袋暴走事故での裁判判決が事故発生から2年を超えてなされていたり、最近多少関わった知人の二輪車被害負傷事故が、警察での実況見分から検察送致まで2カ月掛かると言われたことなどを考えても、人が4名も死んだ事故で、こんな早い早期判決が下されて、本当に間違いはないのだろうか等と感じるところだ。

 下記に転載した、河北新報が伝える4/10の判決言い渡しで裁判官が述べたという言葉も、『「仲むつまじい家族4人が突然激しい炎に巻かれて命を落とした結果の重大性は際立って重い」と述べ、執行猶予を付けるのは「相当でない」と結論付けた。』とあるが、何故発火し、4名の乗員が自ら離脱もしくは他人が救助できなかったことには一切触れていない。

 本件事故について、過去記事で私は何度か記して来たが、今回の様な交差路出合い頭事故により、車両の転覆事故に至る事例は決して少ないものではない。特に転覆車が直進中に車両後側部にその相手者の衝突を受けた様な場合は、特に車高が高く車両重心が高めの車両においては、後部がすくい上げられる様に浮き上がり転覆する事故は、過去何度も繰り返し見て来た。

 一方、車両の事故で出火に至る事案は、転覆することに比べれば決して多くはない。しかも、もし出火が生じて最終敵に車両が丸燃えになったとしても、それ以前に搭乗者は車外に避難して、その出火により焼け死ぬもしくは酸欠等で死ぬ事案は、事故全体から見れば極めてレアな事例と云えよう。

 本事故だが、過去ブログ記事でも述べて来たが、事故で横転した際に、その車両下面に大量のガソリンが流出していて、着火して一気に車両全体が炎に包まれる事態になったことが想定できる。その場合、今回の事故程度で、車両の燃料タンクが大量の燃料を流出するほどの損壊を生じたこと事態が、不思議だということを、事故発生から2週間ほど後には、国交省担当官に知らせ、この事故で大量の燃料漏れが生じるとは車両メーカーに欠陥とまでは云えなくとも何らかの防護処置として欠落したものがあった可能性もあることを伝え、該当車両メーカー(スズキ)に現車を調査させ報告書を提出させる様に要請したのだが、その場はそうしますと答えた担当者が、後日の最打ち合わせにおいては、一々そういう調査まではできないと言葉を一変させたことには驚いた。

 この事故、もし私が被告側の損害保険調査担当者であったら、被害車両の車両底面の燃料タンク周辺を徹底的に観察分析し、今回事故で何故大量の燃料が漏れたのか、その意見書を作成した上で、担当警察および検察にも、そのことを通報し、もし車両メーカーの責任もあると結論付けられれば、刑事弁護人(おそらく国選のやる気のない弁護士だろう)にも、そこを訴求する様促していただろう。

 報道によれば、被告(25)は上告しない意思を示していると云うが、上告期限は2週間で4/24になると思えるが、もし関係者として、被告もしくは被告の保険会社関係者がこの記事で気になる様であれば、連絡戴ければ、最大限の協力を惜しまないという思いだ。つまり、損保は刑事事件の量刑には無頓着だが、これから4名死亡の死亡保険金の話しを詰めることになるのだが、もしメーカー責任があると仮定すればだが、極めて該当損保の対人支払い保険金には大きな影響を生じるはずだ。




【過去記事】
郡山・乗用車同士が出合い頭事故で被害軽乗用が横転火災で4名焼死
2023-01-04 | 事故と事件
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/fb1a437fa0faa075eb6bb4b42b7bf702


郡山・乗用車同士が出合い頭事故で火災は燃料タンク破壊だった
2023-01-12 | 事故と事件
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/e6acea47aa2b01fca149566051ad403e


1/2郡山4名死亡事故の件で監督官庁への意見
2023-01-27 | 事故と事件
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/46b03c16cdb417b7d89ef1df86eae556


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郡山4人死亡事故、被告に禁錮3年 福島地裁郡山支部判決
河北新報 2023年4月10日 19:40
 福島県郡山市の市道交差点で1月、乗用車に衝突された車が炎上し市内の家族4人が死亡した事故で、福島地裁郡山支部は10日、自動車運転処罰法違反(過失致死)の罪に問われた福島市の会社員の男(25)に禁錮3年(求刑禁錮3年6月)の判決を言い渡した。
 小野寺健太裁判官は量刑理由について「仲むつまじい家族4人が突然激しい炎に巻かれて命を落とした結果の重大性は際立って重い」と述べ、執行猶予を付けるのは「相当でない」と結論付けた。
 事故現場に標識がなく、道路の停止線が消えかかっていたことなどに触れ「交差点を見落としやすい状況にあった」と指摘。安全確認を怠った被告の過失の程度は「重大とまではいえない」とし、刑期の長さを決める際に被告に有利な事情として考慮した。
 弁護側は「脇見運転などはしておらず、過失の程度は低い」として執行猶予付きの判決を求めていた。
 判決によると、事故は1月2日午後8時10分ごろ発生した。被告の乗用車が郡山市大平町の市道交差点の出合い頭で軽乗用車に衝突。横転、炎上した軽乗用車の家族4人が死亡した。軽乗用車側の市道が通行優先道路だった。
 死亡したのは、福島市の会社員男性(41)と妻(39)、消防士の長男(20)、高校1年の長女(16)の4人。死因は妻が一酸化炭素中毒、他3人が焼死だった。
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郡山市一家4人死亡事故 25歳の被告が控訴しない意向示す 10日に禁錮3年の実刑判決<福島県>
福島テレビ 4/11(火) 17:33配信
 福島市の高橋俊被告(25)は、2023年1月、福島県郡山市大平町の交差点で運転する乗用車で軽自動車に衝突して橋本貢さんとその家族あわせて4人を死亡させ、4月10日禁錮3年の実刑判決が言い渡された。
 高橋被告の弁護人は、11日被告の意思として「被害者ご遺族の方々には、深くお詫び申し上げます。判決内容を真摯に受け止め、控訴しない事としました」とコメントした。


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