地球的規模で人の生活に最も重要かつ役立っている金属は何かと云えば、鉄(鋼)であることは間違いないであろう。鉄は、無尽蔵といえる程の埋蔵量を持つし、リサイクル性も優れた金属であって、その成分や熱処理における合金鋼として、様々な用途に比較的低コストで対応できる金属であるからでもあるのだ。
ところで、中国の文明開化(?)政策以来、中国産業は一大発展し(真実のところは疑問な点は数々あれど)、今や世界の粗鋼生産量の50%近くを同国が占めるまでになっているそうだ。だだし、粗鋼とは商品化する以前のいわば鉄であり、この後にその含有炭素量や様々な添加成分を加え、さらに緻密な熱処理を施し、要求される商品として必要な性能を持った鋼材となる訳である。最近のクルマに多用される、高張力鋼や超高張力鋼、そしてホットプレス材と呼ばれる高級鋼となると、何処まで中国自体の鋼材メーカーで対応できるか疑問な点もある様だ。ちなみに、中国メーカーは日本や他国の有力鋼材メーカーと提携し、その技術移転を図って来た訳だが、いわゆる転炉処理における、炭素量の調整や他複数金属の微量添加による成分調整までを日本製鉄メーカーは移転していないそうだ。つまり、成分調整済みの鋼塊を輸出し、中国鋼材メーカーで圧延など処理し製品化しているとのことである。つまり、鋼材成分は秘中の秘として、非公開の姿勢を持って対応している訳なのだそうだ。これは、液晶パネルの事例でも明確だが、韓国のLGだとかサムソンに対し、製造機械からノウハウすべてをすべてを輸出した結果、日本の液晶事業は壊滅的な状況に追い込まれる事態を招いたことからも、賢明な日本鋼材メーカーの戦略だろう。
ところで、中国自動車メーカーの自動車生産台数は今や世界最大だろう。と、云っても日本を始め欧米自動車メーカーとの合弁メーカーにより、本国と同水準の品質を生み出しているクルマが大半を占める訳だ。しかし、純中国民族資本の自動車メーカーも、そのデザインが何処かの車種とそっくりと酷評されつつも、生産を増加させていることも確かだろう。
ここで、既に10年ほど前となるが、中国独自メーカー「華農汽車」で生産された「BS6」というクルマを例に記してみたい。このクルマは車体設計は独ポルシェエンジニアリング社、デザインは伊国ピニンファリナ社(BS6のリヤーピラー付近のデザインモチーフは同社デザインが噂された初代のアリストと酷似している)、そして独BMW社に生産技術の指導を受けたとのことだ。これを、独ADAC(日本のJAFに相当する組織)がクラッシュテストした映像が YouTube の動画として公開されているので見てもらいたい。フロントクラッシュテストは、オフセットデフォーマブルバリヤでのものだが、速度は日本の56km/hより高い64km/hだそうだ。
Crashtest: chinesischer Brilliance BS6 By ADAC
この映像を見て驚くのは、その潰れ具合が尋常なものではないことだ。当然エアバックは装備されており正常に作動はしているが、フロントピラーおよびダッシュパネルの後退は、凄まじいものであり、サイドシルにも大きな座屈変形が生じている。ステアリングおよびインストルメントパネルの後退量も恐らく50cm程はありそうだ。これでは、エアバックが装備されていようが、意味をなし得ない。HIC(頭部障害)値も致死レベルまで至った可能性は高いだろう。胸部の圧力は完全に肋骨の破壊レベルだろうし、大腿骨は複雑骨折のレベルは間違いないと断じられる映像だ。
ある記者は、華農汽車が鋼材メーカーにオーダーした鋼板の品質レベルが疑わしいと記している。幾らポルシェで精緻な設計図面と素材が指定されたところで、十分な品質を持った特に高張力鋼板を作る素材技術が、当時の中国(現在でも疑わしい)には無いということだと。そして、自動車というものは、家電製品や携帯電話と違い、素材技術が重要なのであって、単なるリバースエンジニアリングでは、まともなクルマは作れないと記している。
追記
この様な中国の現状を見て一概に笑い馬鹿にすることは出来ません。日本のクルマだって、30年以上前のクルマを同様のクラッシュテストを行えば、今回のBS6と同様の結果となったハズだろうからだ。日本でモーターリゼーションが成熟したのは40年間、韓国は20年で成し遂げ、中国は10年で成し遂げた云われる。しかし、現在大挙して日本のクルマメーカーやサプライヤーが中国進出を果たしており、さらに加速させようとまでの動き(馬鹿ホンダ)もあるが、何れ煮え湯を飲まされる結果となるだろうと確信している。中国人自身はまったく悪いとは(騒がしい民族だが)思わないが、この国家は所詮言論の自由を持たない独裁国家だからだ。この様な国家にまったく信用はおけないのだ。
ところで、中国の文明開化(?)政策以来、中国産業は一大発展し(真実のところは疑問な点は数々あれど)、今や世界の粗鋼生産量の50%近くを同国が占めるまでになっているそうだ。だだし、粗鋼とは商品化する以前のいわば鉄であり、この後にその含有炭素量や様々な添加成分を加え、さらに緻密な熱処理を施し、要求される商品として必要な性能を持った鋼材となる訳である。最近のクルマに多用される、高張力鋼や超高張力鋼、そしてホットプレス材と呼ばれる高級鋼となると、何処まで中国自体の鋼材メーカーで対応できるか疑問な点もある様だ。ちなみに、中国メーカーは日本や他国の有力鋼材メーカーと提携し、その技術移転を図って来た訳だが、いわゆる転炉処理における、炭素量の調整や他複数金属の微量添加による成分調整までを日本製鉄メーカーは移転していないそうだ。つまり、成分調整済みの鋼塊を輸出し、中国鋼材メーカーで圧延など処理し製品化しているとのことである。つまり、鋼材成分は秘中の秘として、非公開の姿勢を持って対応している訳なのだそうだ。これは、液晶パネルの事例でも明確だが、韓国のLGだとかサムソンに対し、製造機械からノウハウすべてをすべてを輸出した結果、日本の液晶事業は壊滅的な状況に追い込まれる事態を招いたことからも、賢明な日本鋼材メーカーの戦略だろう。
ところで、中国自動車メーカーの自動車生産台数は今や世界最大だろう。と、云っても日本を始め欧米自動車メーカーとの合弁メーカーにより、本国と同水準の品質を生み出しているクルマが大半を占める訳だ。しかし、純中国民族資本の自動車メーカーも、そのデザインが何処かの車種とそっくりと酷評されつつも、生産を増加させていることも確かだろう。
ここで、既に10年ほど前となるが、中国独自メーカー「華農汽車」で生産された「BS6」というクルマを例に記してみたい。このクルマは車体設計は独ポルシェエンジニアリング社、デザインは伊国ピニンファリナ社(BS6のリヤーピラー付近のデザインモチーフは同社デザインが噂された初代のアリストと酷似している)、そして独BMW社に生産技術の指導を受けたとのことだ。これを、独ADAC(日本のJAFに相当する組織)がクラッシュテストした映像が YouTube の動画として公開されているので見てもらいたい。フロントクラッシュテストは、オフセットデフォーマブルバリヤでのものだが、速度は日本の56km/hより高い64km/hだそうだ。
Crashtest: chinesischer Brilliance BS6 By ADAC
この映像を見て驚くのは、その潰れ具合が尋常なものではないことだ。当然エアバックは装備されており正常に作動はしているが、フロントピラーおよびダッシュパネルの後退は、凄まじいものであり、サイドシルにも大きな座屈変形が生じている。ステアリングおよびインストルメントパネルの後退量も恐らく50cm程はありそうだ。これでは、エアバックが装備されていようが、意味をなし得ない。HIC(頭部障害)値も致死レベルまで至った可能性は高いだろう。胸部の圧力は完全に肋骨の破壊レベルだろうし、大腿骨は複雑骨折のレベルは間違いないと断じられる映像だ。
ある記者は、華農汽車が鋼材メーカーにオーダーした鋼板の品質レベルが疑わしいと記している。幾らポルシェで精緻な設計図面と素材が指定されたところで、十分な品質を持った特に高張力鋼板を作る素材技術が、当時の中国(現在でも疑わしい)には無いということだと。そして、自動車というものは、家電製品や携帯電話と違い、素材技術が重要なのであって、単なるリバースエンジニアリングでは、まともなクルマは作れないと記している。
追記
この様な中国の現状を見て一概に笑い馬鹿にすることは出来ません。日本のクルマだって、30年以上前のクルマを同様のクラッシュテストを行えば、今回のBS6と同様の結果となったハズだろうからだ。日本でモーターリゼーションが成熟したのは40年間、韓国は20年で成し遂げ、中国は10年で成し遂げた云われる。しかし、現在大挙して日本のクルマメーカーやサプライヤーが中国進出を果たしており、さらに加速させようとまでの動き(馬鹿ホンダ)もあるが、何れ煮え湯を飲まされる結果となるだろうと確信している。中国人自身はまったく悪いとは(騒がしい民族だが)思わないが、この国家は所詮言論の自由を持たない独裁国家だからだ。この様な国家にまったく信用はおけないのだ。