私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

大型バストラブル記

2017-02-05 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 昨日の旅客運行業の大型バスのことである。
 朝、出発時にエンジンを始動しようとした際、一瞬スターターモーターの音がしただけで、以後は一切反応がなというトラブルが生じた。キーをスタータ位置に廻しても、何ら駆動音せず(微かに後方でカチ、カチとリレー音らしき音のみ)、ルームランプの照度も落ちない。すなわち、バッテリーの容量不足ではないことが伺われた。実は、このクルマ、昨年末ごろより、時々スターターモーターの廻りが悪いことが報告されており、提携修理工場でバッテリーやオールタネーターの出力などを診断してもらっていたが異常は無く、当面様子を見ようという状態だったのだ。今回は、完全にスターターが廻らないので、スターターリレー(マグネットクラッチ)か、スターター本体の疑いが濃いということで、同工場に出張修理を依頼し、スターターモーターを取り外し内部を見たところが、写真の如くコンミュエーター部が溶損様態であることが確認された。この溶損であるが、ブラシ(4極)の摩耗により接触抵抗が大となり、大電流時のジュール熱によるものだろう。なお、モーター本体には、社外電装部品会社名と製造年が記してあり2012年11月と4年程しか経ていないという比較的新しい部品である。社外部品としての品質が悪いものであったとしか考えられない。

 修理は対応工場の迅速な手配もあり、昨日午後早々には復旧できることとなり、一安心したのだ。そして、当日、懸案事項であった、同車のタイヤ全6本を交換したが、その際に、以前記した発煙現象の更なる応急対応として、溶損部を中心に三日月型にマッドガードをカットした。つまり、停車時に熱風が当たり易い部位のマッドガードを切り取ってやったということである。

 なお、長くバス会社で勤務したドライバーより聞いたのだが、この停車時のプレヒーター使用において、舗装路面でなく枯れ草地に停車中にボヤ騒ぎになった事例もあるとのことであった。プレヒーターの排気熱は、エキゾーストパイプより高温であり、それでなくても車高の低いバスにおいては、今回の日野の様に真下に噴き出す方式(ふそうでは斜め水平に近い角度になっている)は、周辺環境にも気配りが必用なことの知見として認識したい。

大型バス発煙原因発見のこと



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