私の思いと技術的覚え書き

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自動車関連の生産落ち込み、サンデンのADR申請

2020-06-30 | 車両修理関連
 中国発の世界的病変拡大により、日本の基幹産業となっている自動車生産の落ち込みが報じられている。正確な数字はともかく、ざっくりと云えば、4月、5月と50~60%対前年マイナスという報だ。6月は未だ数値が発表されていないが、やや好転はしているのだろう。そして、7月の生産計画をトヨタはマイナス10%と見込むが、果たしてそこまで好転するだろうか・・・。

 自動車生産は、極めて裾野の広い産業だと知られている。何しろ車両メーカーの組み立て工場は、組み立てという名が示す様に、傘下サプライヤーからの部品を格安、指定数量、指定時刻で集約し、車両メーカーが最大効率に稼働することを最大戦略として動かしている。それが、車両メーカーが、逐次ラインを止め、生産調整を行えば、傘下サプライヤーも相関して出荷数量が落ちる。傘下サプライヤーも、その下、さらに下と、サプライチェーンが連鎖しており、下層程にその資本力は弱小で変動吸収力は弱いだろう。

 また、直接的には自動車産業でない、素材メーカーとして、鋼材、アルミ材、銅材、樹脂材などへの産業へ与える影響も無視できないマイナスが生じているのだろう。そして、完成車の輸送だけでなく、サプライヤー間やサプライヤーから車両メーカーへの物流、そして素材メーカーからの物流など、間接物流としての減少も、相関して生じているのだろう。

 そんな中、エアコンのコンプレッサーメーカーとしては大手のサンデンのが、事業再生ADR(裁判外紛争解決手続)を申請したという。つまり資金繰りが悪化し、経営破綻を防止するため関係する銀行などと返済猶予などを打ち合わせるということだろう。東証1部上場企業のサンデンでさえ、この様な状態に陥っていると云うことは、トヨタグル-プ企業辺りは盤石だが、日産、ホンダ辺りのサプライヤーは、かなり崖っぷちのところもあるのではないかと想像してしまう。
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https://www.fukeiki.com/2020/06/sanden-adr.html
サンデンが事業再生ADR手続を申請、業績悪化に工場休業も 2020年6月30日 17:44
 東証1部上場でカーエアコンなどを製造する「サンデンホールディングス」は、6月30日付で事業再生実務家協会に事業再生ADR手続の利用を申請し、同日付で受理されたと発表しました。

 1943年に「三共電器株式会社」として設立の同社は、コンプレッサーをはじめとする電気機器や部品の製造を手掛け、現在では自動車用エアコンの製造を主力に事業を展開しています。

 ところが、イラン経済制裁に伴う中東ビジネスからの撤退や、不採算だった住環境システム製品分野からの撤退、米中貿易摩擦による市場の低迷などで業績が悪化するなか、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う工場休業の影響で更なる事業環境の悪化が懸念されることから、抜本的な改善策が必要と判断しADR手続の申請を決断したようです。

 なお、取引金融機関からの支援内容をはじめとする事業再生計画については、計画案が成立次第明らかにする方針です。また、複数のスポンサーとの資本業務提携を検討しているとのことです。
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