大型車のホイール亀裂

　日頃、触れあうＳＮＳで、大型車のホイール亀裂の様態が紹介された。この原因は、ハブナットの締め付けトルク不足なのか、はたまた締め付けトルク過大によって、ホイールに割れの起点を生じせしめたためなのか、真の原因は判じかねる。

　ちなみに、写真のホイール締結は従来型で、現在ではＩＳＯ方式と呼ばれる締結本数を多くすると共に、ナットとホイールの当たり面を従来のテーパー当たりでなく平座金で締結するものに変更されている。しかし、ＩＳＯ方式でもホイールが割れた事例があると報じる方もいる。何れにしても、このような亀裂は、ちょっと前のＪＲ西の新幹線代車の亀裂もそうだが、短時間で一気に出現するものではないだろう。いわゆる疲労破壊だから、繰り返し荷重により、その進行は緩やかに加速しつつ進行するのだろうと想像する。

　ということで、最終破断に至る前に、なるべく早期に発見をしなければならないのが肝要なることだろう。そこで、今回の写真を観察すると、亀裂が生じていないナット部からも錆び汁が遠心力で放射状に広がっていることを注目しなければならないと思う。そんな意味で、事故を未然に防ぐための、重要な教材たる写真だと感じる次第だ。