私の思いと技術的覚え書き

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ラジエータグリルについて種々想う

2009-02-28 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険

 クルマのラジエータグリルというのは、もっとも目立つし、そのクルマを特徴付けるものだと感じます。大昔のクルマの写真を眺めると、そもそもラジエータグリルというのは、言葉通りラジエータそのものを覆うGrilカバーであったことが判ります。

 そんな、ラジエータグリルも、時代を経る中で、ラジエータの形状に関わらぬ装飾としての部品になって行きます。そんな、ラジエータグリルの造形ですが、その形状を一目見れば車名が判るクルマがあります。その筆頭は、ロールスロイスなんだろうと思います。

 ロールスロイスの他の英車メーカーと同様に、経営権は他国メーカーに譲渡され、今やBMW社で作られているのですが、例のグリルのモチーフは健在です。

 現在のロールスは近くで見たこともありませ んが判りませんが、かつてのグリルは、オールステンレスで、縦のルーバーも見事に銀ロウ付け(多分)なされ、継ぎ目も判らぬ様、磨き上げられた工芸品と感じられるものでした。多分、専門の職人が結構な時間を要して仕上げていたのでしょう。これを通称、「パルテノン」と呼ぶに値するものだと感じます。

 国産車でも昭和50年(1975年)位までは、ラジエータグリルというのは、金属製で、その多くはグリルの網目は鋼板打ち抜きで、リム部等はステンレスかアンチモン製のクロムメッキ仕上げだったと思い出します。しかし、現在では、どんなに金属感あるものでも、総てプラステック製(多くはABS樹脂)で、メッキや塗装仕上げがなされたものです。外観から見る限りは、それなりに立派に見えますが、実際に取り外したりして手に取って見ると、安っぽいものと感じられてしまいます。その割りに、結構良いお値段が付けられたクルマが多くあります。

 ロールスロイス程ではなくとも、グリル上や内のマスコットも含めれば、ベンツやBMWそしてアルファロメオなんかも、そのデザインモチーフに伝統としてのブランドを誇示し続けているクルマがあります。我が国のメーカーも、何とかブランド力を出そうと、試行錯誤を繰り返しているのですが、なかなかモノにできないと云うのが実情ではないでしょうか。


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