次世代ダイムラー社の旗艦車種・ベンツSクラス(W223)が9/2に発表された。未だ全貌は把握できるものでもないが、ここでは概要として述べてみたい。
そもそも、かつて(30年程前)のメルセデスというのは、その時代の潮流を生み出す、なんらかの驚きというものを感じたものだ。しかし、今の同社には、その様な感激だとか、メカニズムの革新と云うものが霧散して久しい。
さて、新W223だが、外装デザインとしては、あまり大した変わり映えは感じない。リヤビューを見ても、最近のドレンド通りのショートトランクとリヤウインドが寝た、昔ならクーペに近いと云えるもので、セダンはこうあるべきという頑なな保守思考からは受け入れ難いものだ。
エンジンは現状すべて直6・3Lのガソリンとディーゼルだが、何れもターボ加給で、排気量でなくエンジン出力でグレード区分を表している様だ。20年間程乗用車市場からほとんど消え去った直6エンジンが全面復活したという形だが、多くのジアコーサドライブ(横置きFF配置)を採用する量販車メーカーには追随し難いところだろう。なお、全車、PHVとは謳っていない様だが、モーターによる出力・トルク増強機能が付加されている様だ。これは明細なメカ解説を見た訳ではない想像だが、9速ステップATのドルクコンバーターとエンジン間にモーター&ジェネレターユニットを挿入し、加速や発進時の出力トルクの増大と減速時の充電を行うものだろう。なお、従来の別置きスターターは廃止され、エンジン始動も、このモーターユニットで行うのだろう。なお、全車逆位相のリヤステアリング機構を採用していて、最小回転半径など取り回しを容易にしている。と、ここまでのメカは、他車種でも従前採用のことで、何ら目新しいものはない。
室内のインストルメント関係の表示だが、従前のW222で大幅に採用したLCD表示を基本的に踏襲している様だが、センターLCDにタッチ入力の空調やオーディオ操作も統合している様だ。これについては、スマホ世代の若手には違和感がないのかもしれないが、スイッチという入力デバイスを平板なLCDに統合してしまうと、白物家電の様な安っぽさが生じるとは私見だ。なお、内装のインストルメントとかドアライニングに、従来の高級車なら必須アイテムと云えた、木目パネルは一切見当たらない。時代が変わったといえばそれまでだが、この辺りを旧来の保守層がどのように見るのだろうか。
今回のW223のプレスリリースで一番注目したのが「デジタルライト」と呼ばれる、新思想を取り入れたヘッドライトだろう。ヘッドライトは、基本は高輝度LED3面を使用したものの様だが、そこに極めて多面の反射鏡を組み合わせ、ヘッドライト照射面の画像認識を行うものらしい。どの程度までの認識アイテムがあるのか不明ながら、前者との接近、道路上の歩行者、工事中の障害などを検知すると、ヘッドライト照射面の路面に、その注意を促すアイコンをプロジェクション表示するというものだ。これは従来から、ナイトビジョンとかHUD(ヘッドアップディスプレー)で、同様の思想を取り入れた既販車はあったが、より視線移動なく危険を促すことが出来るというのがメーカー訴求の様だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/e6/b615f8d910b8de30df1f60d218936872.jpg)
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追記
今回のW223のプロダクションに関し、ダイムラー社ではまったく新しい製造工程を採用したとのコンファレンスがある様だが明細は不明だ。しかし、私見を述べれば、今や自動車王国たるドイツは、約4、50年前までは、我が国でも、教えを受け、真似し、目標として来た訳だが、こと完成車のドライバビリティたる操安性はともかく、量産テクノロジーに見習うべき要素はなくなった。
輸入車を分解して見る都度、どうしてこんなに多くの部品から構成されている(個別補給部品の数ではない)のか、どうしてこうも調整代があるのか、どうしてこうもサービス性や組付け性に配慮されていないのかと呆れることは多い。これでは、製造過程において、部品コストが跳ね上がり、組立行程の工数がかさんで、とても同クラスの日本車とは勝負にならないだろう。だから、日本車にない、その上の付加価値を求めるのだろうが、もしZEV(EVやFCHV)が主流になったら、ドイツ自動車産業はシーメンス、ボッシュ、ZFなどのサプライヤーを含め終わるだろうというのが私見だ。
そもそも、かつて(30年程前)のメルセデスというのは、その時代の潮流を生み出す、なんらかの驚きというものを感じたものだ。しかし、今の同社には、その様な感激だとか、メカニズムの革新と云うものが霧散して久しい。
さて、新W223だが、外装デザインとしては、あまり大した変わり映えは感じない。リヤビューを見ても、最近のドレンド通りのショートトランクとリヤウインドが寝た、昔ならクーペに近いと云えるもので、セダンはこうあるべきという頑なな保守思考からは受け入れ難いものだ。
エンジンは現状すべて直6・3Lのガソリンとディーゼルだが、何れもターボ加給で、排気量でなくエンジン出力でグレード区分を表している様だ。20年間程乗用車市場からほとんど消え去った直6エンジンが全面復活したという形だが、多くのジアコーサドライブ(横置きFF配置)を採用する量販車メーカーには追随し難いところだろう。なお、全車、PHVとは謳っていない様だが、モーターによる出力・トルク増強機能が付加されている様だ。これは明細なメカ解説を見た訳ではない想像だが、9速ステップATのドルクコンバーターとエンジン間にモーター&ジェネレターユニットを挿入し、加速や発進時の出力トルクの増大と減速時の充電を行うものだろう。なお、従来の別置きスターターは廃止され、エンジン始動も、このモーターユニットで行うのだろう。なお、全車逆位相のリヤステアリング機構を採用していて、最小回転半径など取り回しを容易にしている。と、ここまでのメカは、他車種でも従前採用のことで、何ら目新しいものはない。
室内のインストルメント関係の表示だが、従前のW222で大幅に採用したLCD表示を基本的に踏襲している様だが、センターLCDにタッチ入力の空調やオーディオ操作も統合している様だ。これについては、スマホ世代の若手には違和感がないのかもしれないが、スイッチという入力デバイスを平板なLCDに統合してしまうと、白物家電の様な安っぽさが生じるとは私見だ。なお、内装のインストルメントとかドアライニングに、従来の高級車なら必須アイテムと云えた、木目パネルは一切見当たらない。時代が変わったといえばそれまでだが、この辺りを旧来の保守層がどのように見るのだろうか。
今回のW223のプレスリリースで一番注目したのが「デジタルライト」と呼ばれる、新思想を取り入れたヘッドライトだろう。ヘッドライトは、基本は高輝度LED3面を使用したものの様だが、そこに極めて多面の反射鏡を組み合わせ、ヘッドライト照射面の画像認識を行うものらしい。どの程度までの認識アイテムがあるのか不明ながら、前者との接近、道路上の歩行者、工事中の障害などを検知すると、ヘッドライト照射面の路面に、その注意を促すアイコンをプロジェクション表示するというものだ。これは従来から、ナイトビジョンとかHUD(ヘッドアップディスプレー)で、同様の思想を取り入れた既販車はあったが、より視線移動なく危険を促すことが出来るというのがメーカー訴求の様だ。
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追記
今回のW223のプロダクションに関し、ダイムラー社ではまったく新しい製造工程を採用したとのコンファレンスがある様だが明細は不明だ。しかし、私見を述べれば、今や自動車王国たるドイツは、約4、50年前までは、我が国でも、教えを受け、真似し、目標として来た訳だが、こと完成車のドライバビリティたる操安性はともかく、量産テクノロジーに見習うべき要素はなくなった。
輸入車を分解して見る都度、どうしてこんなに多くの部品から構成されている(個別補給部品の数ではない)のか、どうしてこうも調整代があるのか、どうしてこうもサービス性や組付け性に配慮されていないのかと呆れることは多い。これでは、製造過程において、部品コストが跳ね上がり、組立行程の工数がかさんで、とても同クラスの日本車とは勝負にならないだろう。だから、日本車にない、その上の付加価値を求めるのだろうが、もしZEV(EVやFCHV)が主流になったら、ドイツ自動車産業はシーメンス、ボッシュ、ZFなどのサプライヤーを含め終わるだろうというのが私見だ。