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そもそも日本は昔から愚か

2022-11-12 | コラム
そもそも日本は昔から愚か
 冒頭お断りしたいが、本文内容及び筆者自身は自虐史観にとらわれているつもりはない。しかし、ということで記してみたい。

 昨今、根も葉もなく日本人は優れている、特別だ、みたいな言説とかを聞くことが増えている様に思うが、いわゆるナショナリズムという言葉が相当するのだろう。これは、明治維新以降祭り上げられ過剰に演出されつ存在している天皇制も含め、ちょっとへきえきしつつ聞いているところがある。

 今日(11/12)、名前も覚える気もない法務大臣がトンデモ発言から辞任し変わったが、あまりに現政府与党は堕落していると感じない国民はいないだろう。また、このことは現岸田内閣になって突然起こった訳でもないだろうと思う。安部、菅と9年近くの政権維持の中で、およそ緊張感なく、国民無視の姿勢が増長してしまったと感じるところだ。

 さて、先の戦争(太平洋戦争もしくは大東亜戦争1941年12月7日 – 1945年9月2日)だが、なんであんな戦争を起こさなければならなかったのか、それと終戦については、もう勝ちはあり得ないということが判った時点で降伏しなかったのかということに、政治的な判断ミスの連続が繰り替えされ続けた様に思っている。それと、若干陰謀論としては、アングロサクソン連合軍としては、日独伊三国同盟を結成した頃より、周到な計画の中で追い詰められて、日本は打って出るしかなかったという言説となるのだが、そこまで追い詰められる前に先を見越した視野が欠落したまま、つまり戦略なきまま打って出たというところに大きな間違いがあったと思っている。

 まあ、こういう自信過剰ともいえる政治をしなければならなかったというところだが、一歩弱腰外交を行ったとすれば、当時ではアメリカ(その陰には糸を引く英国)、ソ連共産党が存在し、隙あらば食い荒らそうとしていた訳で、アヘン戦争の中国とか日本に併合された韓国もそうだが、正に弱肉強食のしのぎあいの世というのが、これは現在は一見カバーリングされ見えないが本質としては何も変わっちゃいないと思うべきだろう。

改選前の御前会議における天皇と統帥部(陸軍参謀本部および海軍軍司令部)の陸軍杉山総長と長野海軍総長との会話
天皇:「日米戦争となったら、陸軍はどれくらいの期間で片付ける確信があるのか」
杉山:「南洋方面だけは3カ月くらいにて片付けるつもりであります」
天皇「お前は支那事変[日中戦争]が勃発した時の陸相だ。その時、『事変は1カ月くらいにて片付きます』と申したことを覚えている。しかし4年の長きに渡ってまだ片付かないではないか」
杉山:「支那[中国]は奥地が開けており、予定通りの作戦が難しいのです」
天皇「支那の奥地が広いというなら、太平洋はさらに広いではないか。いかなる確信があって3カ月と言うのか」
杉山:・・・
 杉山の沈黙を見て、ここで永野が言葉を添えた。
永野:「今日、日米の関係を病人にたとえれば、手術をするかしないかの瀬戸際に来ております。手術をしないでこのままにしておけばだんだん衰弱してしまう恐れがあります。手術をすれば非常に危険があるが助かる望みもないではない。その場合、思い切って手術をするかどうかという段階であるかと考えられます。統帥部としてはあくまで外交交渉の成立を希望しますが、不成立の場合は思い切って手術をしなければならんと存じます」

 てな会話が交わされたと歴史は伝えているのだが、この時代外交官にしても山本五十六とか多くのに日本人リーダー達は米国に自ら訪問しつつ、恐らく五大湖周辺のGMとかフォードの自動車生産工場とか、その他ミシシッピ川沿岸の大アルミ工場などを見て、あまりの国力の違いに驚嘆して来たに違いないと思っている。日米の国力の差は、人口差が数倍にしても、工業力とか石油など資源量でも少なくとも10倍、ものによっては20倍以上もの格差があったことを数値分析まではともかく、とんでもない格差のある国と戦おうとしているとの認識がなかったとは云わせない。それを、先の天皇との会話でも、外交交渉がダメなら討って出るしかないという、およそ論理矛盾の寝言で結論付けている。

 それと、別記事で中島知久平のことを調べつつ、すでに2件の記事を記しているのだが、関連して太平洋戦争後期に登場したB29戦略爆撃機だが、米国は改選前に未だ試作機設計段階で250機もボーイング社に生産を発注しているのだ。それと、米国の工業力の凄みは、初戦(真珠湾やその前から始まっている対ドイツ戦など)で航空機の増産が必用と悟ると、GMなど自動車工場に航空機本体なのか部品等を作らせている。つまり、戦略とは集中だと云われるが、正に集中しつつ、日米開戦の4年間でB29をおよそ4千機も作る国が米国だ。



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