最近読んだ本で「悩む力」(姜尚中:かんさんじゅん)があります。現在生活において、何らストレスなく生活しているという人は希なのでしょう。だから、年間3万人を超える自殺者が出続ける世の中になっているのでしょう。そんな悩める現在人に向けた処方箋としての本だから、ベストセラーともなるのでしょう。
かくいう私にも、人生はもう少しで52年になろうとしていますが、絶えず何らかの悩みを持ち続けて来ましたし、過去に死への願望を抱いたことも一度や二度では済まないものがあったと思います。
悩む力では、その様な悩みを是認し受け入れ、その上で一歩踏み出すべきことを伝えようとしているんでしょう。この作者の姜尚中さんも、相当に鬱的な気質の持ち主の様ですし、五木寛之さんも自らが何度か鬱病に陥ったことを記しておられます。私自身のことを振り返っても、鬱的な傾向は相当事前からあったと思いますし、鬱の無限ループに陥ったことも何度かあります。そんな際は、ひたすら死への願望が頭の中を占有していくのです。
ところで、姜尚中さんが記していますが、この方は大学教授な訳ですが、自らを含め現代の勤め人にとって、ある意味で総ての業種がサービス業化して行っていると記しています。確かにその通りで、私の業種であるアジャスター等も正にサービス業化している訳です。過去の私のブログでも何度か、私は職人であるとか職人へのある意味あこがれのことを記してきました。これはある意味で、私のサービス業化に対するジレンマからの逃避の思いでもあるのだと感じています。
この様な本を読む現在の自分は、ある意味鬱の斜面を下り始めているのでしょう。考えて見れば、7月29日早朝、出社と同時に「あなたを解雇します」と一方的に通告を受け、気分晴れやか等と云うことはあり得ません。これからどうしたらいいんだ等々、将来への不安で一杯というのが正直な現在の自分です。ただ、総てに絶望しきっている訳ではないですし、今は充電期間として色々考えながら過ごして行きたいと思います。
それにしても、月曜日に自ら命を絶った同僚のことを思うと心が痛みます。誰かが支えてあげられなかったのか。同じ仲間として残念無念なことと感じざるを得ません。