私の思いと技術的覚え書き

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最近のエンジントレンド

2008-12-20 | コラム

 最近のエンジントレンドとしては色々あるのでしょうが、ダーボ加給と合わせたダウンサイジング(小排気量化)が主流の一つとしてあると思います。それと、もう一つが直噴化なのだろうと思います。この直噴化ですが、10年位前に三菱自動車がGDI(ガソリン・ダイレクト・インジェクション)として大々的に採用し、同社は当時販売するガソリンエンジン全車に採用する等と喧伝されていたと思います。

 しかし、実際には市場の評価は大して良くものでなく、逆に高コストであることの弊害が目立ち、GDIエンジンは減少していってしまったのでした。この理由ですが、当時のGDIエンジンの燃焼コンセプトとしては、点火プラグ付近に直接噴射を行うことにより濃い空燃費として、燃焼室全体としては希薄燃焼(リーン)とする、いわゆる成層燃焼を行うというものだったのです。当然、加速等の高負荷時は出力空燃費としてリッチにしますが、定常走行状態から若干アクセルペダルを踏み加えた時に出力が付いてこない、つまり力感がなく感じられてしまうと云う点にあったのだろうと感じています。

 この、直噴エンジンですが、その実用化は前にも記したことがある、ダイムラーベンツの航空機用V12エンジンであるDB601が最初であった様です。この時の主目的は、戦闘航空機という3次元の高G下で性能発揮にあったのでしょう。このエンジンは、日本でもライセンス生産され、愛知機械や川崎重工で製作され、彗星(すいせい)や飛燕(ひえん)に搭載されましたが、当時の未熟な我が国の工作機械の技術では、満足な性能が発揮できなかった様です。

 そんな、ガソリン直噴エンジンですが、ここに来て再度の脚光を浴びつつある様に感じられます。今度の直噴は、成層燃焼によるリーン化を主眼としたものでなく、高圧縮化と合わせて熱効率の改善による高出力と低燃費を求めているものと感じられ、魅力あるものと感じられます。従来のプレミアムガソリン仕様のエンジンでも、その圧縮比は11位が限界だったと思いますが、最新のスポーツ直噴エンジンでは12位まで高められていることで、そのことが判ります。

 また、ガソリンターボ加給との相性も良く、ダーボ過給圧を低めにし、圧縮比をあまり落とさない設計としたエンジンが、BMWやマツダから登場しており、これも魅力あるものと感じられます。




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