先の大戦中まで、日本は航空機については先進国だった。それは、中島、三菱、川重、川西等のおびただしい航空機メーカーが存在し、名だたる航空機を作り続けて来たからである。ところが、戦後は占領軍の米国命により航空機の製造を禁止され、軍需関連の大企業は解体を命じられ、長く航空機の製造を閉ざすことになったのである。しかも、戦後も延々と継続され続ける米国の属国下(半植民地といってよいだろう)において、国産F2戦闘機の開発例でも明かな通り、米国の強圧的な介入での共同開発となってしまい、米国の脅威となりえる戦闘機を作らせないことに、今でも米国は関与し続けているのだ。
戦後は、主に軍用機を中心に、ライセンス生産から始まり、徐々にオリジナル機を作り出しているが、往年の威勢には到底及ばずとの感だ。そもそも、ライセンス生産によりF15や最新のF35Bまでを日本で現地生産しているが、飛行制御や戦闘制御、そしてネットワーク機能に関わるコンピューターはブラックボックス化され、動作するソフトウェアのソースコード(コンピュータープログラム言語文字列)も非開示だという。もしも、仮に日米大戦の再来となったら、米国はGPSの位置情報と共に、各戦闘機のネットワーク機能の無効化までを行うだろう。絶対に日本の反逆を許さない体制を構築しているのだ。
しかし、そんな戦後日本であるが、最先端の高品質工業生産の技術は高く、航空機の炭素繊維素材(東レ・三菱)だとかジェットエンジンのタービンシャフトやタービンインペラ(IHI)などのサプライヤーとしての存在感は増しつつある。そして、満を持して中型旅客機である三菱MRJを開発中であるが、YS11以来のブランクは大きく、現在米国FAAの型式審査にチャレンジ中であるものの難産を続けていることが報じられている。そもそも、FAAの型式審査に入った直後、客室内での何らかの爆発を想定した飛行制御の維持という問題が生じたやに聞く。結果は、コックピットから機体後部までのワイヤリングをそっくり作り直し、配線経路も変更するという極めて大掛かりな改修を行うことになったと伝わる。
このFAAの型式審査は自動車の型式審査などに比べると極めて厳しいものの様で、約半年近く昼夜飛ばし続け、多数の審査項目をパスする必要があるという。MRJを国内だけで販売するつもりであれば、米国FAA審査など取る必要もないのだが、世界に売り込みたいとなると、米国FAA型式認定は看板として必須となるのだろう。ちなみに、軍用機だとかロシアの旅客機などは、FAA型式認定は取得していないそうだ。
さて、本論となるが、旧大戦中まで、日本の航空機業界で圧倒的なガリバー企業は三菱でなく中島飛行機という企業だったのだ。日本の戦闘機というと第1に名前が出るゼロ戦は三菱だが、総生産機数1万余機の内、中島に生産委託して作ったゼロ戦が全体の6割近くに達すると本家を凌いでいるのだ。
ところで、ゼロ戦の高性能は、1千馬力級と比較的小さいエンジンで、徹底的な運動性能と長距離飛行を可能にせしめたのは、ひとえに機体に軽量化にあるとのことだ。航空機の性能を表すパラメターの一つとして、翼面荷重というのがある。つまり、機体の重量を主翼の面積で除した数値となるが、ゼロ戦では110~130kg/㎡だという。一方、同時代のスピットファイア(英)とかメッサーシュミットbf109(独)では160~170kg/㎡と高い。それだけ、機体が重く頑丈であり、エンジン馬力を有しているから成立したのだろう。ちなみに、最新のジェット戦闘機では300kg/㎡以上とか、ジェット旅客機ではB747で740kg/㎡とか高いが、これは大型フラップとなる高揚力装置を持つが故だろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/6c/65aa5a06f3d01d8ac36297990dffec0f.jpg)
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戦後は、主に軍用機を中心に、ライセンス生産から始まり、徐々にオリジナル機を作り出しているが、往年の威勢には到底及ばずとの感だ。そもそも、ライセンス生産によりF15や最新のF35Bまでを日本で現地生産しているが、飛行制御や戦闘制御、そしてネットワーク機能に関わるコンピューターはブラックボックス化され、動作するソフトウェアのソースコード(コンピュータープログラム言語文字列)も非開示だという。もしも、仮に日米大戦の再来となったら、米国はGPSの位置情報と共に、各戦闘機のネットワーク機能の無効化までを行うだろう。絶対に日本の反逆を許さない体制を構築しているのだ。
しかし、そんな戦後日本であるが、最先端の高品質工業生産の技術は高く、航空機の炭素繊維素材(東レ・三菱)だとかジェットエンジンのタービンシャフトやタービンインペラ(IHI)などのサプライヤーとしての存在感は増しつつある。そして、満を持して中型旅客機である三菱MRJを開発中であるが、YS11以来のブランクは大きく、現在米国FAAの型式審査にチャレンジ中であるものの難産を続けていることが報じられている。そもそも、FAAの型式審査に入った直後、客室内での何らかの爆発を想定した飛行制御の維持という問題が生じたやに聞く。結果は、コックピットから機体後部までのワイヤリングをそっくり作り直し、配線経路も変更するという極めて大掛かりな改修を行うことになったと伝わる。
このFAAの型式審査は自動車の型式審査などに比べると極めて厳しいものの様で、約半年近く昼夜飛ばし続け、多数の審査項目をパスする必要があるという。MRJを国内だけで販売するつもりであれば、米国FAA審査など取る必要もないのだが、世界に売り込みたいとなると、米国FAA型式認定は看板として必須となるのだろう。ちなみに、軍用機だとかロシアの旅客機などは、FAA型式認定は取得していないそうだ。
さて、本論となるが、旧大戦中まで、日本の航空機業界で圧倒的なガリバー企業は三菱でなく中島飛行機という企業だったのだ。日本の戦闘機というと第1に名前が出るゼロ戦は三菱だが、総生産機数1万余機の内、中島に生産委託して作ったゼロ戦が全体の6割近くに達すると本家を凌いでいるのだ。
ところで、ゼロ戦の高性能は、1千馬力級と比較的小さいエンジンで、徹底的な運動性能と長距離飛行を可能にせしめたのは、ひとえに機体に軽量化にあるとのことだ。航空機の性能を表すパラメターの一つとして、翼面荷重というのがある。つまり、機体の重量を主翼の面積で除した数値となるが、ゼロ戦では110~130kg/㎡だという。一方、同時代のスピットファイア(英)とかメッサーシュミットbf109(独)では160~170kg/㎡と高い。それだけ、機体が重く頑丈であり、エンジン馬力を有しているから成立したのだろう。ちなみに、最新のジェット戦闘機では300kg/㎡以上とか、ジェット旅客機ではB747で740kg/㎡とか高いが、これは大型フラップとなる高揚力装置を持つが故だろう。
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