度々記しているが、モータージャナリストなる者の記す文章には、何時も疑問を感じ続けている。従って基本的に読まない様にしているのだが、今回はクルマに関するメカの話であるので、サラツと読んだが、やはり疑問続出なのであった。以下に原文と、疑問点を記してみよう。
以下原文
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同じ過給器でもターボばかりでスーパーチャージャーがあまり採用されない理由とは?
11/1(水) 6:50配信
WEB CARTOP
同じ過給器でもターボばかりでスーパーチャージャーがあまり採用されない理由とは?
スーパーチャージャーは不人気だがターボが人気の理由は明白だ
ターボに比べてサイズが大きく重たくなりがち
ダウンサイジングターボの登場で、ターボはもはやエンジンに標準化されそうな勢いになっていますね。すでにディーゼルではターボは標準で、ドライバリティというよりも、排出ガス対策として不可欠なので外せなくなっています。現実的にダウンサイジングターボは、ドライバビリティも燃費も、両方を引き上げることができるので、これからの主流になっていくことでしょう。そういったトレンドなので、特殊な技術が必要になるターボユニットのサプライヤーは大忙しだそうです。
懐かしのターボタイマー
しかし過給器といえば、ターボの他に、スーパーチャージャーがあります。ターボは排気ガスの力を利用しているのに対して、スーパーチャージャーはエンジンの力を直接取り出して使います。そうした構造が違うだけなんですが、なぜかターボは大人気、スーパーチャージャーは不人気、と分かれてしまっています。
たとえばダウンサイジングの元祖ともいえるフォルクスワーゲン(VW)やアウディは、2つを組み合わせたツインチャージャーやスーパーチャージャーをラインアップしていましたが、気がつくとなくなってしまっています。
スーパーチャージャーのデメリットは、まず結構サイズが大きいことで、重さもあります。いろいろな構造のスーパーチャージャーがありますが、どれもターボと比較するなら同じ傾向です。そして高回転になるとスーパーチャージャーの抵抗が大きくなってしまい、パワーロスが発生するのです。VWが最初に登場させた1.4リッターのツインチャージャーTSIエンジンは、スーパーチャージャーは2500rpm以上でクラッチが切り離されて、駆動されない設定になっていました。それ以上はターボだけで過給するわけです。
スーパーチャージャーには、ターボラグがなく、レスポンスが良いというメリットがあります。しかしダウンサイジングターボでは低速向けのターボを使うので、そもそもターボラグが小さくなっています。排気ガスによって回すので、基本的な駆動ロスはありません。また過給圧の細かな制御が可能になったこと、エンジンの回転上限が低くなっていること、直噴で燃焼の高度な制御が可能になったこと、などの理由でターボのほうが優位になったわけです。岡村神弥
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以上原文終わり
以下、原文から稚拙な文章だと感じる箇所と理由を列記してみる。
①ターボに比べサイズが大きく重くなりがちと記してあるが、スーパーチャージャーは種別があるが、その本体だけでなく、吸気管の取り回しなどシステム全体で比較して、必ずしもターボがコンパクトとは思えない。
②スーパーチャージャーのパワーロスが生じる点については異論はないが、ダウンサイジングターボのラグが小さいと記してあるが、そもそも1000rpmで働く排気ターボはあり得ない。これから普及するかもしれない電動ターボ(これはスーパーチャージャーと同義語となる)なら、ラグが極小のものも出来るだろうが・・・。
③エンジンの回転上限が低くなったのは、メーカーが省燃費を意識してあえて最大回転を低めフリクションロスを抑えていることにあるのだろう。
④直噴での燃焼の高度な制御うんぬんは、現行ディーゼルでは直噴が一番熱効率が高いためだし、ガソリンではプレイグニション対策上もイニシャル圧縮比をあまり落とさず済むことから熱効率上有利となるからだろう。なお、高度な制御とは、ディーゼルでの吸入行程1サイクルで、5回程の分割噴射により排ガス対策上(PM含む)の効果を得るためだ。
この記述を行った記者は、カー雑誌やカタログに記してある記述だけでなく、もっと勉強してから書いて欲しいと思う次第だ。
以下原文
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同じ過給器でもターボばかりでスーパーチャージャーがあまり採用されない理由とは?
11/1(水) 6:50配信
WEB CARTOP
同じ過給器でもターボばかりでスーパーチャージャーがあまり採用されない理由とは?
スーパーチャージャーは不人気だがターボが人気の理由は明白だ
ターボに比べてサイズが大きく重たくなりがち
ダウンサイジングターボの登場で、ターボはもはやエンジンに標準化されそうな勢いになっていますね。すでにディーゼルではターボは標準で、ドライバリティというよりも、排出ガス対策として不可欠なので外せなくなっています。現実的にダウンサイジングターボは、ドライバビリティも燃費も、両方を引き上げることができるので、これからの主流になっていくことでしょう。そういったトレンドなので、特殊な技術が必要になるターボユニットのサプライヤーは大忙しだそうです。
懐かしのターボタイマー
しかし過給器といえば、ターボの他に、スーパーチャージャーがあります。ターボは排気ガスの力を利用しているのに対して、スーパーチャージャーはエンジンの力を直接取り出して使います。そうした構造が違うだけなんですが、なぜかターボは大人気、スーパーチャージャーは不人気、と分かれてしまっています。
たとえばダウンサイジングの元祖ともいえるフォルクスワーゲン(VW)やアウディは、2つを組み合わせたツインチャージャーやスーパーチャージャーをラインアップしていましたが、気がつくとなくなってしまっています。
スーパーチャージャーのデメリットは、まず結構サイズが大きいことで、重さもあります。いろいろな構造のスーパーチャージャーがありますが、どれもターボと比較するなら同じ傾向です。そして高回転になるとスーパーチャージャーの抵抗が大きくなってしまい、パワーロスが発生するのです。VWが最初に登場させた1.4リッターのツインチャージャーTSIエンジンは、スーパーチャージャーは2500rpm以上でクラッチが切り離されて、駆動されない設定になっていました。それ以上はターボだけで過給するわけです。
スーパーチャージャーには、ターボラグがなく、レスポンスが良いというメリットがあります。しかしダウンサイジングターボでは低速向けのターボを使うので、そもそもターボラグが小さくなっています。排気ガスによって回すので、基本的な駆動ロスはありません。また過給圧の細かな制御が可能になったこと、エンジンの回転上限が低くなっていること、直噴で燃焼の高度な制御が可能になったこと、などの理由でターボのほうが優位になったわけです。岡村神弥
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以上原文終わり
以下、原文から稚拙な文章だと感じる箇所と理由を列記してみる。
①ターボに比べサイズが大きく重くなりがちと記してあるが、スーパーチャージャーは種別があるが、その本体だけでなく、吸気管の取り回しなどシステム全体で比較して、必ずしもターボがコンパクトとは思えない。
②スーパーチャージャーのパワーロスが生じる点については異論はないが、ダウンサイジングターボのラグが小さいと記してあるが、そもそも1000rpmで働く排気ターボはあり得ない。これから普及するかもしれない電動ターボ(これはスーパーチャージャーと同義語となる)なら、ラグが極小のものも出来るだろうが・・・。
③エンジンの回転上限が低くなったのは、メーカーが省燃費を意識してあえて最大回転を低めフリクションロスを抑えていることにあるのだろう。
④直噴での燃焼の高度な制御うんぬんは、現行ディーゼルでは直噴が一番熱効率が高いためだし、ガソリンではプレイグニション対策上もイニシャル圧縮比をあまり落とさず済むことから熱効率上有利となるからだろう。なお、高度な制御とは、ディーゼルでの吸入行程1サイクルで、5回程の分割噴射により排ガス対策上(PM含む)の効果を得るためだ。
この記述を行った記者は、カー雑誌やカタログに記してある記述だけでなく、もっと勉強してから書いて欲しいと思う次第だ。