この写真は数年前の上越地震の際に、脱線した新幹線車両を復旧しているクレーン作業の風景を、当時のネットニュースから保存してあった画像です。
おそらく、80トンクラスのクレーン3台で、釣り荷(新幹線車両)も見えない状態で、指揮者の指令の下で、各クレーンオペレーターは同期した操作を行う状況だったのだと思いますが、ある意味難しい作業であったと感じます。
このクレーンという機械は、私もその講習を受けつつ免許を取ったので判るのですが、操作は、ブームの上下げ(起伏と呼ぶ)、伸縮、先回の3つの操作しかなく、簡単なものと思いがちですが、ブームのたわみもありますし、結構デリケートな操作が要求されるものなのです。
よく、トラックに搭載されている小型クレーン(通称ユニック等と呼ばれる)で、車両をひっくり返してしまう様な事故が起きますが、これなんかは釣り荷を釣ったまま、旋回させたり、ブームを下げて行き旋回半径を大きくしてしまうことにより起こる訳です。この様な軽加重の簡易クレーンでは、正式なクレーン免許が必要ないから、余計にこの様な稚拙な事故が起きてしまうのでしょう。
ところで、この震災での新幹線の脱線ですが、この程度の脱線で済んで本当に良かったと思います。時速250キロで走行中に脱線して転覆すれば、それこそ千人単位の死傷者を生じたからです。