最近、ドイツで鉄道輸送中のポルシェ車100台余が搭載された貨物車が衝突事故により、20台程度の搭載ポルシェが損傷したとの記事をネットで知りました。
国内では、現在、鉄道での自動車輸送というのは余り行われておらず、ほとんどが乗用車を5・6台搭載できるキャリヤカーによる運搬が一般的なものです。
しかし、キャリヤカーも多数が走行していますから、中には事故に遭遇し、搭載した新車にダメージを負うということも希に生じているのでしょう。私は以前、新車デーラーに席を置いていた頃(もう30年近く以前)に、ちょっと以前に記載した「三ツ目ガード」で、新車の屋根を潰してしまったことを聞いたことがありました。数年程以前だったと思いますが、東名高速で車両火災でキャリヤカーに搭載されている新車(確かソアラだった)が燃えている新聞記事を見たことがあります。その原因は、キャリヤカーを引くトラクタ車の後輪ブレーキの引き擦り加熱による後輪タイヤからの発火であったと思います。それから暫くして、そのトラクタメーカーは、リコールを行っていました。
ところで、こんなキャリヤーカーや鉄道とは比べもの にならない自動車運搬に、自動車運搬船の沈没等の事故があります。掲載した写真は、東京湾で見た自動車運搬船ですが、遠くから眺めると箱が浮いている様な不格好な船と感じてしまいます。写真はどうやらノルウェー船籍の運輸会社の船の様ですが、最大クラスの運搬船では6千台も積み込めると云います。船内は13層にも区分され、自動車をぎっしりと積み込めるため、この様な背高の不格好な船形になってしまうのでしょう。
この自動車運搬船の沈没事故の報道も、時々耳にすることがあります。何年か以前、マツダ車が4千台近く積んだ運搬船が沈没したとか、韓国のヒュンダイを3千台積んだ運搬船が沈没したとか、国内でもホンダ車を数百台積んだ運搬船が沈没してしまった等のニュース報道を耳にした覚えがあります。
この様な、自動車運搬中の事故ですが、大体保険が契約されていますから、もったいないと感じますが、ユーザーへの負担はそれ程には要していないものだと思います。保険会社にとっては、大損害ですが、この様な大型物件の保険契約は再保険を掛けていますので、それ程には腹は痛まないものです。
追記
再保険での話しですが、米国同時多発テロの際、航空機絡みの再保険を引き受けていた国内保険会社の数社が倒産したり合併したりという端緒となったことがありました。高利率の証券とは、リターンは大きいものの如何にハイリスクかということを感じます。今回起きている米国発の金融危機と経済悪化も、金の亡者達が招いた哀れな結果と感じざるを得ません。