先月末の報で、ネッツトヨタ愛知プラザ豊橋というトヨタ系ディーラーで、国土交通省・中部運輸局の抜き打ち監査の結果、2018年12月~今年1月に車検をしたすべての車5158台に、指定工場としての完成検査に不正があったことが発覚したという。
この不正について、中部運輸局では、同店舗の指定取消、および関わる自動車検査員7名の解任命令の行政処分とされたという。
自動車整備工場たる分解整備事業には2つの認可基準がある。つまり、一つは認証工場であり、分解整備とその完成検査のみが許可され、車検などの検査は各地の自動車検査事務所に車両を持ち込んで検査をおこなうもの。もう一つは、認証工場であることを基準に、一定以上の設備や要員の基準を満たしている条件で認可を受けることができる指定工場だ。
今回のトヨタディーラーは、指定工場であり、発覚した完成検査の不正とは、検査の一部を実施しないにも関わらず、書類上は検査した様にしていたというものの様だ。
ところで、ネッツトヨタ愛知は、愛知県でもトップクラスディーラーグループと想像されるものだ。というのは、トヨタ自動車で全国初のディーラーの歴史を持つ愛知トヨタ、トヨタカローラ愛豊、ネッツトヨタ愛知、ネッツトヨタ東海、愛知スズキ販売、トヨタL&F中部(フォークリフトディーラー)、トヨタレンタカー愛知などを含む、大グループで構成されている。特に愛知トヨタは、戦前の1935年に日の出モータースから全国初のトヨタ代理店となるという、トヨタだけでなく全国ディーラー最古の歴史を持つ企業体だ。
この様な愛知トヨタを基幹に持つATグループの一つである、今次のネッツトヨタ愛知に大規模不正車検が続いていたことに驚く。
ここからは想像を交えて記すが、近年のディーラー経営は、新車販売の減退と共に、サービス部門の売上が企業の命運を帰するほどに主体となりつつある。このことは、バブル崩壊以降、新車市場が乗用車よりさらに縮小した大型車系ディーラーにおいて顕著になっている様子を予て感じている。
今次の不正車検も、整備消化能力を超えた車検入庫の促進を優先するがあまり、不正車検が半ば恒常化してしまった様に思える。
しかし、報道からは今一つ判らないが、検査員は国の検査権限の一部を委任されるという、いわゆる見なし公務員たる立場で、解任など処分を受ける訳だが、組織体としては、営業店毎に店長がおり、またサービス部門を統括する工場長というのがあり(もしかすると7名の検査員の中で、工場長と兼務者が居るのかもしれないが)、これらの者の責任というのが合わせて問われるべき問題を含んでいる様に考える。
------------------------------------------------------------------
ネッツトヨタ愛知の店舗、不正車検5千台 指定取り消し
3/31(水) 9:43配信 朝日新聞デジタル
中部運輸局は30日、自動車販売店「ネッツトヨタ愛知プラザ豊橋」で、車検の一部を怠る不正があったと発表した。2018年12月~今年1月に車検をしたすべての車5158台に上る。ネッツトヨタ愛知は「深くおわびします」と謝罪。対象顧客に連絡し、無料検査を実施するという。
同運輸局によると、スピードメーターの誤差を測る検査を実施しなかったり、サイドブレーキの制動力を測る検査を正しく行わなかったりした。整備記録簿には実施したように虚偽の記載をしていたという。複数の検査員が不正に関与し、「検査台数が多く、間に合わせるため定められた手順を怠った」と話しているという。対象車両に不具合が出たという報告はない。
同運輸局は30日付で同店の指定自動車整備事業の指定を取り消し、自動車検査員7人の解任を命令する行政処分を出した。(堀川勝元)
この不正について、中部運輸局では、同店舗の指定取消、および関わる自動車検査員7名の解任命令の行政処分とされたという。
自動車整備工場たる分解整備事業には2つの認可基準がある。つまり、一つは認証工場であり、分解整備とその完成検査のみが許可され、車検などの検査は各地の自動車検査事務所に車両を持ち込んで検査をおこなうもの。もう一つは、認証工場であることを基準に、一定以上の設備や要員の基準を満たしている条件で認可を受けることができる指定工場だ。
今回のトヨタディーラーは、指定工場であり、発覚した完成検査の不正とは、検査の一部を実施しないにも関わらず、書類上は検査した様にしていたというものの様だ。
ところで、ネッツトヨタ愛知は、愛知県でもトップクラスディーラーグループと想像されるものだ。というのは、トヨタ自動車で全国初のディーラーの歴史を持つ愛知トヨタ、トヨタカローラ愛豊、ネッツトヨタ愛知、ネッツトヨタ東海、愛知スズキ販売、トヨタL&F中部(フォークリフトディーラー)、トヨタレンタカー愛知などを含む、大グループで構成されている。特に愛知トヨタは、戦前の1935年に日の出モータースから全国初のトヨタ代理店となるという、トヨタだけでなく全国ディーラー最古の歴史を持つ企業体だ。
この様な愛知トヨタを基幹に持つATグループの一つである、今次のネッツトヨタ愛知に大規模不正車検が続いていたことに驚く。
ここからは想像を交えて記すが、近年のディーラー経営は、新車販売の減退と共に、サービス部門の売上が企業の命運を帰するほどに主体となりつつある。このことは、バブル崩壊以降、新車市場が乗用車よりさらに縮小した大型車系ディーラーにおいて顕著になっている様子を予て感じている。
今次の不正車検も、整備消化能力を超えた車検入庫の促進を優先するがあまり、不正車検が半ば恒常化してしまった様に思える。
しかし、報道からは今一つ判らないが、検査員は国の検査権限の一部を委任されるという、いわゆる見なし公務員たる立場で、解任など処分を受ける訳だが、組織体としては、営業店毎に店長がおり、またサービス部門を統括する工場長というのがあり(もしかすると7名の検査員の中で、工場長と兼務者が居るのかもしれないが)、これらの者の責任というのが合わせて問われるべき問題を含んでいる様に考える。
------------------------------------------------------------------
ネッツトヨタ愛知の店舗、不正車検5千台 指定取り消し
3/31(水) 9:43配信 朝日新聞デジタル
中部運輸局は30日、自動車販売店「ネッツトヨタ愛知プラザ豊橋」で、車検の一部を怠る不正があったと発表した。2018年12月~今年1月に車検をしたすべての車5158台に上る。ネッツトヨタ愛知は「深くおわびします」と謝罪。対象顧客に連絡し、無料検査を実施するという。
同運輸局によると、スピードメーターの誤差を測る検査を実施しなかったり、サイドブレーキの制動力を測る検査を正しく行わなかったりした。整備記録簿には実施したように虚偽の記載をしていたという。複数の検査員が不正に関与し、「検査台数が多く、間に合わせるため定められた手順を怠った」と話しているという。対象車両に不具合が出たという報告はない。
同運輸局は30日付で同店の指定自動車整備事業の指定を取り消し、自動車検査員7人の解任を命令する行政処分を出した。(堀川勝元)