私の思いと技術的覚え書き

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マツダの SKYACTIV に期待!

2010-12-07 | 技術系情報
 マツダがというメーカーは、トヨタ、日産、ホンダ辺りと比べると、一段規模が劣りますから、昨今の経済環境の中、なかなか厳しいものがあろうかと想像されます、同様規模の富士重工(スバル)が、やや行き詰まりトヨタの援助を仰いだことからも、このことは容易に類推されるところであります。
 しかし、マツダというメーカーは、今や搭載車は限られてしまいましたが、独自のロータリーエンジンの開発など、昔から独自の技術力としては一目置くべきメーカーと感じ続けて来ました。それと、大メーカーが採算性の点から敬遠しがちな、スポーツカーを作り続けている点も好感が持てるところです。
 最近マツダのMPVに、搭載の独自の再始動システムを持ったアイドルストップ機構(i-stopと呼称)の搭載エンジン車が採用しました。アイドリングストップ機構は、省燃費への要求から装備車が増えつつありますが、何れも再始動は通常のスターターモーターを利用するものでした。しかし、マツダは、エンジン停止時のピストン位置を適切に制御し検出することで、ダイレクトインジェクションと組み合わせて、停止状態のピストンを押し下げつつ、速やかな(メーカーでは0.35秒と説明)再始動するというものです。この様な原理は、他のメーカーでも着想はしていたと思いますが、実現にまで追い込めたというのは、このメーカーならではの技術力の高さ故だと感じます。
 さて、先頃マツダより次年度以降から展開する新システムとして、SKYACTIV(スカイアクティブ)という理論での技術発表がなされました。システムの詳細までは理解していませんが、エンジン、トランスアクスル、ボデー骨格にまでおよぶ改善で、従来比で大幅に省燃費化を達成するというものです。
 メインとなるエンジンですが、ガソリンとディーゼルがありますが、何れも圧縮比を15:1を達成したとのことことです。
 まず、ガソリンエンジンでの15:1という圧縮比ですが、如何にハイオク燃料を使おうとも、従来の市販車では12:1ぐらいが最高値だったと思います。ですから、実用車として15:1を可能とするガソリンエンジンというのは、ある意味驚きのものであると感じます。
 次に、ディーゼルエンジンでの15:1という圧縮比ですが、当然ターボ加給を前提としたものですから運転中の実質の圧縮比は、これよりずっと高いものとなるのです。従来この低圧縮比が実現できなかった理由は、始動困難および冷間時の運転性の悪化により実現困難だったものです。
 このSKYACTIV理論ですが、次年度には1.3Lエンジンがデミオに搭載され、10・15モード燃費で30km/Lを達成する見込みとのことです。これは、HEVであるホンダ・フィットと同数値であり、HEVよりは大幅にコストが低い分、大きな競争力を持つ様に思われます。


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