私の思いと技術的覚え書き

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軽い社長が指揮する安直クルマ

2021-12-26 | コラム
軽い社長が指揮する安直クルマ
 近年、国内不況(その不況を招いた張本人と一人として自動車メーカーも入る)をよそに、海外で利益を拡大しているのが、日本の車両メーカーで、筆頭がトヨタだろう。

 最近登場したクルマとして、新型NSXとスープラがあるが、どちらもブランドこそ日本だが、日本で開発した自社のブランドではない。NSXはアメリカで、スープラなどは、BMWで作るクルマで、事実上メーカーはインポーターの立場になっていると云う、およそ車両メーカーの設計開発エンジニアにすれば、素直に喜べない車両ではないだろうか。

 私は車両設計・開発に携わるエンジニアではないが、その心意気は理解できるところだ。その点、2007年末に販売開始した日産GT-Rは、純日本産で日本の技術者が設計し、生産する純日本車で、車両そのものは小変更を重ねているが、14年を経てもイタリアやドイツの最新型スーパースポーツに少しも見劣りしない性能を維持しているところは凄いと思うところだ。過去のGT-Rシリーズ(R34,22,32,C110,C10)は、何十年を経てもいささかも値落ちしないどころか、近年は高騰している訳だが、車両メーカーは落ち目だが、このメーカーの過去のクルマは総じてトヨタより高価値を維持していると感じる。

 おそらく、このNSXにしてもBMW製スープラにしても、将来日産のGT-Rの様に、新車以上の価値が高騰することはあり得ないだろう。

 しかし、表題に上げた様に、この様な安直にクルマを生み出す、つまり自社の保有するポテンシャルを出し切って、自社の力を示すという極当たり前の技術者の心意気というものを理解できない経営者というのは、最も見下すタイプの指揮官だろう。あえて名前を記しておきたいがが、見下す意味で敬称も除く。それはホンダの八郷であり、トヨタの章男だ。

 つまり、儲けるもしくは自社ラインナップを充実させるためなら、他人が作ったものでも、自社のエンブレムを付ければOKという思想は、およそ物作りの経営者にはあってはならないことだと思える。まあ、トヨタの坊ちゃんは、トヨタが生き残れば、製造メーカーには拘らない、クルマ全部子会社サプライヤーに作らせ、車名だけトヨタが残れば、もしくはクルマがなくなってさえ、トヨタが残れば良いとすらお持っている様にしか思えない。





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