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コペン・プラットフォーム

2022-08-28 | コラム
コペン・プラットフォーム
 昨日のこと。ダイハツのディーラーに立ち寄り、現在の足クルマタントの左エンジンマウントの部品通問をしていたのだが、その待ち時間にコペンの新車カタログをもらって帰宅した。

 このコペンに期待するものは皆無だし感心も薄いが、どんな思考で作っているかというのが感心の概ねだ。そんな中、車両のベアシャシの透視図と、主にフロントサスペンション廻りのオプションパーツだろうが補強キットを示した図があったのでこれについて論評してみたい。

 まずは、今や多くのオープンーカーが、そしてSUVだとか1BOX車が、ベースとなった主にセダン型とかハットバック車のプラットフォームを流用して、その動力伝達系とかサスペンション構成部品の大幅な供与の上で成立しているのは当然のことだろう。そうでないと、オープンスポーツカーという限られた市場しか見込めないクルマで採算を取るのは車両メーカーとして困難ということがある。

 今やこれを行っていないのは、マツダのロードスターくらいのものではないのだろうか。自動車について、その高性能先進性を追求しているドイツ車でも、BMWなどは長年Zシリーズ(現在は派生モデルとしてトヨタスープラも作る)があるが、これもその時代の3シリーズセダンをベースにした車両だ。だから動力伝達系とかサスペンション系には、大幅に共用部品が使用されている。

 しかし、BMWのZシリーズなどは、同じサスペンション、同じエンジンと云えども、そのセットアップされた車高とか、エンジンイナーシャがまるで異なる様に官能され、特にステアリングギヤのオーバーオールレシオなどは、3シリーズセダンがロックツウロックが2.5だとすれば、オープンでは2.0程度まで小さくされ、低められた車高と合わせて,バネレートとダンパー減衰力を上げたサスセッテティングは,まったく別の乗り味を提供している。中でも驚くのがエンジンだが、型式状は同型式エンジンだが、まるでイナーシャ感が異なることには驚く。恐らくトルクコンバーター容積を縮小し、あたかも軽量フライホイールと同様の効果を持たせているのだろうが、これが同型式、馬力とトルクは同スペックエンジンとは感じ取れない官能を受ける。

 さて、コペンのプラットフォームでまず気づくのが、後輪サスペンションがリジットのツイストビーム式のままであることだ。この手のサスペンションはFF最安価車に共通の形式で、そのロードホールディング性能は余りにお粗末なものだ。HVとして成功したプリウスも40(α)までは、この形式で、高速高架路などの路面継ぎ目で、後輪がバウンドする都度、数センチ外側に跳びはねるという到底安心して乗れるクルマではない。プリウス(CH-Rとかラブ4など)系も50以降は,やっと後輪サスペンションが独立懸架となったが、コペンのこの安普請ぶりはスポーツカーとしは許せないものと感じる。

 それと、フロントサスペンションを中心とした足回り強化キットだが、色調から見て、恐らくアルミ製のあるまいと着色処理製品だと思うが余りに細い部品で呆れる。アルミとは云え、引き抜き材もしくは鍛造材を使用しているのだろうが、この細い断面では、引き力に対する効力は上がるが、圧縮に対する効力はほとんど効力を持たないお飾り商品だろう。こういうのは、マフラーエンドの2本出しと同様ムード商品というべきアイテムなのだろう。


#コペンの安部品設計 #お飾りアイテム


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