故障運搬時車両損害特約保険
これは今更知ったのだが、既に2019年から車両保険に付帯する新しい特約として販売されていた様だが、「故障運搬時車両損害特約」と云うのがあると知った。
明細は、添付資料の損保ジャパン社のWebページからの切り取りを参照してもらいたいが、通常車両保険では、偶然外来かつ急激な損害を前提とし、いわゆる故障損害などは除外することになっている。このことは、故障などは自然損耗だとか疲労破壊など経時的な問題で生じるものであり、偶然外来性がなく、保険事故に馴染まないとか、そもそもその故障なり損害の真実性を検証するのが困難だという問題もあったと想像できる。
ところが、この損保ジャパン社の「故障運搬時車両損害特約保険」を見ると、故障により走行不能にになったことを前提として、レッカー移動を損保ジャパンに連絡した場合のみ、この「故障運搬時車両損害特約保険」の対象となり、協定保険価格(車両付保額)もしくは100万円の何れか低い額を限度に支払うと云うことが記されている。
つまり、車両付保額が100万以上の場合でも100万円までの故障損害を負担しますということの様だ。ただし、制限事項として以下のことが記されている。
・車両保険の自家用乗用車(普通、小型、軽)であること。商用車は除くということ。
・次の自動車は除く。
・構内用車(ナンバーのない車両だろう) ・改造車 ・並行輸入車 ・外務省登録自動車
・初度登録から60ヶ月以上の自動車(これは60カ月=5年で新車保障との兼ね合いという意味だろう)
・法令上の車検や法定点検を受けていない場合は支払いません。(車検にしても法定点検にしてもユーザーが行っても有効)
まあ、国産車でもオイル管理が不良でエンジン焼き付きとか、オートマチック(CVT)が滑って走行不能というケースは時々ある訳だが、新品前提だと乗用車でも100万超す損害もあり得る。
それと、改造車とか並行輸入車を除くと記してあるが、これもその解釈で異論が出そうな雰囲気を感じるところだ。外務省登録自動車とはいわゆる外交官ナンバーの自動車だが、これを除いたのは何故か。言葉の点とか国家の圧力とか、まさか北朝鮮(彼の国は国際的な保険金詐欺を行っているウワサが絶えない)を見てのことでもあるまいとは思うが。
しかし、元保険調査員として思うに、この保険はかなりモラルリスクが入り込んでくる余地の高い特約だと想像できる。見積屋としての調査は問題ないが、その原因とかモラルリスクの排除には相当な知識とか思考力が要求されるが、損保ジャパンの調査員は優秀なので大丈夫と思考しているのだろうか・・・。あり得そうもないが・・・。
追記
保険の自由化以降、従来なかった新しい各種の保険が出てくるのはある意味結構なことでもあるが、確かにユーザーニーズがあり、保険会社として儲かれば良いという考え方もあるのだろうが、モラル的にどうなのかと考える保険特約というのがある。自整BP工場にとっては修理の幅を増やす意味で対物超過保険などはありがたい保険と思ってることが考えられるが、この保険を付けている場合と付けていない場合で、同じ被害者が実質的に受け取る賠償額に差が生じるという不合理を感じるところである。
保険の矛盾 その1 対物超過保険
2020-08-25 | 問題提起
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/1704a1c90f01e5584fc8f5e68e9d0338
#故障運搬時車両損害特約保険 #乗用車の故障損害を担保する特約
これは今更知ったのだが、既に2019年から車両保険に付帯する新しい特約として販売されていた様だが、「故障運搬時車両損害特約」と云うのがあると知った。
明細は、添付資料の損保ジャパン社のWebページからの切り取りを参照してもらいたいが、通常車両保険では、偶然外来かつ急激な損害を前提とし、いわゆる故障損害などは除外することになっている。このことは、故障などは自然損耗だとか疲労破壊など経時的な問題で生じるものであり、偶然外来性がなく、保険事故に馴染まないとか、そもそもその故障なり損害の真実性を検証するのが困難だという問題もあったと想像できる。
ところが、この損保ジャパン社の「故障運搬時車両損害特約保険」を見ると、故障により走行不能にになったことを前提として、レッカー移動を損保ジャパンに連絡した場合のみ、この「故障運搬時車両損害特約保険」の対象となり、協定保険価格(車両付保額)もしくは100万円の何れか低い額を限度に支払うと云うことが記されている。
つまり、車両付保額が100万以上の場合でも100万円までの故障損害を負担しますということの様だ。ただし、制限事項として以下のことが記されている。
・車両保険の自家用乗用車(普通、小型、軽)であること。商用車は除くということ。
・次の自動車は除く。
・構内用車(ナンバーのない車両だろう) ・改造車 ・並行輸入車 ・外務省登録自動車
・初度登録から60ヶ月以上の自動車(これは60カ月=5年で新車保障との兼ね合いという意味だろう)
・法令上の車検や法定点検を受けていない場合は支払いません。(車検にしても法定点検にしてもユーザーが行っても有効)
まあ、国産車でもオイル管理が不良でエンジン焼き付きとか、オートマチック(CVT)が滑って走行不能というケースは時々ある訳だが、新品前提だと乗用車でも100万超す損害もあり得る。
それと、改造車とか並行輸入車を除くと記してあるが、これもその解釈で異論が出そうな雰囲気を感じるところだ。外務省登録自動車とはいわゆる外交官ナンバーの自動車だが、これを除いたのは何故か。言葉の点とか国家の圧力とか、まさか北朝鮮(彼の国は国際的な保険金詐欺を行っているウワサが絶えない)を見てのことでもあるまいとは思うが。
しかし、元保険調査員として思うに、この保険はかなりモラルリスクが入り込んでくる余地の高い特約だと想像できる。見積屋としての調査は問題ないが、その原因とかモラルリスクの排除には相当な知識とか思考力が要求されるが、損保ジャパンの調査員は優秀なので大丈夫と思考しているのだろうか・・・。あり得そうもないが・・・。
追記
保険の自由化以降、従来なかった新しい各種の保険が出てくるのはある意味結構なことでもあるが、確かにユーザーニーズがあり、保険会社として儲かれば良いという考え方もあるのだろうが、モラル的にどうなのかと考える保険特約というのがある。自整BP工場にとっては修理の幅を増やす意味で対物超過保険などはありがたい保険と思ってることが考えられるが、この保険を付けている場合と付けていない場合で、同じ被害者が実質的に受け取る賠償額に差が生じるという不合理を感じるところである。
保険の矛盾 その1 対物超過保険
2020-08-25 | 問題提起
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/1704a1c90f01e5584fc8f5e68e9d0338
#故障運搬時車両損害特約保険 #乗用車の故障損害を担保する特約