NET探索中、1984年頃のTA64セリカ(FR駆動の4T-GTエンジン)のワークスマシン(ドライバー:ビジョン・ワルデガルドドライブ)のマシンのレストア風景を眺める機会があった。このグループB規定とは、年産200台を下限として認定を受け、更にその中から特別スペシャル改造を施した20台程のエボリューションモデルが作成され、ワークスマシンとしてWRC活動がなされたものである。
レストアされたマシンは、保管状態が悪いことが伺われ、通常の1984年頃のメーカープロダクションカーなら、車体組み立て工場によりカチオンED(電着)塗装も施され、ここまでの発錆状態とはならないが、大幅に手作りで改造されており、従って改造ヶ所はED塗装等できないこともあり、保管状態の悪さと相まって、この様な腐食状態にまで至っているのだろう。
画像から、読み取れる、エボリューションモデルの主な改造ヶ所を列記して見る。
・画像から取り外しているが、室内フロントから後部まで大きく形成された、ロールゲージにより、ボデー全体の曲げおよび捻り剛性をアップさせている。
・フロア下面のフロアアンダーリンホースメントは、前部サイドフレームから後部サイドフレームまで、完全に連続しつつウェブハイトを大幅に増やし、上下曲げを大幅に向上させている。
・センタートンネルのトランスミッションを覆う部分は、大容量MTミッション(たぶんゲトラグ)に合わせ、大幅に大型化されている。
・センターフロア後部は左右に太いメンバーを張り出し、リヤサス(4リンク・ラテラルロッド)の、トレーリングアームボデー側のピボット剛性を大幅に強化している。
・後部バルクヘッド(リヤシート後部の隔壁は、プレス成型品から、厚板一枚物として、大幅に捻り剛性をアップさせてる。
・リヤフロア関係は、ドライサンプ化によるオイルタンクや冷却水タンクの装着や大径スペアホイールの収納のため、プレス成形のスペアホイール含めたリヤフロアパネルから、手作りのスペシャルリヤフロア構造に新作改造されている。
・フロントサイドフレームの構造は、形状などに大幅な変更はない様だが、内側ウェブにエンジンマウント用(反力制限リンク用か?)コの字型ビボットが新設されている。なお、90以降の衝突安全ボデーと違い、サイドフレーム位置は低くフロアとの高さのオフセットは小さい。従って、もし4WD化しようとしても、サイドフレーム高さから不可能だろう。
・ロッカーバネルの前後左右に4点のサービス用ジャッキマウントが新設されている。(完成車ではサイドスポイラーに隠されて見えないが、レース途上のサービスポイントでここに専用リジットラックをセットするのだろう。)
レストレーションの内容は、WEB画像で読み取ってもらいたいが、画像はそれぞれのカットであって、延べ時間は想定するしかないが、ここまでの作業を行うのに何日要したのであろうか。仮に短めの3ヶ月(75日で日当たり8h作業)とすれば、総時間600hで作業単価¥6千円として360万円(原価)となる。実際には、もっと長時間要しただろし、様々な必用材料や消耗品や償却設備機の費用も加味して、利益も考慮すれば1千万程度は要するだろう。何度も思うことだが、本格的なレストアとは、際限ない程に手間を要するし、それを売値に転嫁することが難しく、すなわち事業の継続が難しいものだということになる。
YouTube 1984 Toyota Celica Turbo Restoration
TA64セリカ・ツインカムターボ」のレストア風景
レストアされたマシンは、保管状態が悪いことが伺われ、通常の1984年頃のメーカープロダクションカーなら、車体組み立て工場によりカチオンED(電着)塗装も施され、ここまでの発錆状態とはならないが、大幅に手作りで改造されており、従って改造ヶ所はED塗装等できないこともあり、保管状態の悪さと相まって、この様な腐食状態にまで至っているのだろう。
画像から、読み取れる、エボリューションモデルの主な改造ヶ所を列記して見る。
・画像から取り外しているが、室内フロントから後部まで大きく形成された、ロールゲージにより、ボデー全体の曲げおよび捻り剛性をアップさせている。
・フロア下面のフロアアンダーリンホースメントは、前部サイドフレームから後部サイドフレームまで、完全に連続しつつウェブハイトを大幅に増やし、上下曲げを大幅に向上させている。
・センタートンネルのトランスミッションを覆う部分は、大容量MTミッション(たぶんゲトラグ)に合わせ、大幅に大型化されている。
・センターフロア後部は左右に太いメンバーを張り出し、リヤサス(4リンク・ラテラルロッド)の、トレーリングアームボデー側のピボット剛性を大幅に強化している。
・後部バルクヘッド(リヤシート後部の隔壁は、プレス成型品から、厚板一枚物として、大幅に捻り剛性をアップさせてる。
・リヤフロア関係は、ドライサンプ化によるオイルタンクや冷却水タンクの装着や大径スペアホイールの収納のため、プレス成形のスペアホイール含めたリヤフロアパネルから、手作りのスペシャルリヤフロア構造に新作改造されている。
・フロントサイドフレームの構造は、形状などに大幅な変更はない様だが、内側ウェブにエンジンマウント用(反力制限リンク用か?)コの字型ビボットが新設されている。なお、90以降の衝突安全ボデーと違い、サイドフレーム位置は低くフロアとの高さのオフセットは小さい。従って、もし4WD化しようとしても、サイドフレーム高さから不可能だろう。
・ロッカーバネルの前後左右に4点のサービス用ジャッキマウントが新設されている。(完成車ではサイドスポイラーに隠されて見えないが、レース途上のサービスポイントでここに専用リジットラックをセットするのだろう。)
レストレーションの内容は、WEB画像で読み取ってもらいたいが、画像はそれぞれのカットであって、延べ時間は想定するしかないが、ここまでの作業を行うのに何日要したのであろうか。仮に短めの3ヶ月(75日で日当たり8h作業)とすれば、総時間600hで作業単価¥6千円として360万円(原価)となる。実際には、もっと長時間要しただろし、様々な必用材料や消耗品や償却設備機の費用も加味して、利益も考慮すれば1千万程度は要するだろう。何度も思うことだが、本格的なレストアとは、際限ない程に手間を要するし、それを売値に転嫁することが難しく、すなわち事業の継続が難しいものだということになる。
YouTube 1984 Toyota Celica Turbo Restoration
TA64セリカ・ツインカムターボ」のレストア風景