私の思いと技術的覚え書き

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02/02大阪生野区の逆走車正面衝突からの推定

2023-02-04 | 事故と事件
02/02大阪生野区の逆走車正面衝突からの推定
 この片側3車線という幹線路における逆走車との正面衝突事故だが、かなり激しい衝突事故だ。1BOXの運転者は死亡、助手席者は腰の骨を折る重傷。逆走していたアウディTTの外国人運転手には飲酒があるが重傷、助手席乗員も重傷だという。

 この事故だが、双方が右前同士を衝突させている、いわゆるオフセット衝突と見なせるのだが、その衝突後の停止状態を見ると、正対したオフセットでない(相互車両が平行でない)と云うことがみなせる。


 と云うのは、オフセットバリヤ試験でもそうだが、正対したオフセット衝突では、衝突した側が拘束されることもあり、右前衝突だと右回転する偶力を生じるのが道理となるのだ。しかし、今回の事故写真を見ると、トヨタの1BOX車は、右回転でなく、むしろ左回転している様だ。


 このことは、衝突直前、1BOX車は左へ衝突回避の動静を取り、添付図の想定すべき衝突角度を構成していたと見なせるのだ。なお、このことは、アウディ側のフロントウインドガラス右端部の中央付近に、運転者頭部が衝突したと想像できる頭部衝突によるガラスの割れ損傷が観察できる。このことは、より右方向からの反力が大きく、アウディ運転者は右前に前傾すると共にエアバッグで頭部は受け止め切れず、その結果として頭部がフロントガラスおよび右フロントピラーにも強打していることを想像させる。

 なお、このアウディTTのリヤスポイラーは、電動格納式で、マニュアルで停止時や低速時にも作動できるが、オート設定だと、速度120km/hが作動するしきい値だと記されている。なお、120km/hの作動しきい値も、格納速度や格納までのタイムラグをあえて与えてあり、作動速度から格納までの動作が頻繁に起きないアルゴリズムが取り入れられているのは当然だろう。従って、車両見分では、このオートスポイラーの動作スイッチがオートなのかマニュアル作動の位置なのか確認しておくべきだろう。まあ、もっとも、EDR装置により、衝突前5秒間の速度は、記録なされているので、合わせて立証できることだろう。

 どういう理由で逆走することになったのか、そしてどうしてここまで高速度で走行していたのか、しかも飲酒でとなると、相手者死亡も含め、危険運転(最高刑懲役15年)になる余地は高い事故だろう。
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無免許で酒気帯びか、ナイジェリア人の車が逆走 衝突された男性死亡 危険運転も視野
MBSニュース 2023/02/03 09:28
 2日、大阪市生野区で、車同士が正面衝突した事故で、男性一人がその後死亡しました。
 また、逆走していた車を運転していたナイジェリア国籍の男性から、基準値を超えるアルコールが検出されたうえ、無免許だったことが分かりました。
 2日早朝、大阪市生野区舎利寺の今里筋で、北向きに走っていたワンボックスカーと南向きに逆走してきたスポーツタイプの輸入車が正面衝突しました。
 衝突されたワンボックスカーを運転していた、大阪市東住吉区の金高勲さん(48)が死亡し、助手席に乗っていた金高さんの息子(20)が腰の骨を折る重傷です。
 いっぽう、逆走したスポーツタイプの輸入車を運転していたナイジェリア国籍の男性(25)が重傷、助手席に乗っていた女性(19)も腕の骨を折るなどの重傷です。
 警察によりますと、逆走車を運転していた男性からは、基準値を超えるアルコールが検出されたうえ無免許だったということです。
 警察は当時の詳しい状況を調べるとともに、危険運転致死傷の疑いも視野に捜査を進める方針です。


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