私の思いと技術的覚え書き

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最近の軍事技術のこと その1:イージス艦

2018-02-22 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 図書館通いが続いているのだが、今回は何かと感心を持つ軍事技術に関係する3冊を借りだした。その、感心を持つ事柄としてイージス艦、潜水艦、戦車のことについて目に付いたのが3冊だったのだが、その内のイージス艦についてを記してみる。

 イージス艦(日本は護衛艦と呼ぶ)は、本家米国のライセンス転用として導入しているものだが、我が国では現時点で6艦を保有し、まだまだ増艦して行く様子だ。また、最近の報道では、陸上設置型(イージス・アショア)の導入が、ほぼ決定している様子でもある。イージス護衛艦とは、どの様な仕様を持つのかというのが、主な感心となる。

 まあ、この手の軍事技術というのは、いわゆる対相手国への防衛上から機密に包まれる部分も多い訳で、そのすべてが公開されることはあり得ない。しかし、こういった書籍を読むと、おぼろげながらも、その思想・思考といった、機能の概要が伺えるし、今後進むだろう方向性も想像できるのだ。

 イージス艦の要は、艦橋4面内部に装備したレーダーだろう。各レーダーは固定式だが、ヒューズドアレイという電子的な可変指向性により1面辺り90度の範囲を極短時間でスキャンできる。つまり、4面同時スキャンで機械回転式レーダーにおける360度全周という広範囲スキャンを遅延なく行い目標を追尾し続けることができる。このことが、弾道ミサイルの追尾をも可能にした。そして今、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威にさらされている日本において、BMD(ミサイル防衛)上からも必要度は増して来たということだろう。なお、このヒューズドアレイに使用される半導体素子技術としても、日本は有数のものを持っている様で、さらに遠方へのスキャニングと解像度を高めた次期イージス用その他含んで、日米合同開発への動きが報じられている。

 イージス艦は対空戦闘および対艦戦闘(潜水艦含む)を戦うが、ハードおよびソフトのバージョンアップにより、この本の時点でバーション9まで性能アップして来たことが記されている。もう少し噛み砕くと、当初は同時対応の目標数が20位までだったのが、最新型では当初の数倍に上がっているとか、弾道ミサイル追尾に対処しながら対空戦闘にも同時対処できるとかという内容となる。これは、コンピューターの演算性能の性能向上が可能にした、より緻密で高次なソフトウェアにあるのだろうと想像が付く。なお、コンピュータシステムも、当初の大型機(メインフレーム)による一元システムから、サーバー&クライアントの分散型となり、民生用機器(たぶんサーバー機器群だろう)も大幅に増やしているという。

※下記は以前観艦式で乗艦した「きりしま」のこと。


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