衝突安全性能を向上させた現在のクルマ、それは適度な潰れ剛性の確保に尽きるのでしょう。しかも、鋼板厚の増加をなるべく少なく圧壊強度を向上させるため、高張力鋼板の採用部位は増加の一途となっています。この高張力鋼板ですが、適度な伸びを確保しプレス成形性に優れる低レベルのものは外板関係に利用され、板厚を減じつつ耐デント性の確保が行われています。しかし、内板骨格部位に利用される高レベルのものは、ボディ修理の際、欠かせないスポット溶接の切削が困難になっています。つまり堅くてスポットカッターが直ぐに切れなくなってしまうという問題です。スポットカッターの歯も種々研究はされ、より長寿命を歌う材質のものも販売されている様ではあります。しかし、価格が高すぎることや、再研磨に特別な専用研磨工具やメーカーに依頼しなければならないなど、なかなか悩ましい現状にある様です。なお、コストを要するため採用部位は限定的ですが、ホットプレス材という部材を赤熱状態でプレス加工したもので1500MPa級のものがありますが、まあスポットカッターでの切削は諦め、サンダーで削り取ってしまった方が良い様にも思われます。
それと、国産車では未だ限定的ですが輸入車(特にVW社が熱心)で、スポット溶接ではなく、レーザービームによる連続溶接もしくはブレージング(ロウ付け)がありますが、これも板金屋さん泣かせの結合手法と想像します。VWゴルフ5以降のルーフパネルなどを見ると、従来スポット溶接部位をカバーリングしていたモールがなく、ルーフサイドレールとルーフは連続溶接もしくはブレージングされているのでしょう。しかし、ルーフパネル取替となった場合、既存のMIG溶接機だけでは面出しは不可能ですから、パテ成型ということなり、その手間は大変なものと思われます。
それと、国産車では未だ限定的ですが輸入車(特にVW社が熱心)で、スポット溶接ではなく、レーザービームによる連続溶接もしくはブレージング(ロウ付け)がありますが、これも板金屋さん泣かせの結合手法と想像します。VWゴルフ5以降のルーフパネルなどを見ると、従来スポット溶接部位をカバーリングしていたモールがなく、ルーフサイドレールとルーフは連続溶接もしくはブレージングされているのでしょう。しかし、ルーフパネル取替となった場合、既存のMIG溶接機だけでは面出しは不可能ですから、パテ成型ということなり、その手間は大変なものと思われます。