私の思いと技術的覚え書き

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シートベルトについて

2008-12-20 | 車両修理関連

 ELR、テンションリュディーサー、プリテンショナー、プリローダー、フォースリミッターなる名称は何のことか判りますが。そうです、これら総てはシートベルトに使用される機能の名称なのです。

 乗員をシートに拘束するという単純な機能を持ったシートベルトですが、こんなに色々な名称で呼ばれる機能を持っているのがシートベルトなのです。それでは、これらの名称のそれぞれについて、若干解説してみます。

①ELR

 エマージェンシー・ロッキング・リトラクタの略です。それまでのシートベルトは、未使用時の巻き取り機構がないものでしたが、巻き取り機構の採用と共に、急減速時に振り子の原理で巻き取り機構をロックする機構のことです。

②テンションリュディーサー

 巻き取り機構を持ったシートベルトは、常時巻き取り用のリターンスプリングによる張力が働いています。張力が強すぎたりして拘束感が強すぎることを嫌い、ベルトをキャッチに結合すると、巻き取り張力を弱める機構のことを呼びます。この機構は、主に高級車に採用されています。

③プリテンショナー

 前方衝突時に、シートベルトを主に窒素ガス発生剤のガス圧により、7~8cm程度引き込む機構です。この作動は、エアバックが膨らむ前に作動する仕組みとなっています。これにより、乗員をシートに強く拘束させ、前方への移動を抑止する訳です。なお、プリテンショナーの装着位置ですが、ベルトの巻き取り装置側に装着される場合が多いですが、クルマによってはベルトキャッチ側が引き込まれるものもあります。(主に欧州車に多い)

④プリローダー

 急減速など、衝突が予測される曲面において、電動モーターでシートベルトを一定量巻き上げ、シートベルトの弛みを取る機構です。これは、比較的新しい機構で、主に高級車に使用される機構です。

⑤フォースリミッター

 プリテンショナーとセットで採用される機構です。衝突時に乗員に高Gが作用し、ベルトに一定以上の大きな引力が働くと、ベルトを緩める動作を行います。これにより、乗員の受け止める減速度の高まりを抑止するものです。

Radicalsr4

追記

 写真はラディカルSR4というクルマです。 メーカーで装着の4点(5点?)のシートベルトをそのままに、3点式シートベルトが装着されています。こうしないと、日本で保安基準に適合しない、つまり登録が出来ないんだそうです。
 このラディカル社(英国)ですが、SR8というV8エンジンモデルのニュルでのラップタイムは、GTRより30秒以上早いという市販車です。もっとも、ほとんどレーシングカーですが・・・。 




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